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100.年越し(2024/1/1)

大晦日、授業で仲良くなった友人が誘ってくれた年越しパーティに行ってきた。10歳以上年上のスウェーデンの人で、いつも明るくて優しくて大好き。集まっている他の人も、彼女と同年代ぐらいでスウェーデンやフィンランドの北欧出身の人がほとんどだった。最初はちょっと場違いな気もしたけれど、全部で10人ぐらいのこじんまりとした集まりですごく居心地が良かった。
日付が変わる数分前までのんびりしゃべっていて、え、やばいもう12時じゃん!という感じでみんなでばたばたと椅子やソファの上に立ち、カウントダウンしてジャンプした。人生初の年越しジャンプ。

デンマークの年末年始は結構野蛮だという前情報があり、特に花火が狂ったように上がると聞いていた。一般人がロケット花火を上げまくるらしい。毎年失明するなどけが人が続出するそうで、中心地ではゴーグルをして街を歩く人もいるぐらいなのだとか。実際に大晦日の数日前から、夜になると寮の周辺で花火が上がる音が聞こえていた。爆発音というか発砲音という感じの音なので結構怖い。花火そのものは建物が邪魔して見えなかったけれど、どこにそんなにいっぱい花火が隠されていたのかと思うぐらい数日間鳴り続けている。1日の今日もまだ音が聞こえている。
そんな花火だけれど、雨が降るのもお構いなしにばんばん上がっているのを屋上に出て見た。ニューイヤーなのだから雨が降ろうが何だろうが関係ない、花火をしなければならない当たり前だろうという気概を感じた。日本の花火大会に比べたら大したことはないだろうという傲慢な気持ちを上回る華やかさだった。手持ち花火を持ってきてくれた人がいて、若干夏の気分になりつつ、花火を楽しんだ。

アメニモマケズハナビ

深夜2時3時になってくるとだんだんみんなハイになってきて、音楽のボリュームも上がってきて踊り始めた。デンマークに来たばかりの時に期せずして足を踏み入れたナイトクラブや、大学で毎週金曜日に開かれるフライデーバーで人々が爆音の中踊り狂うことが全く理解できなかったのだけれど、楽しさがわかった。大学生のノリとは違うし、お酒も節度ある飲み方だったというのも要因かもしれない。音楽のリズムを楽しみながら、みんなで一緒にその場のバイブスを共有することの気持ちよさというものがあるのだとわかった。楽しかった。それでも、わかったとは言いつつ、大学生のノリにはやっぱりついていけないと思う。

みんな疲れてきて寝落ちる人も出てきた頃に、あなたが好きな日本の音楽をかけようよと言ってくれて、最近のお気に入りの米津玄師の地球儀をかけてもらった。何を言っているのかは全くわからないけれどめちゃくちゃ感動したと言ってくれた。良い音楽というのは国境を越えますね。フィンランドの女性のひとりがジブリを観て育ったと言っていたので、ジブリの最新の映画はこの曲が主題歌だよと激押ししておいた(2回目)。
こちらに来てから感じるのは、日本に対してかなり良い印象を持ってくれている人が多いということ。漫画やアニメがとても人気ということは知っていたけれど、私が思っている以上に日本の文化って力があるのかもしれないなと誇りに思わせてくれる。日本人であることを誇りに思えるというのは国内にいるとなかなか実感できないことのような気がする。

1年の振り返りや次の年の目標、将来のこともいろいろと話せて、花火を見て、踊って、とても楽しい時間だった。初の海外での年越し、良い思い出になった。

デンマークの新年の伝統的なケーキ、kransekage。ドーナツ型のマジパンを重ねる

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