奈倉有里さん「夕暮れに夜明けの歌を」

 日本経済新聞水曜夕刊で連載中のエッセイも毎週楽しみに読んでいますが、本の話です。

 日本人として初めて、ロシア国立ゴーリキー文学大学を卒業した奈倉さん。
 エレベーターで本を手放さず読んでいると、乗ってきた知らない学生に「あ、勉強しかしない日本人の子がいるって聞いたけど、君のこと?」と言われるほど学問にひたむきな姿勢が好感を持てます。
 少しずつ掘り下げ、掘り下げしながら進む文章もロシアで学んだ文体なのか独特の感じがします。
 奈倉さんがロシア後を学ぼうと思ったきっかけ、ロシアとウクライナの問題など話題は様々ですが、後半のアントーノフ先生とのエピソードは1つの小説作品として読めました。

「夕暮れに夜明けの歌を」奈倉有里
イーストプレス/2021.10.1刷

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