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月への新しい時間基準「協定月時間」が検討開始!宇宙開発の未来を支えるカギに ホワイトハウス科学技術政策局

ホワイトハウス科学技術政策局は、今後活発化が予想される月面活動に向け、新しい時間基準「協定月時間 (Coordinated Lunar Time: LTC)」の検討を開始すると発表しました。従来の地球時間 (UTC) をそのまま月で使用すると、相対性理論の影響で時間のズレが生じてしまい、正確な位置計測や科学観測が難しくなります。LTC は月面の重力環境に合わせた時間基準を確立することで、安全で効率的な月面開発を後押しする重要な基盤となることが期待されています。

なぜ月には新しい時間基準が必要なのか?

現在地球で使用されている時間基準「協定世界時 (UTC)」は、地球中心の重力を基準にしています。しかし、月面は地球とは異なる重力環境にあるため、UTC をそのまま使うと時間のズレが生じてしまいます。例えば、月面で地球と同じように UTC を使ってしまうと、1日につき約 58.7 マイクロ秒の誤差が生まれてしまいます。

この誤差は、宇宙船のドッキングや着陸などの繊細な操作に大きな影響を与えます。また、月面での正確な位置計測や、地球との間の通信にも支障をきたします。さらに、国際単位系 (SI) の基本単位 (メートルやキログラムなど) の定義にも影響を及ぼすおそれがあります。

協定月時間 (LTC) とは?

LTC は、月面の重力環境に合わせた時間基準として検討されているものです。地球の「協定世界時 (UTC)」と同様に、月面での標準時間となることを目指しています。

LTC の大きな特徴は、地球時間 (UTC) との互換性です。LTC を使うことで、月面と地球間での時間のずれを最小限に抑えつつ、お互いのシステムと連携することができます。また、LTC は月面でのインフラ整備状況に合わせて段階的に導入していく計画です。

今回の発表では、アメリカ航空宇宙局 (NASA) が他の省庁と協力して LTC の詳細な定義や導入方法を検討していくことが明らかにされました。また、LTC は国際的な合意形成も必要となるため、今後各国との間で話し合いが進むことが予想されます。

月への有人ミッション再開や、将来の火星探査を見据えたアメリカによる今回の政策は、今後ますます活発化するであろう宇宙開発において、重要な一歩となるでしょう。

詳細内容は、ホワイトハウス科学技術政策局が提供する元記事を参照してください。

【引用元】

【読み上げ】
VOICEVOX 四国めたん/No.7

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