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お風呂にて

お風呂にて、娘の体勢を横抱きから向かい合わせの抱っこに変えたいときは、私のお腹側にある娘の足を持って、それを私の腰にぐるっと回すようにするんだけど、裸同士で摩擦もあるし、赤ちゃんの股関節はとても柔らかいので、足先が私のお腹の肉に引っかかって、腰に回りきらず、ぐにょっと曲がってカエルのような状態になってしまうことがよくある。

片足は曲がり、もう片方の足は私の腰に回っていて、その状態で腕を伸ばしてあちこちに動かしている裸ん坊の娘を見ると、いつも、長崎の平和祈念像を思い出す。

卒業旅行で長崎にいったときに、原爆資料館を訪れたのはハッキリ覚えているんだけど、その像まで足を運んだかはよく覚えていない。教科書やニュースで見た記憶なのか、自分の目で見た記憶なのか。その当時は確実に"今"だった出来事がどんどん薄れていく。この愛しい日々も、忘れてしまうのだろうか。こうして書き残しておけば、10年後も鮮やかに思い出せるのだろうか。

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