メモ:中東物語集

前書き

実は結構色んな種類があって混乱する中東の物語集メモ。
有識者の人たすけて!!!

千と一夜の書

いわゆるアラビアンナイト。いろんな版があり、それぞれの編集者が勝手に10001ぶん集めた。

ガラン版…元祖。ヨーロッパにオリエンタリズム旋風を巻き起こした。底本になった写本も最初の三冊はガチで古い。
カルカッタ2版…お膝元で編纂されたもの。
バートン版…ペイン版のパク(Ry。豊富な脚注と色気描写の加筆で人気がある。個人的にあんまり好きじゃない。
マルドリュス版…文学集にしたかった版。後半、収録されてないのを集めた。

百一夜物語

北アフリカ地方(=マシュリク)で編纂され、広まったらしい物語集。近世以降、千と一夜の書の分家か縮小版のようなルートで確立したように思われる。完訳版があり、それを読む限り、話の展開が雑なのが多い。

千一日物語

フランス人のクロワさんという人が、当時のオスマン・トルコから送ってもらったという資料を翻訳したもの。途中を800日分ほど飛ばして無理やり完結させた。それからまもなくしてクロワさんが逝去、底本も残っていないらしいので残りは不明。そもそも提供者の存在からして怪しまれているようだが、話を読む限りとてもよく書けているので完全な創作だとは思われない。

物語の舞台はインド、カシミール地方の王ということで、千と一夜の書の源流ペルシアから遠くない。どこかに底本などあってもおかしくなさそうだが、現時点でそういう話はないようだ。

日本ではあまり研究している人がおらず、香川大学の最上英明さんぐらいっぽいから誰か頼む。2020年8月現在、邦訳版はないようなので英語版で読むのがめんどい。

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