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足の爪

足の親指の爪をやする。

無心で数分間、親指の爪を見つめていると、爪が死んだおじいちゃんの顔に見えてくる。

晩年のおじいちゃんは真っ白の白髪で、角刈りだった。日焼けしていて、いつも肌が薄い赤というか、ピンクっぽかった。親指の爪はそんなおじいちゃんとどこか似ていた。

親指の爪を写真に撮って、母にLINEする。
これ何かに見えてこない?ともったいぶって聞くも、さっぱりわからないと言われる。
おじいちゃんだと伝えるも、さっぱりわからないと言われる。ここが頭で、ここが顔で…と絵に描いて説明したけど、それでもわかってもらえなかった。今育児で大変だから、きっとあなたのそばにおじいちゃんがいるんだねと言われた。

足の爪といえば、赤ちゃんの足の爪はとても切りづらい。大人は指と爪の間に空間があるからそこに爪切りを入れればいいんだけど、赤ちゃんの足の爪は(個人差はあるけど)皮膚に反ってカーブした状態で伸びていくから、ハサミを入れるのが難しい。かなりグッと差し込んでバシッと切らないといけない。こんな風に生えるなんて子供が生まれるまで知らなかった。手の爪ほどじゃないけど、数日で伸びてしまうから、しょっちゅう格闘している。おじいちゃんいつも応援ありがとう。

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