見出し画像

マラソン計測事情(ソフトウェア編)

計測事情を話すときにメインは計測タグ等のハードウェアが中心になる事が多いのですが、当然ソフトウェアも大きく関わっています。
うちはハードも少し作っていますが、基本的にソフトウェアが得意な会社なので、ここではソフトウェアについても少し。

20~30年前くらいはMS-DOS上で動いている計測システムが多かったです。(というか他は直接見た事はないです)
私がこの業界に入った1998年は既にWindows95やらWindows98やらが出ていたので、GUIが改善されたソフトウェアもいくつかありましたが、まだまだMS-DOSで動いているソフトウェアも多く、マラソン大会の計測テントでも黒い画面とにらめっこしている計測スタッフが多くいました。
今思えば1998年くらいはちょうど、計測システムをWindows上で動くものに切り替わっていく時代だったようです。
私が当時いた会社では結構早く、ほとんどのシステムがWindows上のソフトウェアになっていました。
ただ、当時Windows自体が不安定な事もあり、現場で再起動なんてこともよくやっていた事を思いだします。
あと、インターネットは普及し始めていたので、社内ではインターネット環境がありましたが、モバイル環境でのネット接続は難しく、ネットを介したサービスや皆無だったと思います。
その頃にモバイル環境を自分で準備して、会場から定期的にデータをアップロードして速報サイトを勝手に運営したりして遊んでいました。(ちゃんとリリースしておくべきだったな。。。)

そんな感じでここから10年間(2001~2010年くらい)くらいはインターネットの普及と共に様々なインターネットサービスがランニング業界でも生まれていきます。計測関連システムではありませんが、エントリーサイト「ランネット」などのエントリーサービスは、ランナーの大きな支持を受け、その後に起こるランニングブームを支えるサービスになりました。
そして計測システムは、Windows系のシステムが多く作られ、おそらくほとんどの計測システムはWindowsをターゲットにしたソフトウェアになっていると思います。
計測においては完走証を即日発行したり、表彰状を印刷したり、変わったルールの大会をシステムに反映させたり、他のシステムと連携してみたりと、様々な事が出来るようになりました。
この時代は、いろんなパターンを出し尽くしてきた時代だと思っています。

そして2011年~現在に至るまではSNSの利用者も一気に増大し、計測システムにインターネットを活用したシステムが多くなっていきます。
ここで決定的に変わったのは携帯回線が3G→4Gに変わった事だと思っています。
3G時代もネットを活用したサービスはいくつかやっていましたし、開発も進めていました。
スマホへの転換というのも大きいと思いますが、ネットサービスを提供していく上で4Gの速度は大きかったなと思います。
この時期に、クラウドを使った計測システムも多くなりましたし、例えば、「計測と動画」とか、「計測とGPS」とか、「計測とSNS」とか、計測システムと他サービスとの組み合わせも多くみられるようになっています。
今ではモバイル回線は必ず現場に必要ですし、サービスを提供する上でデザイン重要性も高くなりAdobe製品もよく使うようになりました。
バーコードを必死に読込んでいた時代からは想像もできませんでしたが、今ではレース計測中、パソコンよりもスマホを見ている時間の方が長くなっていると思います。(たまに勘違いされますが、現場でスマホ触っているのは仕事です!)
入力デバイスとして考えた時にパソコンが全てスマホになるには、もう少し時間はかかるかもしれませんが、それに近い事は、すぐにやってくると思います。

今後の計測システムを予想すると、「画期的な計測システムを開発!」というよりは、既存の便利なサービスをどういうセンスで計測の世界に落とし込めるかがポイントだと思っています。
今の様にシステムの大半を自作するというより、便利なシステムやサービスを「うまく組み合わせて面白い結果を出力する」という感じです。
例えば、自前でスマホアプリを作って接続するのではなく、普及率の高い既存アプリ・サービスとつながったり、つながる仕組みを提供したり、部品の一部になってみたり、既存サービスを部品にしたり、とかをイメージしています。
需要なのは「速さ」「安定性」「多機能」とかではなく(それも大事ですが)、「柔軟」「面白い」「つながり」みたいな事になっていくと思うので、それを意識してシステムを作っていこうと思っています。
そして、さらにその先、バーコード時代に「今」を予見できなかったように、スマホ時代の今は想像できていない「未来」のシステムがどうなるか楽しみですし、その一部でも自分たちで作っていけたら楽しいなと思います。


画像1

番外(パソコンとか機材)
1998年当時、パソコンの値段も高く(30~50万以上)、モニターもCRTのごついのを現場で使っていました。。
高価なものという事もあり、2台は買えず、普段使っているデスクトップを梱包して持って行き、現場でも使うといった事もよくやっていました。(今なら完全NG)
レシーバーやアンテナも含め、当時は全てが大型な機材だったので、荷物のサイズもかなり大きかった。
私は、その時代にそれほど大規模なイベントには行っていませんでしたが、ハイエースやトラックに機材・パソコンを満載にして遠距離を車で移動していました。
毎週末に、あれだけの機材を現場に持って行きネットワークを組んで動かし撤収して持ち帰るというのは結構特殊で良い経験でした。あの頃を思えば準備や移動は、かなり楽になりました。

その他のマラソン計測事情
1.今までのマラソン計測事情
2.現在のマラソン計測事情
3.未来のマラソン計測事情

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
マラソン、自転車、トライアスロン、OWS、レースの記録計時やったり、企画考えたり、システムを作ったりの日々。 タイムハック株式会社をやっています。 タイムハック株式会社 https://timehacks.co.jp/