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世界初、1ナノメートル以下の分解能で単一分子の電子歪みを光学画像化 大阪大学

大阪大学の研究チームが開発した「光誘起力顕微鏡」が、光照射により単一分子内部の電子の歪みを世界初の1ナノメートル以下の分解能で画像化することに成功しました。この画期的な技術により、「ケルビンプローブ力顕微鏡」と組み合わせ、なぜ単一分子内部で電子の歪みが生じるのかを明らかにしました。

これまでの光学顕微鏡では観測困難だった分子内部の複雑な電子の歪みを、光が誘起する力を用いて1ナノメートル以下の空間分解能で観測する手法は画期的です。この成果は、光触媒材料や太陽電池材料の設計・評価の基盤技術として期待されます。

研究チームは、光誘起力顕微鏡とケルビンプローブ力顕微鏡を組み合わせ、ペンタセン二重膜を観測し、そのデータを理論解析。単一分子内部での電子雲の歪みを0.6ナノメートルの空間分解能で観測し、これまでに観測できなかった単一分子の多重極励起を画像化しました。

この技術により、電荷移動が影響を与えた分子の光学応答を分子スケールで実空間可視化でき、各段階での分子機能の設計手法を提供します。将来的には省エネルギー・持続型社会の構築に寄与する可能性があります。

この研究成果は、2023年12月29日に米国化学会の学術誌「ACS Nano」にオンライン掲載されました。今後の展望として、光触媒材料や太陽電池材料などの実用化に向けた研究が期待されます。

【引用元】

【読み上げ】
VOICEVOX 四国めたん/No.7


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