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なきむしかみさま
「ドロップスのうた」という童謡がある。
小さい頃大好きだった歌だけど、娘に買った童謡の本で目にするまで記憶から消えていた。
むかし なきむしかみさまが
あさやけみて ないて
ゆうやけみて ないて…
という歌詞で、とにかくこの神様はすぐ泣いてしまう泣き虫で、その涙がのちにドロップスになったという物語になっている。
はて、どんな音程だったっけ…と音源を再生していたら、それを聞いた夫が、この神様、赤ちゃんみたいだねと言った。
この神様は悲しくても泣いて、嬉しくても泣く。赤ちゃんは楽しいときは笑うよと思ったけど、言われてみてれば、本当に生まれたての頃はほぼ寝るか泣くかの2択だったし、周りの大人たちを振り回す様子はまるで神様のよう。
この泣き虫神様のこと、当時そういうアニメーションを見たのかとか、その辺りは何も覚えてないけど、勝手に白ひげのおじいさんを想像していた。歳をとると涙もろくなるものだし。作詞者のまど・みちおさんはこの詩をどんな風な気持ちで書いたんだろう。一体どんな経緯で泣き虫な神様を想像したんだろう。
娘が仰向けになっているとき、目尻から涙が一粒こぼれて、耳に向かってつるつると頬を伝って流れていくことがある。涙はドロップスにはならず、もみあげに捕まって、滲んで消えていく。眉毛やまつ毛が目を守るために生えているように、もみあげには汗や涙から耳を守る役割があるんだなと、人体のしくみに感心する。
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