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アレがアレする日は来るのか。

  プロ野球のセントラルリーグは、阪神タイガースが18年ぶりの優勝を果たして、間もなくシーズンが終わります。
 今年の阪神タイガースは、岡田彰布あきのぶ氏を監督に迎えました。昭和の時代に阪神で活躍した元内野手で、監督経験者でもありますが、既に年齢も60代半ば。なんでこんな人を今さら出してきたのか、疑問に思ったのも事実です。しかし、結局彼は1年目で優勝という結果を出しました。特に目立っている選手がいるわけではありませんが、村上・大竹両投手をはじめ新戦力もはまりました。9月半ばに優勝が決まるのは早い方です。
 阪神が優勝すると、お約束になるのが、大阪・道頓堀にファンが飛び込む姿です。1985年に阪神が優勝したときには、近くにあったカーネル・サンダース像が道頓堀に投げ入れられ、その後18年もの間優勝できなかったのはこのカーネル・サンダースの呪いともいわれました。そうはいっても今回の優勝も前回の優勝から18年かかっているんですけどね。
 しかし道頓堀に人が飛び込むことは危険です。そのため、今回優勝しそうになったときも、飛び込む人がいないように、警察が道頓堀周辺を厳重に警戒していました。
 しかし、その目をかいくぐって、飛び込む人はいました。しかも、その人が飛び込むときの写真の出来があまりに良すぎて、海外にも報道されるほどになりました。

この写真を撮った共同通信のカメラマンの方が、その当時の状況を明かしています。

 関西にはもうひとつ、オリックス・バファローズという球団があります。こちらも前身を含めると数十年の長い伝統のあるチームで、今年のパシフィックリーグで優勝しそうなのですが、関西での報道の9割以上は阪神に関するものです。(NHKだけはなんとか公平にしようという配慮が見られます。)
 とはいっても、チームが優勝したときに、このように選手が喜びを爆発させる風習があるのは、阪神だけだと思います。巨人が優勝したときに隅田川にファンが飛び込むとか、中日が優勝したときに矢田川(中日の本拠地・バンテリンドームから徒歩10分ぐらいのところを流れている川)にファンが飛び込むとかいうのを聞いたことがありません。
 私は、かつて約16年にわたって愛知県に住んでいました。そのうちの半分ぐらいは、バンテリンドーム(当時はナゴヤドーム)から車で10分ぐらいのところに住んでいました。落合博満監督の下、8年間で4回優勝した中日の黄金時代も丸々名古屋で過ごしましたが、中日ドラゴンズが優勝したときも、ここまで街が熱狂したかと言われると、あまりそんな記憶がありません。良くも悪くもいつも通り応援するというのがドラゴンズファンの流儀なのかもしれません。今年は2年連続で最下位。しかも負け数はチーム史上最悪を更新するかもしれないという中でも、お客さんは堅調に集めています。

 記事の中で、今年3月に行われたWBCの影響があるのではないかと言われていますが、それなら他のチームにも影響があるはずです。しかも中日からWBCに行ったのは高橋宏斗投手1人だけなので、中日に関しては影響は限定的なはずです。
 理由はともかく、お客さんが入ってくれるのなら、チームが強かろうが弱かろうが関係ないということなのでしょうか。特に、ここ2年は、かつて「ミスタードラゴンズ」と呼ばれ、長年監督への就任が期待されていた立浪和義氏が監督を務めているということもあり、地元での人気が高まっているものだと思われます。
 しかし、チームは2年連続の最下位。しかも今年は史上最悪のペースで負けを重ねています。決して弱いチームではないと思うんですよね。横浜ベイスターズから移籍した細川選手は20本以上のホームランを打ち、岡林選手はセリーグの最多安打を狙える位置にいます。2000本安打を達成したベテランの大島選手も健在です。投手陣も、先発陣の防御率はいい方だし、抑えのライデル・マルティネス投手をはじめとするリリーフの投手陣は12球団イチとも評されています。本来ならここまで負けが込むチームではないはずです。
 やはり立浪監督に人望がないというか、チームの雰囲気が明るくないんですよね。今年を象徴する事件として、「令和の米騒動」と呼ばれた事件があります。
 ある選手が体調管理のためにお米を食べなくなり、そのおかげか成績が良くなりました。それを聞いた立浪監督は、球場の食堂から炊飯器を撤去するように指示を出しました。しかし、お米を食べられなくなった他の選手からは不満も出ます。この流れが週刊誌で報じられ、「令和の米騒動」と言われるようになりました。
 そんな中日の現状を、あだち充氏の野球漫画「タッチ」の主題歌の替え歌で表現した人がいます。その名も「タッツ」。作詞は歌っている人とは別の人です。

 ちなみにあだち充氏はヤクルトファンだそうですが、中日ファンだった時期もあったそうです。
 そんな立浪監督は、来年も中日の監督を続けることになりました。ファンの間からは失望する声が聞かれますが、だからといって代替案があるわけでもなく。落合監督の再登板を期待する声も根強いですが、今なら落合は落合でも博満氏ではなく英二氏(現・投手兼ヘッドコーチ)になるのがオチです。
 ところで、名古屋を離れた私が、なぜ中日のことにこんなに詳しいのかというと、それは赤味噌さんのおかげだと思います。X(旧Twitter っていつまでこの注釈をつけるつもりなんだろう。)上で、ドラゴンズのことについて、詳細なデータ分析を交えて解析していて、よく参考になります。ついには親会社である中日新聞の取材を受けるまでになりました。

 彼は20代前半の男性だということですが、中日新聞の知るところとなったので、いっそのこと彼をドラゴンズのスタッフにスカウトしたら、もうちょっと現状もましになるかもしれません。成績が良かろうが悪かろうが観客動員には影響しないかもしれませんが、少なくともヘイトを向けられる割合は減ると思うので、検討する価値はあると思います。

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