私的ゲームランキングトップ100をレビューする 第9位「十三機兵防衛圏」

おれも無敵の女子高生になりてえなあ……。

飯がとにかく美味そうなことでもおなじみ、ヴァニラウェア×ベイシスケイプの組み合わせで手掛けられるこれは……アドベンチャー?戦略シミュレーション?まあそういう感じのジャンルがごっちゃになったなかなか新しい感じのゲームですね。
発売当初からシナリオがすげえということで各所で話題になり、我らがGODサクライ様もどこぞのコラムでべた褒めだったことなどからじわりじわりと有名になっていったような印象。
最近ではSwitchに移植されていたりもしまして、どんどん広がっていってくれればな~と思うんですけど、難しいのかしらね~。

・UIがオシャレ!!
ヴァニラウェアのゲームは今作の他だと「朧村正」しか遊んだことはないんですけどね、どことなーく同じ雰囲気を感じる無駄のないオシャレなUIがこれまた素晴らしい要素の一つでもありました。
今作はアドベンチャーパートの「追想編」、戦闘パートの「崩壊編」、そしてアーカイブをいろいろとみることが出来る「究明編」の大きく3つのゲームモードがあるわけですけど、このどこのモードに言っても世界観に沿っていてかつ無駄のないUIとサウンド、ここらへんのディティールにこそ神が宿るというものなんですね~。
あとこれはUIの話かっていうとちょっと怪しいかもしれませんけどタイトル画面もいらんことしてなくてかっこいいですね、これが二流ゲームソフトだと誰かしらの主人公がタイトルコールしてますからね、うまいわ~~。

・SFオマージュもりもり
今作のメインになる設定自体が「高校生くらいの男女が”機兵”なるロボットに乗り込んでどこからともなくやってきた怪獣と戦う」といういかにも「エヴァンゲリオン」というかなんというかな設定をしていて、更に機兵には第一世代機から第四世代機まであってそれは「パシフィック・リム」じゃないのん??なんて思わせてくれたり、作中ではもうもろ「MIB」だとか「ET」とか「宇宙戦争」とか「ターミネーター」とか、ていうか敵に出てくる怪獣ダイモスはもろ「ゴジラ」が元ネタになってるし、怪獣の種類によっちゃお前「ウルトラマン」から来たよな?みたいなやつもいる。つまりどういうことかというとSFというジャンルが少しでも好きな人ならどこかしらの餌に引っかかるようにできているので、結構重めでシリアスなストーリーな一方、そういう少し不思議な世界観が好きな人ならだれでも入り込めるというのもこれまた魅力ですね。
あとこれ今急に思い出しましたけど中盤の盛り上がりどころで歌が流れながら戦うとことかは「マクロス」っぽさもあったりしますね、ご存じ、ないのですかっ?

・シナリオのお話
GODサクライ曰く「立体的」なシナリオだとかで、まあそりゃもう1回遊び始めるとどんどん続きが気になって仕方がなくなってしまうもので。
今作は13人もの主人公がいて、それぞれ別の時代に生きていながら複雑に影響しあい絡み合いな感じで進行していきますが、これがまあ素人目に見てもわかるくらいにすっごい複雑で難しい事をすっごい高いレベルでやってるんだなってのが伝わってきますね。
個人的なお気に入りシナリオはええと…冬坂なんちゃらちゃんと郷登なんちゃらくんとええと…名前が…あのしっぽの……な3人、やっぱりクライマックスで機兵を起動して最終決戦に臨む終わり方をするのがもう否応にでも激熱展開ってもんで、今思い出していても鳥肌が出てきてしまうぞ。

・崩壊編
このバトル要素もなかなか手の込んでいて面白いものです。
さすがにメインはアドベンチャーパートなのか、細かいアニメーションががっつり用意されているとかではないのでちょっと寂しいなと思わないこともないですが、リアルタイムストラテジーめいたタワーディフェンス的シミュレーションは難易度に合わせて楽しみ方も変えられる欲張り仕様。
第一世代から第四世代までの機兵を使い分けたり、好きなキャラクターだけを使って攻略したり、Sランク等高評価でのクリアを目指して攻略したりと、この手のゲームに似ては珍しくかなり万人受けするように作られていて、さすが朧村正でもずいぶん思い切った難易度調整をしていたヴァニラウェアだな~という次第です。
敵キャラのダイモスなる怪獣にもいちいち細かい設定とか名前がついているのもね、オタク心をわかっているな~ということでいちいち関心してしまいますね。とくにツインテールとかお前…お前……!
その他機兵に搭載されている兵装とかもこれまた人によってかなり好みが湧かれそうなカスタマイズ性抜群の品ぞろえ。個人的なお気に入りは第二世代のええと…固定砲台みたいなやつと、第三世代の超大型ミサイルとミサイルレインとあのほら…眼鏡ちゃんが打てるレーザーを2連発するやつと、第四世代のインターセプターですかね。というかインターセプターはあまりにも強すぎて依存症になってしまうぞ。
あとこれは余談なんですけど兵装を使うときのセリフもいちいちかっこよくてこれまたいいですね。「力を貸して!」とか「片付けちまいな!」とか、あの辺はセリフにいい感じのエフェクトがかかっていたり、もう隅から隅までオタク心をくすぐりまくってくれて、カチャカチャしているだけでもとても楽しくて困ってしまうのだ。
あとこれも今思い出したんですけど先程もちょこっと触れた中盤の盛り上がりどころ、歌が流れながら確かツインテールEXだったと思うんですけどあいつと戦うマップね、あれもたまりませんね。
本ランキング企画は基本ネタバレ全開でやるつもりだったんですけども、このゲームに関してはちょっと核心に触れようとするとあまりにも長くなってしまいそうなので……。

・うまそうな飯
Wiiで発売された「朧村正」ではそれはそれは暴力的においしそうな料理の数々があったんですが、今作のそれはかなり控えめ。
と言っても焼きそばパンだとかはんばぁぐだとかそれなりに何かしらを食べる描写があったりして、そこらへんも無駄に凝りまくっているのでこう、ニヤついてしまうんですね~。
焼きそばパンで思い出したんですけど基本的に男衆のあれこれに興味がない自分でも今作は結構感情移入できたというか、というか誰も足を引っ張らないのがすごいですよね。リーゼントの名前忘れましたけどアイツとかもろ足引っ張りそうな見た目しているのに全然そんなことないしむしろ有能側まであるし、やってることは「ミッション8ミニッツ」だし。

・なんだかんだ愛
ノーラン映画か??ってくらい結局は愛なんですよねこのお話はね。
色々すったもんだどんでん返しございますが、結局最後は愛の力と会いの物語が大事なんですわなというね、これは結構好きなんですけど肩透かしを食らう人も居たりしそうだな~って思わないこともない。

・おわりに
発売当初からちょこちょこ遊んでいる人たちの「これはすげえゲームだぞ」みたいな評価は回ってきていて、気になるな~とは思いつつもなーんかタイトルとか中二くせえしな~と敬遠していた過去の自分につきまして謝罪を申し上げたい次第でございます。
全ての謎が明らかになってからもう1周プレイするもよし、究明編で資料を読みふけって考察に浸るもよし、崩壊編でひたすらバトルを極めるもよしということで、クリア後の遊びも十二分にそろえてあったりリプレイ性があるのもこれまた、一本で長く遊べるという面では嬉しいポイントでもありますね。
ここで急にネタバレをかますとエンディングで素っ裸の男女二人が人類の存続の為にこれからどうする?みたいな話をしてて「決まってるさ……」とか言いだして「おいおいまさかセ」っと思いきや「生きるんだ」と決めセリフを吐いていて己の不純さを恥じた次第でした

次回、第8位はオデッセイでっせい!なあのゲームです。
ここまで読んでくれた人、ありがとうございました。


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