私的映画ランキングトップ100をレビューする 第12位「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」

私も友だろう?

勢いが留まるところを知らない事でもおなじみ、マーベルシネマティックユニバースのええと…もう何本目になるかなんてわかんないんですけどね、「キャプテン・アメリカ」というカテゴリーで見れば3部作の3本目という事になるはずです。
といってもこれまでのキャップ映画とは異なって「シビルウォー」の部分が先に来ているもんですので、どっちかというとキャプテンアメリカの映画というよりはアベンジャーズ2.5みたいな趣の深い今作。
前作「ウィンターソルジャー」から引き続き、ルッソ兄弟の才能が爆発するどんちゃんアクションが最大のお楽しみでもありますので、さっそく思いつくままに行きましょう。

・どちらに付きますか?
コミック原作の「シビルウォー」はそれはそれはいろいろなヒーローを巻き込んでのどえらい事件になるらしいんですが残念ここはMCUだ!というわけで、こっちではこっちでオリジナルな理由からアベンジャーズに亀裂が入ることになりました。
アベンジャーズを国連の管理下に置き、権力というか力の暴走を防ぐのだ!というアイアンマン派閥と、それに対するのはSHIELDですらあんなことになってたのに国連なんかに管理されて身動きが取れなくなってしまうかもしれない!というキャップ派閥に大きくわかれることになりますね。
まあもっと詳しく言えばどっちにもどっちなりの理由があったり、それぞれの陣営につくヒーローも彼ら彼女らなりの理由があって対立するわけで。
一応この映画の主人公はキャップなもんでややそっち側が正しくないか?って雰囲気のまま物語は進みますが、実際見ている人の中でも真っ二つに分かれていたとかいないとかなので、もうこの時点で制作側の大勝利なんですよね、いやはや恐ろしいユニバースだ。
しかしこれはあまりにも時事的なお話ですけど最近の国連とか見てるとキャップの意見の方がやっぱり……?と思わないこともないですね、まあ、深い話はここではやめておきましょう。
ヒーローの実力とか考えたらやっぱワンダ居る方につくよな。

・ゴリッゴリのアクション
もうこの映画が始まってすぐのあそこは研究施設かなんかですかね?あそこの襲撃を阻止するアクションからもう息もつかせない展開がすさまじい。
ドゥーンドゥンドゥン言ってるかっこいい音楽を背景にキャップやらファルコンやらナターシャやらがもうやりたい放題。ついでにワンダさんもいらっしゃいますが彼女、強すぎるやろ……。
そのあともバッキーやブラパン絡みですったもんだどったんばったんしながらクライマックスの空港バトルへと向かっていくんですけどね、あれもうとんでもないですね。
同じ画面に12人くらいクセのすごいヒーローが集結してバトルを繰り広げることになるんですけど、それぞれのヒーローに見事に見せ場を用意したうえで単調にもならず、それでいて展開の予想もつかないというのがもう、末恐ろしいとしか言いようがないです。
ちょっと笑っちゃったのがバトル開幕時のアイアンマンとワンダさん、ぶわーっと飛んでいってそのままエアバトルかと思いきや着地するんかい!!ってね、まあ画がね、大事なのよね。
そんでもって最終決戦はキャップ&バッキーvsアイアンマンと、まあ仕方ないとはいえ一人の主人公がヴィランのような立ち位置になるのはなかなか衝撃的なことでした。
ここのバトルもね~いいんですよね。キャップとバッキーの抜群のコンビネーションや、有能AIガールフライデーちゃんの「殴り合いじゃ勝てないよ!」っていうアレ、やっぱキャップって強いんだなあ。
そして極めつけはMCU屈指の名台詞「I can do this all day」、かつて「ファーストアベンジャー」ではバッキーに助けられる側だったキャップが今度はバッキーを助ける側としてこのセリフを吐くっていうのがね~~たまらんね~~~~!!
もう思い出してたら止まらないんでこれで最後にしますけど、キャップがバッキーを守る理由として「彼は友達だ」に対するアイアンマンの「私もそうだった」ってねもうね……心が苦しいぞ……。

・キャップさん
長くなりそうなのでヒーロー別にお話できればって感じです。
前作「ウィンターソルジャー」ですっかり盾が強いだけおじさんのイメージから脱却してめちゃくちゃかっこいい感じでしてね、もうボキャ貧よ。
今作ではアベンジャーズのみんなと仲良くしていたいのは山々ながらも、大親友バッキーのピンチとなればそればっかりはどうしようもないという趣で、彼の信じる正義に関してかなりファンの中でも議論があったりしたそうですね。
主人公なもんでいろいろと都合がいいというかアイアンマン側がちょっとアレなんじゃない?と思わせチックな脚本に仕立てられているような気もしますが、まあ悪いのはヒドラとジモということでね、ここはひとつ。

・アイアンマン
悲しいかなストーリーの都合もあって悪役めいた立ち回りをすることになってしまったご存じトニー・スタークさん。
「エイジ・オブ・ウルトロン」のあれやこれやを経て彼が至った結論というのもまあわからんでもないんですが、スピーチの後に話しかけられた国連だかどこかの職員との会話でそこまでみんなに言う?とか、いくら両親を殺した直接の犯人とは言えヒドラが悪いんですよ?とか、まあちょっと思うところはあるにしろ仕方ないというのもまたそれはそれということ。
重度のツンデレなもんで今後キャップとの和解にはエンドゲームを待つことになってしまうのですが、そんなもんは置いといて今作のアクションもまたかっこよかったですね~!
アベンジャーズメンバーとの戦いは本気を出さないようにしていたというのもあってちょっと控えめですが、最終盤のvsバッキー&キャップ戦ではご自慢のAIをフル活用したりしなかったり。逃げるバッキーを追う際の「目視でやる」みたいなやつもかっこいいんじゃ~~~。

・バッキー
さすがにかわいそうと言わざるを得ないぜ。
ウィンターソルジャーのころからイマイチ戦闘能力の高低がわかりにくいというか、最近の「ファルコン&ウィンターソルジャー」でもパッとしないのが寂しいところですね。きみ超人血清的なやつ打たれてるんだよね??
あと中の人の都合もあるのかもしれませんが、ウィンターソルジャーのころと比べてずいぶんと健康的な体つきになってしもうて、前のめっちゃ不健康そうな見た目の方が好きだったりもするんですがね、仕方ないね。

・ファルコン
最初のアクションシークエンスあまりにもかっこいいですね~。
相棒のレッドウィングも機械化しての登場という事で原作ファンもニッコリ。
スーツそのものはただめちゃくちゃ高性能なウイングスーツで、別にヴィブラニウムでできているとか本人がバカ程強いとかいうわけでもないのに結構な活躍。今後彼は…おっとこの話はもうちょっとふさわしい舞台があるのでそっちに取っておきましょう。

・ブラックウィドウ
まさかのアイアンマン陣営という流れからやっぱりなという裏切り?のようなアレ。
ペギー亡きあと孤独なキャップを慰めにくるシーンとかね、映画「ブラック・ウィドウ」が公開された今になってみると彼女のアベンジャーズへの思いというのが感じられておお、もう……。
空港バトルではホークアイと演じたじゃれあいもまた面白ポイントでございました。

・ホークアイ
ワンダちゃんやヴィジョンと色々ございましてこのお方。
正直話の展開をあんまり覚えてなくてなんでこいつキャップ側なんでしたっけ?まま、ええわ。
「エイジ・オブ・ウルトロン」でのクソかっこいい一幕以来、何かとワンダちゃんと関りがある描写も多いのでね、是非とも最新作「マルチバースオブマッドネス」にもチラと出てきてくれたらうれしいところです。

・ウォーマシン
バリバリの軍人さんだしトニーのマブダチということもあって当然アイアンマン陣営。
あくまでメイン張れるようなヒーローではないというのが悲しいかな、あまり出番があったわけではないですが、空港バトルにおけるvsジャイアントマンで見せたフルバーストはやはり男のロマンというもの。
この先ドラマシリーズで日の目を浴びそうでもあるのでね、活躍に期待しましょう。

・ブラックパンサー
本編より前にまさかの登場ということでチラ見せ…どころでは済まされていないモロ見せワカンダ国王様。
今作では基本終始復讐の魁になっているのでこの後になってみられるような魅力というのは微妙な感じですが、ヴィブラニウムスーツとハーブの力を使ったトリプルキックや「知るか」など、随所随所で存在感を出していましたね。
最後の最後ではしっかり本質というか聖人ぶりも見せてくれて、まあここももっと早くにあれこれしていればこうはならなかったものをというお話でもありますがそれはそれということ。

・スカーレットウィッチ
作中一切↑の名前で呼ばれないので違和感エグいですね?
前作を経て能力を安定して使いこなせるようになったのか、冒頭のアクションの時点で規格外の強さを感じさせます。最強キャラたまんねえな~!
彼女がちょい悪役クロスボーンズ(なんとあのラムロウ!)の処理に手こずったことが今作の大事件のきっかけにもなっている訳ですけどね、あんなんしょうがないやろって思うんです?ワンダちゃんをこれ以上不幸にしないで!!!
ヴィジョンといちゃついていたり空港バトルで大活躍したりとなかなか出番も多くてうれしいところ、MCU最新作でも大暴れしてくれそうなものです。

・スパイダーマン
まさかまさかまさかのMCU参戦!中身は世界の孫ことトム・ホランド様でございます。
ソニーとのいざこざを経て色々複雑な立場での参戦ではありながらもキャップの盾を奪い、バッキー&翼を手玉に取り、ジャイアントマンまでやっつけてしまうMVP級の活躍。
バッキー渾身のパンチを軽々と受け止めるシーンはちょっと感動というか、やっぱこいつつえ~んだな~!と嬉しくなっちゃう名場面でした。
そんな一方でキャップとの戦いは経験不足からかやや押され気味、後日談えではありますがあれでも手加減されていたんだろうということでね、アベンジャーズのリーダー格はやっぱ違うぜ。

・アントマン
でましたMCU最強のコメディ要員ということで、彼が出てくれるとそれだけで映画の雰囲気が和みますね、ありがたいものです。
スパイダーマンと虫男繋がりということで、主にジャイアントマンとしてやりあうことになるわけですが、何ならその気になれば小さくなって全員ボコボコにできちゃうんじゃないの?ってくらい強いのもまた面白いところです。いやでもヴィジョンは無理か。
その他、見方を変えれば一番何もわからないまま巻き込まれて一番ひどいというか理不尽な憂き目にあっているのも彼では?と「アントマン&ワスプ」とかを見ると思ってしまったり、まあそれでも本人が面白いので気にしないでいいか!

・ヴィジョン
忘れてた……。
あまりにも強すぎてバランスがおかしなことになってしまうので無意識に勢力図から外しちゃってた……。
「エイジ・オブ・ウルトロン」での誕生時点でそのチート性能っぷりは散見されていたものの、今作でさらにそれが強まった感じですね。
主にワンダ以外では文字通り手も足も出ないほどの強力さで、最近で言うなら「エターナルズ」のイカリスと同じくらい強いんでない?ていうかそう考えるとイカリスめっちゃつええな。
ジャーヴィス時代とは異なってやたらと人間臭さが増してきているのも一つの特徴。これは賛否ありそうですけどどうですかね?個人的にはジャーヴィス時代の方が好きかな~。

・ジモ
ぜ~~~~~~~~~~~んぶお前が悪い!
ただ謎にカリスマがあるというか、しゃべり方がダンディというかこうね、いいですよね。ディッセンバーシクスティ ナインティナインティワンン。
ドラマでも結構な活躍をしていたご様子なので、今後もMCUの中で暗躍してくれそうなのをね、楽しみにしておきましょう。

・おわりに
「エイジ・オブ・ウルトロン」「アントマン」にて終わりを迎えたMCUフェーズ2から、次なるフェーズ3の幕開け担当ということで、この映画から壮大なインフィニティ・サーガが終局へと向かっていくことになるんですけれども、それにふさわしいくらい壮絶な”拡散”をやってのけたのが今作だというイメージですね。
後の話にはなりますが「エンドゲーム」での史上最高な”収束”に向けた一大事件ということで、気合の入り具合とかその辺を見てもユニバースの中で非常に重要な1本だな~というお話でした。うまくまとまったな!

次回、11位はOne will Fallなあの映画です。ヒウィゴッ!
ここまで読んでくれた人、ありがとうございました。


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