「恋は画家で、相手は画布だ」
■武者小路実篤『友情』
「男と女はそう融通のきかないものではないよ。皆、自分のうちに夢中になる性質をもっているのだ。相手はその幻影をぶちこわさないだけの資格さえもっていればいいのだ。恋は画家で、相手は画布だ。恋するものの天才の如何が、画布の上に現れるのだ。(略)恋が盲目と云うのは、相手を自分の都合のいいように見すぎることを意味するのだ。相手はそう唯一と云うことはないのだ。その人にめぐりあわなければ恋は生じないときまったものじゃない」(P.31)
エラリー・クイーンを読んで