212. Bonchidai nagy hegy alatt (Bonchidai csárdás)

Bonchida ボンツヒダ村

Bonchida ボンツヒダはエルデーイのメズーシェーグ地方にある小さな村で、コロジュヴァール(クルージ・ナポカ)からさほど遠くない位置にあります。以前、フゼシュの回でも少し触れましたが、この辺りは民俗伝統芸能の宝庫ともいえる辺りで、フゼシュを含め、今回取り上げるボンツヒダもその中に含まれます。エルデーイはご存知の通り、9世紀から第一次世界大戦までハンガリーに属していましたが、ルーマニア民族の流入はすでに14世紀から見られました。彼らはよりよい生活と安全を求めてエルデーイに落ち着き、労働力不足にあえぐハンガリーの領主たちは喜んで彼らを迎えたのです。数世紀の間にルーマニア人の人口が徐々に増えていったエルデーイは、第一次世界大戦終結の折、平和条約調印でルーマニアに併合されました。その時、ルーマニアに残されたハンガリー人は200万人とも言われています。

Bonchida という名前

村の名前はすでに1263年には記録されています。小サモシュ川を渡って bonc ボンツという個人が所有する領土に通じる híd 橋から名前が付けられたと言います。また、そこに居城を構えた貴族バーンフィも関係があるそうなので、領土を所有する個人とはバーンフィ一族だったのかもしれません(不確かなので断定できません。すみません)。そんなわけで、日本人の私たちは Bonchida と見ると「ボンチダ」と読みたくなりますが、そもそも c と h は違う言葉に属していて、その合体で chi と並んだだけですので、発音としては「ボンツヒダ」です。

Bonchidai nagy hegy alatt

Bonchidai nagy hegy alatt
Van egy forrás titok alatt.
Aki abból, csuhaj, vizet iszik,
Babájától elbúcsúzik.
ボンツヒダの大きな山の麓に
ひっそりと泉が湧き出ている
その水を飲んだ者は
恋人と別れるだろう

発音動画。パスワードは abc です。
https://vimeo.com/468016887
演奏です。パスワードは同じく abc。
https://vimeo.com/468017134
演奏：Méta “Bonchida” より

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