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保護猫を家族に迎え入れることにした

うちには既にかわいいかわいい猫がいる。
ブリティッシュショートヘアの女の子、5歳。

人間は共働きのため、日中はお留守番してもらっている。
私はほぼ残業もなく、会社の付き合いの飲み会などもほとんどないので、用事がなければまっすぐ帰宅し、19時には家にいる生活だ。
帰宅するとかまえオーラがすごくて、帰ってきたのに家事なんてしてないでソファーに座ってにゃ、の圧がすごい。洗濯物や夕食の支度を一通り終えてソファに座ると、めちゃくちゃスリスリしてきて、私の太ももを枕にしてゴロンとし始める。それをみて、やっぱり寂しかったり、つまらないんじゃないかなぁと常々思っていた。たまに「お友達ほしい?」と聞いてみたけれど、「・・・別に」という顔をいつもしていたのも、強がっているだけだと思っていた。

もう一匹いてもいいかなぁと思い始めたのはつい最近のこと。
よく買い出しにいくイオンに小さなペットショップがあって、用事がなくても、今どんな子がいるかな、と子犬や子猫をウィンドウ越しに確認するのが習慣になっていた。
とはいえ、ペットショップの子を迎え入れることが、動物の殺処分を増加させているだけだ、という話をきいて、ペットショップの子はやめておこうと思っていた。高いし。

そんなこんなで、とある日夫から、となりの街に保護猫カフェがあるから行ってみる?と提案があった。
早速休みの日に行ってみると、たくさんの猫さんが迎えてくれた。
小さい子猫が寝ている隣の席にたまたま座ってみたのだが、しばらくすると起きたので、夫が手を差し出したらその腕をつたってつたって、最後に私の膝にのってそのまま寝てしまった。あまりの可愛さに、一瞬で心を持っていかれた保護猫カフェ初心者の夫婦。
保護猫ときくと、シャー!と威嚇され、おびえて触らせてもらえない、という人慣れしていない猫を想像していたのだが、カフェの猫たちはとても人懐っこく、客の膝に何匹も集まって寝ていたりして、びっくりしたけど安心した。
何度か足を運び、その子を迎え入れようと思ったけれど、まだ生後3か月で本当にちっちゃくて、共働きで家に人間がいない時間が多い家庭には譲渡できない、と言われてしまった。私が専業主婦だったらいいなんて、、、と思いながらも、命を預かるということだし仕方がなかった。保護猫たちは、ペットショップとは違って劣悪な環境から保護され、奇跡的に助かった子たちが多い。朝元気でも、夜具合が悪くなってしまうこともあって、すぐに病院に駆け付けられる家庭でないとだめなのだそうだ。

保護猫カフェでは、なんだかその子以外考えられなかったので、一旦通うのをやめて、市内の保護猫の譲渡会を検索していたら、クリスマスイブの日に、近所で開催される譲渡会があって、行ってみることにした。

これこそまさに保護猫譲渡会よね、という想像していた通りの光景がそこにはあった。ゲージに入れられた猫がたくさん並んでいる。触ろうとするとシャーされたり、遠くでおしっこをひっかけてしまう猫も見えた。
事前に参加する猫さんたちはネット上に紹介されている子もいたので、何匹か事前にチェックしていたけれど、開始時間を2時間程過ぎた後に到着したためか、お目当ての子はもう既にいなかった。たぶんよそのおうちに行くことが決まってしまった、とわかった。保護猫の譲渡も早い者勝ちなのだ。
そして、お顔がかわいくて、年齢も若い子から先に決まってしまうような感じがした。どの生き物の世界でもおんなじだと悟る。

その中で、一匹小さくてかわいいお顔をしている子がいた。夫が見つけて、この子かわいいね、抱いてみたい、というのでゲージから出してもらった。
直接触らず、ふわふわもこもこの袋の形をした毛布にくるまれた猫さんを夫の膝に乗せてもらった。その毛布の柄と夫の着ていたコートの柄が同じ格子柄で、なんだか運命を感じてしまった。それは私だけではなく、多分ボランティアさんも感じたのではないかと思った。
元気な生後3か月の男の子で、いつの間にか私の膝で寝てしまった。

保護猫を家族として迎え入れるのに、まず2週間程度のトライアル期間がある。トライアルしたいんですけど、、とボランティアさんに伝えたところ、すでに2組のご家庭が申し込んでいた。人気の子猫だったのだ。

寂しがりの猫なので、先住猫がいる家庭がいいなと思っていたらしく、その2組を押しのけて我が家にトライアルが決まった。
初日からへそ天して隣で寝てくれ、先住猫には臆せずちょっかいだしている。先住猫にシャーされまくっているけれど、まったく気にしていない様子。先住猫は強がっていたわけではなく、本当に自分一匹だけでよかったようだ。現在、反抗期のような態度を取っている。成長したのね、と思うことにしている。

2週間が過ぎ、人間二人はこの子がいない生活はもう考えられないよね、という雰囲気になってしまったので、家族として迎え入れることになった。時間がたって、少しずつ猫同士も仲良くなってくれるといいな。






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