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片想いを続けるという選択

Tinderで出会ったセフレのことを好きになり、先日勇気を出して告白しました。人生初告白。すんっっっごい緊張した(笑)

ところでチューリップの花言葉って、「望みのない愛」っていうんだって。今回はそんな感じの話かもしれない。


セフレとは、WIN-WINの関係

今までTinderで遊んできて、分かったことがある。
Tinderを使っている男の大半は下心に行動を支配されてしまっているということ。優しさの理由のほとんどが下心だということ。

「俺は違う!」と言うかもしれないけど、あなたたちが遊ぶたびに払う額を減らしていったり、セックスがおざなりになったり、送り迎えをしてくれなくなったりするところを見ていれば、最初の優しさは下心に支配されていただけだったと思ってしまっても仕方がないでしょう。

別に責めているわけじゃない。
私も“慣れ”れば雑になるところだってある。下着を上下揃えなくなったり、すっぴんで会うようになる。

でも、“慣れ”と“ナメ”は違うということを知っておいてほしい。
私はあなたのお財布じゃないし、無料のデリ◯ルでもなければママでもない。あなたの都合の良い存在になるつもりはない。

ただ、WIN-WINの関係でいたいの。
2人で気持ち良くなって、くだらないことで笑って、たいしてお互いタイプでもないのに尊敬できるところがあって、干渉せずにいられる仲。一緒にいて損も得もない。お互いの人生がこの家以外で交わることもなく、平行線のまま言葉もなく別れる日が来るかもしれない。それでもいつか思い出して、「あいつ、良いやつだったな、元気にしてるといいな」と思える関係になりたい。贅沢だけど、それが私の求めている理想の“セフレ”。


彼と私はただのセフレ。

向こうのほうが5歳も上で、今まで住んでいた場所も、続けてきたスポーツも、大学の専攻も全く違う。私は魚が好きで、彼は肉の方が好き。共通点といえばお笑いが好きなことと、香水が同じことくらい。

M-1を見てやれこのコンビは面白くない、こっちは予選の方が面白かったなんて笑い合う。
お互いの将来の話をして、それいいね、できるといいねって、興味がないからこそ応援し合う。
相手に何かしてもらった時は「ありがとう」「さんきゅ」と言い合う。
腹の肉をつままれれば、頬をつねり返して睨み合う。

そう、私と彼はただのセフレ
まさにWIN-WINな、理想の関係だと思っていた。

どこから好きに変わってしまったんだろう。


今までと違うセフレ

好きになっかきっかけなんてないのかもしれない。だんだん少しずつ、好きを積み重ねていったんだ。

最初はテレビを観ながら雑談していたのに、今ではテレビなんてつけずに深夜まで語り合うようになった。

いつからか何も言わなくても、私の好きなお酒が用意されているようになった。

フレンチキスしかしないねと文句言うと、次第に舌を絡めるようになった。

私が「首締められるのが好き」とつぶやいた次の日から、ぎこちなく首を絞めるようになった。

そうやって、会えば会うほど雑になっていった今までのセフレとは正反対に、彼はとことん私に合わせてきた。
私の“理想のセフレ”を完全に上回っていたんだ。

それが私の気を狂わすことになり、毎日眠れない夜を過ごさせるとは彼も思わなかっただろうな。


片想いってマスターベーション

よく、「セフレ沼」という言葉を聞く。
定義は人それぞれだと思うけれど、セフレのことを好きになってしまって、でもセフレだからと告白できずにいることかなと個人的には思っている。

多分だけど、“好き”っていろんなのがある。
だから沼とか、推しとか彼氏とか、いろんな好きな存在がいて、それは人によって基準が違くて当然なんだ。

私の場合は友達に相談すると「セフレ沼だね」と言われる。たしかに四六時中セフレに悩まされているという点ではセフレ沼なのかな。

だけど私からすればこれは「片想い」。
ただ単純に彼を逃したくなかった。今までの恋愛のように、好かれているから好きになったわけじゃない。こんな優秀な人、もう一生現れないかもしれない。この最高な男の人生に、かすり傷でもいいから私がいたっていう痕跡を残したくなった。

そう、私は自分が後悔しないために告白した。気持ちを伝えてスッキリするためでもある。彼の気持ちなんて1ミリも考えていなかった。ほとんどマスターベーションに近い。

結論としては、振られた。

言い訳じみて聞こえるだろうけど、どうせ私がこの人の彼女になることはない、それはわかっていた。彼はずっと「忙しいから今は彼女求めてない」と言っていた。彼の頭に「恋愛」の文字はない。

彼のオンリーワンにはなれなかった。
でも2番手3番手でいるつもりもない。他にライバルがいるのにしがみつけるほど私は強くない。
せめて暫定1位でありたかった。彼を独り占めしたかった。

彼は
女の子で遊んでいるのはぴょんちゃんだけ
と言った。

私にはその一言だけで十分だった。


玄関で靴を履きながら、私は意地悪をした。「洗面所に私のじゃない髪の毛落ちてたよ」と。まあ事実だったけれど、26歳ともなればワンナイトのひとつやふたつノーカンにしているのだと思っていたので言うほど気にしていない。

マンションを出てすぐ、涙が溢れた。振られることは分かっていたはずなのに。自分の中で納得できる「暫定1位」をもらえたのに。
ほぼ泣き出すと同時に、彼からLINEがきた。
「わかった!さっき言ってた髪の毛、きっと姉ちゃんのや、それしか考えられん」
大泣きしている私との温度差と、わざわざフォローしてくる優しさと文面の愛おしさで泣きながら笑えてきた
ああ、私ってなんて性格が悪いんだろう。あなたのことが大好きなのに、試すようなことを言ってしまった。


これからも好きな人

彼の暫定1位でいられるうちは、あの優しさを独り占めできているうちは、彼のことを好きでいるつもりです。

彼はどこまでもとことん優しいので、きっと好きな人ができたら私に教えてくれる。私が傷つかないようにな言い方で。
それまでに私は努力して自信をたっぷりつけて、「私よりその女を取るなんて、見る目ないね」と笑ってさよならを言えるような女になろうと思う。

叶わないとわかっていても関係を続けるのが悪いことなのは分かっている。だけど告白した時の彼の顔は真剣だった。
変な男と遊びすぎてウソつきに敏感になっていた私が、この人なら信じられると思った。きっと私を利用したり傷つけたりはしない。
その直感を大事にしていきたい。

別れる時ハグをせがんだ私を、あなたは嫌がりながらも抱きしめてくれた。初めて「またね」と叫んだ私を、笑って見送ってくれた。そうだ、その優しさを好きになったんだ。
でも、もうあんまり優しくしないでよ。これ以上眠れない夜を過ごすのはイヤだから。



こんなに長いのに読んでくれてありがとうございました。私はこの人に片想いをして、告白したこと、後悔していません。むしろ最高に良い男に挑んだ自分を誇らしく思う。
おこがましいけど、こんなダサいエピソードだだけど、片想いしている誰かの助けになると良いな。


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