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【読書】のマガジン

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2020年12月の記事一覧

2020年の三冊

今年の年末は仕事がドタバタで、家のこともあまり片付いていないのですが、新しく買ったMagic Keyboardをどうしても使いたいので(笑)記事を書きます。 iPadを買ってからMacBookを開かなくなりました。しかし、リラックスタイムにソファやベッドの上で何かを書きたいタイピング中毒の私にとって、最適解はMagic Keyboardだなと……。さんざん悩んだ末に購入。値段や重量など欠点は多いけれど、やっぱり打ち心地がよいので書くのが楽しい!買ってよかった〜。ちなみにUS

文学の圧倒的な力|ユーモアによって中和される悲劇

■太宰治『人間失格』(ややネタバレあり) 恥の多い生涯を送って来ました。 から始まる、言わずと知れた名作。太宰治の自叙伝的作品であり、集大成でもある。その「人間」に対する悲観的な捉え方は読む人に刺激を与えたり、深い共感を呼び起こすこともあるだろう。 しかし、あえて言い切ってしまうと、今回私が感動したのはその内容ではない。太宰治の「文章の上手さ」である。 自分の幸福の観念と、世のすべての人たちの幸福の観念とが、まるで食いちがっているような不安、自分はその不安のために夜々

「こんな美しいものが、偶然の産物として生まれるはずがない」

■立花隆『宇宙からの帰還』 「宇宙から地球を見るとき、そのあまりの美しさにうたれる。こんな美しいものが、偶然の産物として生まれるはずがない。ある日ある時、偶然ぶつかった素粒子と素粒子が結合して、偶然こういうものができたなどということは、絶対に信じられない。地球はそれほど美しい。何らの目的なしに、何らの意志なしに、偶然のみによってこれほど美しいものが形成されるということはありえない。そんなことは論理的にありえないということが、宇宙から地球を見たときに確信となる」(サーナン)

宇宙へ抱く恐怖

■アーサー・C・クラーク『2001年宇宙の旅』 チューリングはこう指摘した。もし人間が機械とある程度長い会話を――タイプライターであれマイクロホンであれ手段は問題ではない――持つことができ、返事が機械のものなのか、それとも別の人間から出ているものなのか区別できないときには、その機械は、いかなる常識的な定義に照らしあわせても、思考しているのである。 ー 148ページ 超有名なSF映画『2001年宇宙の旅』。実は観たことがない。あまりに有名なのでなんとなく観た気になっていた。