【読書】「生物多様性というとき重要なのは、種の多様性ではなくて『生きる論理』の多様性である」
■日高敏隆『ネコの時間』
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自慢ではないけれど、私は「生物」という教科にけっこうな苦手意識がある。
高校生の頃、文系コースを選択すると有無を言わさず全員が(理科のうちでは)生物を選択させられた。詰め込み教育の弊害か、はたまた不真面目な生徒でちゃんと聞いていなかっただけかもしれないけれど、生物の授業では「理由」の説明が少なかったように思う。この世界に多種多様な生物が存在することの神秘性は理解できた、でも「なぜそうなるのか?」を欠いた現象や用語の羅列が、ただの暗記に思え