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362. ジプシー音楽の話

ジプシー音楽って?

皆さんは「ジプシー音楽」「ジプシー・ミュージック」と聞いたらどんな曲を思い浮かべますか?私が思い浮かべるのは「ジプシーの民謡」なんですが、多くのかたはちょっと違うようなので、ここでまた復習したいと思います。201回目も合わせてごらんいただくと、よりご理解いただけるのではないかと思います。https://note.com/tisztahang0101/n/nca93c08e0ba3

népdal 民謡とnóta ノータの違い

まずは、こちらの定義をご覧ください。
népdal 民謡
・作詞・作曲者不詳で長年受け継がれてきた曲、歌
・日本の歌で例えると:こきりこ節、追分 など
・日本の子どもの歌で例えると:わらべ歌(かごめ、かごめ、あんたがたどこさ など)
nóta 大衆歌
・作詞・作曲者がいる。
・日本の歌で例えると:歌謡曲、演歌
・日本の子どもの歌で例えると:童謡(赤いくつ、七つの子 など)

この、nóta ノータ(大衆歌)という単語は初めて出てきましたね。多くの場合歌詞があり民謡に似せているので、民謡と混同しやすいですが、上記のように定義がはっきりしています。

さてここで、以前にもお話しした「ハンガリーのカフェやレストランにおいてお客さんを喜ばせるための演奏」に登場してもらいましょう。名前として長いのでここでは仮にこれを「カフェ・ジプシー音楽」とします。おそらく、多くの日本のかたがこのような曲を「ジプシー音楽」そして「ハンガリー民謡」だと思っていらっしゃると思うのです。モンティはそれこそ「チャールダーシュ」というタイトルで「カフェ・ジプシー音楽」の流れをくむ名曲を書いています。

カフェ・ジプシー音楽とは

この音楽はカフェやレストランで客を喜ばせるために演奏した曲で、民謡もノータも使われることがありますが、テンポを揺らしたり、音程を滑らせたり、技巧的なテクニックを駆使するなどの装飾が多いです。難しいテクニックで演奏すればするほど、お客さんは驚き、称賛し、喜ぶので、当然な発展の仕方です。踊るためではないのでテンポが揺れようが問題ありませんしね。この音楽は19世紀~20世紀に爆発的流行になり、ここからブラームスやリストが作曲したクラッシック音楽の名曲「ハンガリー舞曲」や「ハンガリー狂詩曲」が生まれました。曲風が「カフェ・ジプシー音楽」らしいのはそのためです。

今回は、歌をお休みして、これらの曲を聴いてみましょう。お時間がないかたは、最初のあたりだけでも構いません。下の太字のタイトルをコピーしてYouTubeサイトで貼り付け検索してください。

A pacsirta (The Lark)
カフェ・ジプシー音楽の代表的な曲。超絶技巧の有名な曲です。

V.モンティ / チャルダッシュ(Solo Vn. 古澤 巌)
ソロの古沢巌さんは、実際にルーマニアのジプシー楽団奏者にバイオリンを習ったことのある方です。

Johannes Brahms -- Hungarian Dance No.5 - Hungarian Symphony Orchestra Budapest
ブラームス作曲ハンガリー舞曲第5番。ハンガリーのシンフォニーオーケストラによる演奏です。

Franz Liszt - Hungarian Rhapsody No.2 (Orchestra version)
リスト作曲ハンガリー狂詩曲第2番。The Philharmonia Orhcestra, 指揮は Herbert von Karajanです。

ハンガリーのジプシー民謡

そして、私がこれから取り上げようと思っている「ジプシー民謡」を1曲ご紹介します。上の曲と聴き比べてみましょう。歌詞は1分53秒あたりで出てきます。

5 kalyi jag rolled songs from szekszard


#音楽 #ハンガリー民謡 #ハンガリー民俗舞踊 #フォークダンス





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