社会知らずの高校生、派遣バイトに挑む③
②の続きになります。ぜひご覧ください。↓
第3章 -高校生、初めて仕事をする編-
黒服の威圧により、帰りたい気持ちでいっぱいだった俺たちだが、やるからには仕事を全うしようと心掛けていた。
メモには、絶対に怒られないように、会場の完成図を元に机や椅子の配置、1日の仕事の流れを細かく書きまくった。
そして時間になる
まず始まったのが、パーティ会場の完成図に合わせて
とにかく椅子を並べるというもの。
縦だけでは無く、横まで、長い糸を用いてミリ単位まで合わせるように調整する。
誰が少しずれてるぐらいで怒るんだよ
そう思いつつ、ヘマをして黒服のご機嫌を損ねないように、一時間ほど耐え抜いた。
そして、想像以上に足腰にくる仕事だったので女の人は大変だろうなと思った。
また意外だったことが、集合時間、俺たちに対し開口一番に怒声を浴びせた黒服が、仕事中は気さくにあだ名で呼んでくれたりした事だった。
案外優しいんじゃんこいつ
そう思ってるのも束の間、次の作業へ移る。
次の仕事は、違うパーティ会場のテーブルを物置部屋から運んできて設置するというもの。
これまた足腰にくる仕事で、運んでくるテーブルも木製で古臭く、持っていると棘が刺さってくるような物だった。
ただ、ここまでは身体的にキツイだけで
バイトって意外とこんなもんか
不安でいっぱいだった心に少し余裕が生まれた。
そうしてこの日は、同じような作業を繰り返し
積極的に仕事をして、ご機嫌を損ねる事なく終えることが出来た。
残りは後4日。
初バイトなのに調子に乗って5連勤を決め込んだ俺たちを待ち構えているのはこんなに甘いもんじゃなかったと後に痛感することになる。
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