私的映画ランキングトップ100をレビューする 第31位「ブラックパンサー」

イバンベ!イバンベ!

物分かりが良すぎることでもおなじみ、ブラックパンサーことティ・チャラを主人公にしたハイテクアフリカンヒーロー映画でございます。
黒人ヒーローが主人公ということでアメリカでは爆発的なヒットを記録したことでも有名ですね。
またこの公開時期があの「インフィニティ・ウォー」直前、というかマジの直前で1か月前とかそういうタイミングだったのもあってMCU全体の緊張感も高まる中放たれた傑作、おろそかには食わぬぞということで思いつくままおろそかに行きましょう。

・ブラックパンサー
主人公たるティ・チャラさんなんですけど、あまりにも聖人が過ぎませんか?
ちょっと前の「シビル・ウォー」ではまあ事態が事態なのでちょっと復讐の魁感は否めず、また世間ではその素性が明らかになっていないのもあって「お前誰や…?」「なんでこいついるんだ…?」みたいな雰囲気すらありました。
しかしいよいよ満を持して主役で登場するや否や、めちゃくちゃ強いしクールだしいい人だし情にアツい男だしということで、え、なに?好きになっちゃうよ?というほどの聖人でもう困っちゃう、思い出せばこの人「What if」でもめちゃくちゃ良い人でしたね、つくづく惜しい人を亡くしたものです……。

・王位継承
ワカンダというアフリカの小国はパッと見こそ農業ばっかりやってるクソド田舎なんですが、実際はヴィブラニウムによる科学の発展がすさまじい超ハイテク国家ということで、まあそれにまつわるあれやこれやがヒーローのオリジンと併せて次々お披露目されることになります。
ここいらで絡んでくる天才少女シュリちゃん(かわいい)を筆頭にしたワカンダ科学博覧会もそれはそれで楽しい一方、序盤~中盤にかけて行われるワカンダ国王の座をかけたバトルもまた一興です。
あんだけ科学がゴリゴリに幅を利かせているのにも関わらず、王位継承の儀式はまさかの滝の上でタイマン勝負というロマン、あの辺はアフリカ特有の民族感ある映像がもう圧巻でございまして。
あとルールが無駄にしっかりしているっていうのも良いですね。
どちらかが降参or死ぬまでは決着とみなさないというのが終盤の流れにも効いていてこれまたアツい。
相撲よろしく行事のようなポジションの人がいるのもオモシロポイント、というか今作はその手の文化的?に見ていて飽きないシーンが多くてたまらないですわ。

・キルモンガー
今作のメインヴィランを務める彼、いや~かっこいいですね!
序盤の博物館だかを襲うパートで見せた知的な印象をそのまま、悪役なのにも関わらず正々堂々とした手続きでもって己の野望を叶えようとしているのでそりゃまあ好きにもなるでしょうという話です。
傭兵をやっていたということで戦闘能力もバツグンに高く、普通に殴り合えばティ・チャラですら圧倒してしまうパワーも魅力の一つですね。
惜しむらくはワカンダへ帰還し、ティ・チャラとのアツいタイマンを経て王位を獲得するまではとてもカリスマがあるというか知的でクールな印象なのに、いざトップの座に就くと急にバカになっちゃって「武器を輸出するんだ~~~!」って暴れ始めちゃうところがね、なんか残念ですね。あと体中のあのブツブツも
ヒーロー映画お約束の主人公と同じような能力を身に着け、最後はワカンダの夕日を見ながら美しく退場。
1作だけの登場はあまりにも惜しいヴィランなので、「ワカンダフォーエバー」で何かしらの出番があるといいですね。

・カーチェイスのあれこれ
最近の映画にありがちな、4DXを意識したのか無理やりぎみなカーチェイスシーンってあるじゃないですか。
でも今作のそれはそこいらのカーチェイスとは格が違うというか、その設定とブラックパンサーのアクションも合わさって迫力もテンポも桁違い。
あと多分そこのシーンで流れているBGMもテンポがめちゃくちゃアフリカっぽい趣なので狙ってるんじゃないかな~と思ったりもして、あと車が遠隔操作になっててシュリちゃんが一生懸命運転しているのもかわいげがあってほほえましいです。

・エムバク
我らが偉大なるゴリラ。
壮大なツンデレでティ・チャラの危機を救うところ、あまりにもかっこよすぎるな!
その他後の作品でも「インフィニティ・ウォー」にしろ「エンドゲーム」にしろ、とにかく血気盛んに戦った上しっかり生き残っているので、なんだこいつ、かっこよすぎるな……!

・ロスさん
同じユニバース内にロスさんが二人いるの、なんとかなりませんか?
さておき今作のヒロイン枠にして一般人枠、ちょっと同情しちゃうほどに巻き込まれヒロインを任されていますが、終盤では過去の経歴を生かした遠隔ドッグファイトで漢を見せてくるのでこれまたアツいですね~。
そのシーンも良いんですけどさらにグッとくるのはこの映画の最後も最後、ワカンダが技術を世界にやいのやいのというシーン、あそこで国連だかなんだかで笑いものにされているワカンダの皆さんと共に逆に笑い返しているロスさん、いや~~それ見ている我々も同じ顔~~~~!
これでサノスが来たって安心だな!だってヴィブラニウムだし!
まさかインフィニティウォーであんなことになるだなんてね

・ユリシーズ・クロウさん
お久しぶりです!ウルトロン以来ですかね?
相変わらずどうしようもないクズの悪役をやってまして今作でついにキルモンガーに始末されてしまいました。
貴重な小物枠でそこそこ好きなキャラだったんですけど、まあ、しゃーないな。

・ポリのコレのお話
一応話題になっていたこともあるので触れておこうかな~という次第なんですが、こっちの面でも上手いことやってますよね。
何が一番いいかって説教臭くないのが素晴らしい、無理やり感が無いんですよね。
いやもうこの映画はこういう話なんだから黒人オンリーになるのは当然だよね?っていう趣で作られているのでスタイリッシュでかっこいいんですわ。
やれ白人だけはダメだやれ多様性だってそういうことじゃなくないか?ってお話です。
まあこればっかりは日本に生まれて育った以上本場の雰囲気なんて理解できるもんじゃないので偉そうなこと言えませんが、とにかくそんなもん気にしなくてもめちゃくちゃ面白い映画やねっていう話です。

・おわりに
フェーズ3も佳境というところで公開されたので、どこか全体的に緊張感が漂っているのも思い出としてありますね。
シビル・ウォーとか今作序盤まで聖人感強めで描かれていたパッパのティ・チャカが実際のところしょーもないやつだったり、しかしMCUのパパというのはろくな奴がおらんな。
中の人が亡くなってしまう悲しいこともありましたが、そのうえでいかに「ワカンダフォーエバー」に続いていくのか、期待して待つこととしましょう。

次回、30位は戦いに来たのではなく終わらせに来たことで有名なあの映画です。
というかここから2本に1本くらいのペースでMCU出てくるのでね、ご容赦。
ここまで読んでくれた人、ありがとうございました。

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