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住んでから,どうにかする。 【地方空き家サバイバル】

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ある30代男性は,ひとりで地方に移住することにした。 住む家は築50年くらいで,窓ガラスは割れ,カギもしまらない。 知り合いがいるわけでもなく,お金もなく,仕事もない。 さらには…
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#サバイバル

地方移住を決断するまで

5年間,働いた会社を辞めたのは,虚無感に耐えれなかったからだ。この仕事に何の意味があるのか,誰の何に役立っているのか,そんな疑問を感じながら働くことは虚しかった。 仕事を辞め実家に戻った。早朝にスーパーで品出しのパートをし,午後は読書という生活を送った。コロナ禍の影響もあり,こんな生活を2年半も続けていた。品出しの仕事は,達成感や誰かの役にたっている実感があり楽しかった。どうやら,私にとっての報酬は,お金ではなく,達成感や有能感といった感情なんだと気づいた。 では,達成感

朝日とヘビと挨拶と畑 【地方空き家サバイバル,5日目,2022/5/27(金)】

5時半,朝日とともに起床。念願の朝日だ。これまで3年間,あまり浴びれなかった朝日だ。スーパーで早朝品出しのパートをしていたため,日の出前に起きて出勤する日々を送っていたのだ。 お気に入りのランニングコースを走っている途中,ヘビと遭遇した。思ったよりも速く移動することに驚いた。ウネウネした動きもカッコいいと思った。 家の前に戻ってくると,犬の散歩をしている人に挨拶された。この地域は,挨拶する文化があるようで,出歩いているとよく挨拶される。 こんな,ささいな発見や感動を噛み

ツルツルからザラザラへ 【地方空き家サバイバル,4日目,2022/5/26(木)】

ヒトは環境の影響を強く受けるという。例えば,旅行や登山などで,いつもと違う環境にいくと,いつもと違う思考や行動が出てくる。だから,私は旅行や登山が好きだ。しかし,今回の移住はちょっと不安だった。環境ががらりと変わり,これまでの自分がいなくなるんじゃないか。そんな,不安だ。 不安は杞憂だった。いまのところ,これまでの自分はいなくなっていない。と思う。地方といっても日本。スーパーに行けば,見慣れた食材が並んでいる。家がボロく汚くなっただけだった。 ただ,意識は変わった。なんか