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視線

キッチンからは娘の様子がよく見えないので、ダイニングテーブルの上でにんじんの皮を剥いていた。キャロットラペをつくるために。

無心でショリショリとにんじんを剥いていると、視線を感じる。

娘が私を見つめていた。

目を合わせて、ニコッとすると、娘も嬉しそうにニコッとする。

私はまた手元に視線を戻す。10秒くらいして、また娘を見る。また目が合う。二人で笑い合う。

私は再び手元に視線を戻す。横目で、娘が私から視線を逸らして、辺りをキョロキョロと見回しているのがわかったで、今度は私が先に娘のことを見つめて待つ。

娘が私の視線に気づく。
私が「見てたよ〜。」と言って笑うと、娘はとても嬉しそうに全身で笑う。

そしてまた、娘に関心がないフリをして、見つめられるのを待つ…これを何度も繰り返して遊んだ。

生後7ヶ月にもなると、こんな駆け引きのようなことも理解できるようになるのかと感動する。

そして、赤ちゃんって本当に、自分のことを見てほしいんだなと思う。そんなに見ないでうざいからって言われる時期まで、できるだけたくさん見てあげたい。

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