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香水は夢の雫

もしもパリに行ったら、香水のキャロンのお店に行きたい。

キャロンは日本でも買えるけど、パリの店舗にはファウンテン(=泉)という名前のガラスでできた美しいドリンクサーバーのようなものがあって、そこに香水が入っており、香水を買ったらそこから香水瓶に注いでもらえるらしい。夢のような空間なので、知らない人は一度画像検索してみてほしい。

香水ってファンタジーな存在だから、こんなふうに"夢の世界の貴重な一雫を分け与えてもらって小瓶に詰めて持ち帰る"みたいな買い方こそが正統なものなんじゃないかって思う。綺麗にパッケージされて、倉庫にあるほうが異端なのかも。製品と値段だけ見ていると、良い香りがするだけの水にこんな大金払うなんて馬鹿らしいと思ってしまうこともあるけど、どの香水もそんなうっとりするような購入体験ができるなら、きっとそこまで高い感じはしない気がする。

というか香水に限らず、なんでもすぐ買えることが当たり前だと、商品のバックグラウンドを意識しなくなっちゃうものだよね。例えばスーパーにズラッと陳列されているお肉も、毎日たくさんの動物が殺されていて、私の代わりに殺してくれる人がいて、それを運んでくれる人、売ってくれる人…数多の人のおかげでそこにあるわけで。

私はアヲハタの季節限定のジャムを塗ってトーストを食べるのが最近のちょっとした楽しみなんだけど(今は白桃&グァバを楽しんでいる)、それが私のもとに届くまでのことを考えると、ちょっとした楽しみだなんてとても言えないなと気づく。地球に何かあって人類のほとんどが滅亡したとき、私はたぶんジャムトーストをつくるまでに至れない。なんという贅沢なんだろう。本当に感謝しかない。

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