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【読書】のマガジン

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2021年12月の記事一覧

2021年の三冊

今年も残り数時間。師走は年々短くなるようです。 引き続きのコロナ禍や東京オリンピックなど社会的な波が多く、また個人的にもビッグウェーブに飲まれた一年でした(その話は年明けに)。そんな2021年、特に印象的だった三冊を紹介します。 一冊目|リチャード・P・ファインマン『ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上・下〉』ノンフィクション/エッセイから、こちらの一冊(厳密には上下で二冊)。 なんといってもファインマンさんの愉快で前向きな人柄に惚れました。かつ純粋に面白く、何度も笑い

「お前は俺より不幸な人間だ。然し性格的にいうと、遥かに幸福な人間だと思う」

■志賀直哉『暗夜行路』 ── 先日、広島県尾道市を弾丸で訪れた。その際に泊まったホテルのすぐそばに志賀直哉の旧居があった。『暗夜行路』が執筆された(もしくは構想が練られた)場所だということで、この本を手にとってみた。 志賀直哉は寡作な作家で、長編はこの作品しかない。私は以前、短編集『小僧の神様・城の崎にて』を読んだことがある。死んだ父が志賀直哉を好きだったらしい、と死後に知ったからであった。けれどもそのときは、正直あまり面白いと思わなかった。 しかし今回の『暗夜行路』

脳にこびりつくラストシーン

■ガブリエル・ガルシア=マルケス『予告された殺人の記録』 この短い小説は、上のような一文で始まる。殺人事件の真相を追うミステリー風のストーリーでありながら、冒頭で「誰が殺されるか」わかってしまう。 殺されるのはもちろんこのサンティアゴ・ナサールという男性だ。 では、なぜ彼は殺されたのか?誰に、どうやって殺されたのか?──実はそれすらも比較的早い段階でわかってしまう。 じゃあ、この小説は一体何が面白くて読むのだろうか? 読んで感じる面白さは人それぞれなので、以下に書く

あれも読書、これも読書。

ひさしぶりにKindleで読書をした。 私は基本的にデジタルで本を買わないと決めている(理由は以下の記事をご覧ください)。 それでもたまーにKindle(アプリ)を利用する。一時的に必要な知識やスキルを補うための実用書や旅行本などは、別に形として残さなくていいしむしろかさばるのが嫌だし、利便性や価格などもろもろ考えてKindleで買う。 今回は投資や資産運用に関しておさらいしたくて人気の本を買った。昨日の朝ポチっとした本を、今日の昼休憩で読み終わった。 面白かったから