私的映画ランキングトップ100をレビューする 第62位「インターステラー」

ユリーカ!!!!!
ある程度知識がないと「何言ってるんだこいつ……」となってしまうぞ。

数えてみたらこのランキング企画では5本目になってしまった、おなじみクリストファー・ノーラン監督の超長編SF作品です。
ちなみにあと2本ランクインしてるので計7本ですかね、暇な人は予想してみよう。

毎度毎度語っている通り時間を扱うのが大好きなノーラン監督、今作でもしっかり時間を使ったしかけを施しています。
それに加えて宇宙のあれこれ、特にブラックホールだとか事象の地平だとかウラシマ効果だとかその手のSF・宇宙科学系の知識があるとより深く楽しめるんじゃないでしょうか。まあ結局は「愛」の物語なんですけどね!
それでは思いつくままに行きましょう。

・緊張感がすげえ
今作のあらすじとしては、もう滅亡まっしぐらでどうしようもない地球から移住するために最適な星を探そう!というもので、物語の大半は宇宙空間でお話が進みます。
そんな宇宙空間であれやこれやしている間に当然地球でもあれやこれやがあるわけでして、このお話が進むという至極当然な流れにも宇宙規模な仕掛けがあるのが今作のすごいところですね。
具体的には時間ってのは相対的なもんで、高重力下(今作ではブラックホールの近く)と地球では時間の進みかたがだいぶ違うらしく、とある星での1時間は地球での7年だなどというめちゃくちゃなお話が出てきます。
そんな環境で当然のごとく宇宙トラブルに巻き込まれまくるので、もう見ているこっちはヒヤヒヤが止まらないというか、もう地球のみんなが死んじゃうよ!!!と常に焦らされるんですね。こわいこわい。
しかもその辺のシーンでは音楽に時計の針の音が採用されていたりして、作ってる側もめちゃくちゃ狙ってきてるのがむかつきますね、いい意味でですけどね。

・ド畜生マットデイモン
ヒュー・マンという、いくら適当につけたといっても限度があるだろうと言いたくなるほどにいい加減な名前のキャラクターを演じるマットデイモンですが、このキャラクターがまあビックリするほどの畜生ということで。
移住先候補の惑星に先行していてまあ色々あるわけですけど、彼が畜生化するのも理由は分かるっちゃ分かるんですが、あそこまで畜生やるかね??ってくらい足引っ張りやがりますからね、ていうかそもそもお前はそういう覚悟の元行ったんやろ?という話でもある。
いうて散々足引っ張ったにふさわしい最期を迎えるのでそれはそれということ、名前も適当だしそういう要員だったということです。

・後半くらいのお話
足引っ張り男とやいのやいのしたりなんなりな一方、地球では移住計画が嘘でした~とか、23年も経っちゃいました~とか色々取り返しのつかないことが次々に起こり、どんどん重苦しい流れになっていきます。
一応移住計画が嘘というか理論的に無理なのが最初から分かっていて、本当は移住先候補の星に人類の遺伝子だけ残して後はサヨナラみたいな感じのプランBの為に全て動かされていたというのが明らかに~という流れなんですけど、にしても悲しいお話。
ほんでもって宇宙の皆様も何かと上手いこと行かないもので、結局最後の移住先候補になった惑星でプランBをやるだけやってあとはおしめえよ、といった空気になります。
さらにさらにさらに最後の移住先候補に届くかどうかといったタイミングでブラックホールに飲み込まれ万事休す、同乗していた愛に生きるお姉さん(アン・ハサウェイでしたね、かわいい)に人類の未来を託して消えていくのでした……。

・愛の物語
とおもいきや!ブラックホールに主人公が飲まれてしまったと思いきや!謎の多次元空間に入り込んでしまいどうやらここは過去と現在と未来が同時に存在する4次元がどうのこうの、未来の人類と思しき「彼ら」が作った空間を利用して過去の自分と娘にデータを送り、それを今(地球)の娘が読み解くことで不可能と思われていたプランAの理論が完成し、ユリーカ!!なアレからエンディングのアレまで一気に物語が解決していきます。
この辺、何が起こっているかはまあ分かるんですけど、散々宇宙科学的な理論を並べ立てて進めてきたのが急に親子の愛のお話になるので驚きましたね、まあ思い返してみればノーラン監督の作品ってそういうの多い気がします。誰かが言っていたのは「上品なリュックベッソン」、言い得て妙ですね。

・その他色々
初見のときはまあどうなるのか知らないので「これからどうなっちゃうの~~~???」とドキドキしながら見てて気づいたら終わってた感じなんですけど、こないだ2回目見たとき思ったんですよね、なげーわっつって。
たしか3時間近くあるんですよねこれね、寝る人は寝ますよこんなん。
あと途中アン・ハサウェイが演じてる人にすっごい私情挟むなよって諭しといて最後めっちゃ私情というか愛のお話になるのなんかおもろいですよね、まあ別に良いんですけどね。
最後の最後でそのアン・ハサウェイを迎えに行くとこで映画終わるので一応そっちも救われてはいるんでしょうね。

・おわりに

ノーラン映画の中だと一番短くなってしまった気がします。
まあお話はめちゃくちゃおもしろいんですけど絵面としてはあんまり派手じゃないというか、迫力はあるんですけど展開がゆっくり目なのがなんかアレなんですかね。
まあこの手のSF系はそういう知識を持っているオタクだとがっつり楽しめる上、そもそものお話が面白いので万人受けもしやすいノーラン入門編みたいな一面もありそうです。

次回、61位は元祖ゲームキャラ映画とでも言うべきあの作品です。
ここまで読んでくれた人、ありがとうございました。

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