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空園とある休日

こんにちわ

わたくし、本日はデートの日なのですがあいにくの大雨

これ、「やっぱり今日はなしね」の連絡あるんじゃないの?

そんなことを思いながら喫茶店で暇を潰しております。

どうも、空園です。

しかしまあ、こういま空園がいる喫茶店というのが客層が若くてですね。本片手にスマホをいじってるオッサンをみんなはどう思ってるのだろうか?そんな不安に駆られる訳であります。

というのも、先週日曜日の事が脳裏によぎる訳で。。。

今回は「とある週末に空園が競馬仲間3人で競馬を見れる居酒屋に行ったら凄い考えさせられる風景を見たよ」のお話



その日、かなり大きな競馬のレースがあって競馬仲間3人で計画して競馬チャンネルを一日中みれる居酒屋でお酒飲みながら応援しよう!という事で、空園は競馬新聞片手に仲間とあーでもないこーでもないと言いながら予想を外し続けていた。。。

平場のレースを外すたびに「あーちょお、今日おかしい」「全然当たる気がしない」「ちょ、タバコ吸ってくるわ」と大盛り上がり!居酒屋にいるのに「酒が頭に入ると予想外す」という理由で一滴も飲みませんでした!

みんなでワイワイしながら予想してたんだけど、ふと、とあるオジサンに空園は目が留まった。

「おや?」と思った。

一人で座っているおじさんは「唐揚げのバカ盛り(5、60センチくらいの船の器に唐揚げが山盛りになっている)」を一人で注文し、その唐揚げ船をじっと睨みながら静寂を守っていた。

その人というのが5、60代くらいのかなりのおじさんなんだけど、首元や腕(いやあれは全身だろうか?)タトゥーが入っていた。和彫りではなく洋彫りで英字が首元を囲んでいた。

まあ控えめにいってもかなり異様な光景だった。

「なんだあの世界、、、」空園がそんな事を思ってると競馬仲間の一人が「あ、あのおじさん一人でバカ盛り頼んでますね。。。」とやっぱり競馬仲間も異様なその光景を凝視していた。

もしかすると、店内にいる誰もがうっすらと「嫌だな」と思っていたかもしれない。

気を取り直して競馬の話をしながらメシをつついていると、そのおじさんに「おつかれっす」と声をかけ、おじさんの周りを若者達が囲んだ。

見るからに好青年、といった感じだった。おじさんにもし息子が居たとしたら、みんなそれくらいの年代でヤサグレ感もなく、ほんと「サークルやバイトにあけくれ単位取得に奔走してる大学生」、そんな若者達だった。そんな彼らがおじさんを囲み出したのだ。

空園はびっくりした。おじさんのバカ盛りはその子達のために注文した物だったのだ。

一言でいうとミスマッチだ!

おじさんはというと「おー!!!!!!来た来た!!!!!!いやーどうだった!?てか、もう賭けてる!?調子どうなの?!!!」とえらくご機嫌になった。若者達との関係も良さそうだった。一人また一人と若者が遅れてやってきて、おじさん達は10人くらいの団体になった。

ほ、ほえーーーーー、と空園は思った。

なんか、すっごい変。

ともあれ、その一団はレースが進むたびに盛り上がっていく。おじさんは本当に嬉しそうだ。若者達も楽しそうだった。まあ、反社とかそういうのでは無いのか…?

いや、それでも、そのおじさんは「好青年に囲まれた全身英字タトゥーまみれのもうすぐ後期高齢者のおじさん」に変わりがないわけで、なんなんだの一言につきた。

なんだけど、そのおじさんが本当に嬉しそうで若者達に対して冗談は言うものの偉そうにしてる感はなく、若者達の「こんなラッパーがいて〜」みたいな話にも無理矢理合わせてたりして、おじさんの努力みたいな物が見えた。。。

いや、努力みたいな物が光ってた!これは、「なんとかみんな俺と仲良くしてほしい」という願望の現れそのものだ!

空園はハッとなった。このおじさん、寂しいのだ。。。

店内にいる他のおじさんに目をやった。だいたいおじさんはおじさんの集団を形成している。そりゃそうだ。こんな事ありえない。

またその全身英字タトゥー後期高齢者間近おじさんに目をやった。顔を蒸気させて本当に楽しそうだ。若者達のテンションに合わせてるまである。なんなら口調もだ。

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空園はメインレースを外した。だいたい人気の馬が馬券内に来た訳だが一頭だけ意味不明な馬が馬券に絡んだ。仲間で予想してたのでみんなも外してるのが気分的に救いだったけど、悔しい気持ちだった。

トイレに立って、もどってくる時にその全身英字タトゥーもうすぐ高齢者おじさんとすれ違った。

空園は「あっ」と思いササッと道を譲った訳だが、その時そのおじさんは必要以上に「どうも、ありがとうございます」と礼儀正しく頭を下げてくれた。


なるほどな、と思った。

今がおじさんの人生で一番楽しい時なのかもしれない。


全身のタトゥー、そして同世代の仲間が一人もいなくて親と子ぐらい離れた人間達と一緒になって騒いでいる。なんなら場所取りまでしてた訳だ。

若い頃はほんと色々あって、孤独な生き方をして来たに違いないと空園はそう確信した。


空園は、気付いたらそのおじさんに熱い眼差しを送っていた。がんばれよおじさん。


そんな事を思いながら、今日は一人喫茶店でデート断られないか心配しながらこれを打ってる。空を見上げてる。あーヤバいなー。

あー






俺もいま浮いてるのかなー。。。

いやー。。。




なんかさ。。。




ねえ?笑




空園

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