開くドア:トイレには行かない方がいいんじゃないかなぁ、というお話


 トイレには行かない方がいいんじゃないかって話なんですけどね、特に廃墟でも満室でもない、中途半端に入居者がいる団地の、空き部屋のトイレなんて入るのは拙いと思うのですよ、法的な問題だけでなく中途半端な場所として。
 この話を持って来たのはC君なんですけど、段階がありまして、C君は要(かなめ)なんです。

 事の発端はA君のようで、A君が高校生の時です。
 部活をやっていて欲しいものが出来たんですけどお小遣いでは買えないし親にも買ってと言うことが出来ないので短期のアルバイトをしようということになりました。校則でバイト禁止とはあるのですが、そこら辺は適当に、バレなきゃいいやって感じで。
 部活をやりながらか、短期に休んで働いてお金を稼げる仕事はないかと探してみましたら、チラシのポスティングでかなり時給がいいのが見つかりました。
 とりあえず話を聞いてみようと面接に行きましたら、大きな団地が担当区域に入ってまして、一階の集合ポストに入れるのは駄目なんです、チラシ用ゴミ箱が置かれていてすぐ捨てられてしまう、各部屋のドアのポストに投函しないといけないんですが、古い団地なのでエレベーターがないんです、それでも短期集中で毎日全部の部屋にチラシを入れないといけない、六階建ての十部屋、六十部屋のドアポストに投函しないといけないんです。
 スポンサーも必死な案件で、一週間毎日やらないといけない、ひょっとしたら入居者から苦情が出て管理人に捕まって怒られるかもしれないと、結構ハードな仕事なんですね。
 A君高校生で若いから、雇い主としては働いてもらいたいんですが、まぁA君もちょっと考えまして、一週間、その団地全部屋プラス周辺のポスティングで体力が保つか、お金は欲しい、というかそのお金で絶対に買いたいものがある、他にこれだけの時給のバイトがあるかを考えて、やることに決めました。
 仕事を始めて、やっぱり団地のポスティングはキツかったようです。エレベーターがあれば一気に最上階に上がってだんだん降りてくるのがセオリーですがそれが使えない、下の階から投函していくと管理人に見つかる可能性が高いので、一気に階段で六階に上がり、それで隠れながら降りていくと。
 団地は古いので空き部屋がかなりあるんですけどね、スポンサーは全部屋に投函というので空き部屋のポストにも入れないといけない、他のポスティング業者も入れていてぎちぎちのところにねじ込むのですが、一部屋だけ雰囲気がおかしいところがある。
 五階の四号室、そこだけポストに何もないんです。
 A君は学校の授業が終わって仕事を始めるので、その団地に投函するのは夕方になってからなんです、明るいうちに他の業者が入れているはずのチラシもないし、A君が昨日入れた一枚も無くなっている。夕ご飯の支度をして灯りが付いている部屋もあるのに、その部屋は真っ暗なままで、電気のメーターも動いていない。
 誰もいない、なのにこの部屋だけ毎日チラシが片付けられている。
 変だなーとは思うのですが、チラシを入れて変なことが起こるわけでもないので毎日投函して通り過ぎるんですけどね。
 最終日、いつものように息を切らしながらもチラシを入れまして、なんとなくドアノブに手が伸びまして、回転させてみたんです。
 開くんですね。
 え?鍵掛かってないの?と驚きながらも少しドアを開けてみまして、中を見ると、普通の部屋なんです。何もない空き部屋が手前と奥に二つ。流れでドアの裏側に目をやりますと、チラシなり郵便物なりを受け止める駕籠があって、今A君が入れたチラシが一枚だけ、他には何もありません。やっぱり昨日A君が入れたはずのチラシもないんです。
 うわぁ!怖!と思いまして、すぐドアを閉めて仕事に戻りましてね、それでポスティングの仕事を無事終えました。
 計算していた額の給料をもらいまして、欲しかった物を買いまして、部活に戻ったんですが、A君、妙な噂を聞くようになりました。
 古い団地があって、五階の四号室に誰もいない部屋がある、いつもそのドアは鍵が掛かっているんだけど、その鍵が開いているときに中に入ると、望みを叶えてくれる○○がいる、という噂です。
 A君(なんだそれ!)と思いましてね、自分がバイトを決めるまで、そんな噂は一言もありませんでした。それで噂を流しているクラスメート数人に確かめまして、つい昨日一昨日××から聞いた、その××は△△からと又聞きの又聞きなんですが、A君が仕事をした最後の日より前に聞いたとか話したという人は、一人も見つかりませんでした。
 A君はドアのことは誰にも言っていません、職場の人にも言いませんでした、なのに何故あの団地の、あの部屋の、あのドアのことに関する噂話が生まれたのか。
 冷静に考えると「誰か見てる人がいた」もしくは「A君の前後に、誰かがドアを開けてみたら開いた」あたりが可能性として考えられるのですが、そんな偶然ってあるのかなぁ、でもそのあたりが無理のない可能性なんでしょうけど、A君にしたらしっくりこない、でもそれ以上考えようがなくて、この部分はここで終わりです。

 次に話を進めるのはB君でして、A君とは別の高校に通ってます。
 このB君の高校もその団地の近くといえば近くにありまして、A君の通っている高校とは、まぁ対角線上にあると思ってください、その高校でもその団地のその部屋の噂が流れ始めた、五階の四号室で○○さんに会って、願いを言ったら叶うという噂です。
 B君はそういう噂話には一切興味がないんですが、噂は盛り上がっていきまして、実際行ってみたって連中が出てきたんですね。
 出てきたといいましても経営されている団地です、行ってみたけど鍵が掛かっていて開けられなかったって結果ばかりでして、その結果がどんどん増えていくんです。
 高校生なんて願い事が次から次へと沸いてくる年代なんでしょう、そして中学生よりも行動力があるんでしょうか、昨日行って駄目だったから今日、今日駄目だから明日行ってみようって暇な奴とか懲りない奴とか散歩のついでに通う奴だとか現れて、人数と回数だけがどんどん増えていく、まぁこれがブームというものなんでしょう、B君関わりを持たずにいても教室でそういう話が盛り上がっていて、ある日、
「部屋のドアが開いたって奴がいる」という話がでた。
 なんじゃそりゃと聞くとはなしに聞いていると、どこそこの高校から来た奴がドアを開けてみたら鍵が掛かっていなくてドアが開いた、けれど中には誰もいなくて願いを言うことができなかったってんですね。
 ふぅん、それはたまたま管理人が鍵をかけ忘れたのかねってところなんでしょうけど、噂話ってのは増殖するもので、鍵が掛かってドアが開いたって話はちょくちょく聞こえてくようになったんですって。
 変だねぇ管理人がどうにかしちゃったのかねぇと思う者もいれば、それだけ訪れる人数が増えたら確率的にドアが開くまではいける奴もいるんじゃないかとか、噂に乗る人数が増えたら本当の事になるんじゃないかと言う奴まで出てくるんですが、肝心の「俺が行ったら開いた!」て奴は、とりあえずB君の学校にはいないようで、やっぱりただの噂、火のないところに立った煙なんだろうなと。
 しかし噂は沈静化することもなくて、大勢が挑戦に行っているようで、そのうちのちらほらが本当か嘘か解りませんが「開いた!」まではいくんだけど、願いを言う相手と出会えるまではなく、B君にとっては最後まで、高校を卒業して噂と接することがなくなるまで、願いを言うまでいった人はいなかったようです。

 で、ここからC君の話になります。
 C君は大学生で、これまた団地の近くといえば近くにある大学に通っていまして、とあるサークルに入っています。
 このサークルというのが前近代的の運営で、ビールの一気飲みこそありませんが下級生は上級生の無茶を聞かないといけないというところで、それでも価値観の過渡期で無茶を言う先輩も少ないんですがいないことはない、せいぜい
「あんまり酷いことやらせるなよ」というストッパーになる先輩が多くて軽い無茶は許容しているサークルなんですが、C君、一人の先輩に目をつけられまして、舎弟扱いされるようになっちゃいました。
 D先輩、金銭面はしっかりしてるんですよ、下級生にカネを出させるとか、下級生にカネをせびるとかは一切しません、ちゃんと先輩として金銭に関わることは下級生のぶんも出すんですが、だからそのぶん先輩面もする、下級生全員に軽い無茶を言いまして、他の先輩達も「これくらいなら」と問題にしない、そしてさらにもう一段強い無茶はC君一人に言うので他の下級生達も何も言わないという酷い状態でして、C君ウンザリしてるんですが、辞めるほどでもないかと諦めてD先輩に引っ張り回されるんですが、そのD先輩が団地の噂話を耳にしたんです。
「おう!C!団地行くぞ!」
 夜中の三時です。勘弁してくださいよと思うのですが、もうその頃になると噂話が成長して、「夕方とか夜行くからドアは閉まっているし鍵が開いていても誰もいない、だから深夜、夜遅くなったら願いを聞いてくれる人がいるんじゃないか」という噂が「夜遅くなったら願いを聞いてくれる人がいる」と変化しまして、夜中の三時だったらいるだろうという何の根拠もない決めつけになりました。しかしこれが噂というものでしょう、なのでD先輩もそんな夜遅くに行くぞってことになりまして、C君を付き合わせることになったんです。
 出発時間までD先輩の部屋でゲームに付き合わされ、時間を見計らってD先輩の運転する車助手席に乗せられ、団地に向かいます。
 助手席で
「ところで願い事って、何を言うんですか?」
「そりゃ決まってるだろ、俺が全国大会で優勝することだよ」
「はぁ、がんばってください」
「なに言ってんだ、お前がしっかり頼むんだよ」
「なんで俺が先輩のことをお願いしなきゃいけないんですか!」
「お前は俺が全国大会で優勝しなくてもかまわないってのか?」
「いや、そんなことはありませんけど」
「だからお前がしっかり頼むんだよ」
「練習してくださいよ」
「だからお前が頼むんじゃないか。俺が頼んだって練習しろ言われたら何も言えなくなるだろ?」
 ああ言えばこういう。
 団地が見えるところで車を止めまして、懐中電灯よこして行ってこいと。
 ちなみに時計を見ますと午前三時前なんですけど、まぁ別に厳密に三時ぴったりに五階の四号室行かなくてもいいだろうと、そこはC君軽く考えていましたし、D先輩も念は押しませんでした。
 いやだなー、こわいなー、と思いながら階段に近づきましてね、大勢が勝手に入ってるんだから、管理人さんも扉を付けるなり関係者以外立ち入り禁止の張り紙すればいいのにと思いながら、ぽつんぽつんと電灯の点いている階段を上り始めましたら、二階の外廊下から階段を降りようとした人とばったり出会った。タンクトップを着たガタイのいい男の人で、C君小さな悲鳴をあげまして、男の人もちょっとびっくりしたんですが、
「肝試しかい?」と優しく話しかけてきました。
 男の人の口調にちょっと安心して
「いやぁ、そういうわけではないですけど、似たようなものです」と微妙なところを口にするんですが、この人が「さっさと帰れ!」と怒鳴ってくれないかな、そうしたらここから帰れるんだけどな、と思うんですが、
「そうかい、ここ、何もないよ、気をつけてね」と言って、そのまま階段を降りて行ってしまいました。
 C君ちょっと安心、ちょっとがっかりして階段を上りまして、五階に着きまして、四号室の前に立ちます。
 ピンポン鳴らしたら他の部屋の人に迷惑かもしれないなと思って軽くノックしまして、ノブをひねったらドアが開くんです。
 開くのかよ、とうんざり思いながら大きくドアを開けまして、懐中電灯で中を照らします。
 空き部屋で、何もありません。手前がダイニングで、向こうにもう一部屋あって、窓にカーテンが掛かっている。
 誰かに見られたら大変ですので小さな声で「お邪魔しまーす」と呟いて中に入ってドアを閉めて、ドアポストの籠を照らしてみても何も入っていない。
 手前の部屋をざっと懐中電灯の光を廻してみると、左側にドアが二つあって、左の方を開けてみると浴室で、右の方を開けてみるとトイレなんですね。
 そこでC君、思考が停止しまして、浴室とトイレが別になっているのは、まぁいいんです、団地でそういう造作がありえるのかどうかは解りませんが、まぁいいんです、それよりも、トイレがかなり広く見えるんです。
 懐中電灯の光をぐるぐる廻して、トイレの広さが畳で言うと三畳かける三畳なんですが、長い辺の方向に一枚二枚三枚、横幅が畳の短い辺をこちらに向けて横に並べたくらいの大きさで、向こうの方に洋式便器があるんです。
 それで一度トイレを出まして、浴室を覗いてみるんですけど、浴室はそんな奥行き無いんです、まぁ浴槽のぶんドアを開けて左側に広さはありますが、奥はトイレほどない。
 これ、おかしくね?と思うんですが、C君は建築のことよく解りませんから、変じゃね?と思うくらいなんですね。
 それともう一つ、トイレのドアを開けて、左右も同じだけ長いんですが、右に洗面台があるのに、壁一面鏡なんです。だからさっきC君がトイレの中を懐中電灯で照らしたら、右からも写った光が見えたんですけど、もう一度トイレの中に懐中電灯を向けると、洗面台の下も右壁は鏡なんです。タイルじゃない。
 そういうもんなの?とC君の頭ははてなマークで一杯なんですが、よく解らないんですね。
 そこでようやく、トイレの入り口あたりで、中の様子ではなく鏡と正対したんですが、自分の顔がくっきり見えるんです。もちろん懐中電灯の明かりの中で、ですが、ふだん見ている鏡より自分の顔が本物っぽく見えるんです。解る人はガラケーの写メで撮った写真と高級一眼レフで撮った写真の違いといえば解りますでしょうか、C君が生まれて初めて見た、くっきりした自分の顔なんだそうです。
 この部屋に入ってからどんな顔をしたらいいか解らないC君にとって、鏡に映っている自分の顔はちょっといい男で、自分はこんな顔だったのかとか、けど今の自分はこういう表情なのか?気持ちは困惑しているのに全く困惑してないぞ?とギャップを感じるのですが、とにかく見ていて怖いとか気持ち悪いという感じはしない、まぁ困惑して、ぼーっとして鏡に映った自分の顔を見ていたんですが、見ている心情が解釈に影響するのか、だんだん鏡に映る自分の顔が(どうしたの?)という感じに見えてきた。
 それを見てC君、自分はどうしたんだろう?と思うようになり、そもそも自分はなんでここにいるんだろうと冷静になって、D先輩の無茶の数々を思い出して、だんだん悲しくなってきた、それで体感としては自分は泣きべそ顔になってきた気がするんだけど鏡の中の自分は心配そうな顔のままで、つい
「助けて」
と呟いちゃったんですね。
 そうしたら懐中電灯が電池切れになったようで、明かりが消えちゃった、しかし気持ちが落ち込んでるC君は大きくため息をついたたけで怖いとも思わず、そのままトイレを出て、部屋を出て、階段を降り始めました。
 降り始めて、四階から三階に降りようってときに下から声が聞こえてきまして、スーツを着た男女二人が階段を上ってきたんです、二人はC君を見て驚いたんですが、C君がぺこっと頭を下げたら「あぁ、どうも」って言ってきまして、また二人で仕事の話を続けて四階の外廊下のほうに進んで行きました。
 C君が一階に着いて先輩の車の方に行きましたら、もう車が無いんです。
 なんだよ、置いてきぼりかよと大ウンザリなんですが、もう仕方がない、歩いて自分の部屋に帰りました。
 翌日サークルに行きますと来ている人たちが騒いでまして、D先輩が深夜車で事故を起こして病院に運ばれ、結構危ない状態だと言うんです。
 えー!と驚いているC君に先輩達が
「お前、何か知らないか?」と聞いてくるんですけど、簡単に昨晩の話をしまして、置いて行かれたと。先輩達みんな「Dひでぇな」と言ってくれてその場はそれで終わったんですが、事故なんで警察が現場を調べたら、その時間近くを走っているタクシーとか歩いてる人が車を目撃してまして、助手席に人がいたって言うんです。それで人相を来てみると、C君によく似ているって言うんですね。
 なので警察はC君を呼んで事情を聞くんですが、C君にしてみたらみんなに言ったことをまた言うしかない。こういう噂があって、五階の四号室行けと無理矢理連れて行かれて、中に入ったとは言えない、ドアが開かなくて戻ったら車は無かったから歩いて帰ったと言いまして、
「それを証明する人はいますか?」
 えぇ、行くときはタンクトップ着たがっしりした体格の人と、戻ってきたときは会社員の男女とすれ違いました。
 警察の人考え込んじゃいましてね、
「君が言ったことが本当か調べるけど、本当だとして、事故があった場所はあの団地から遠く離れていてね、普通に車で三十分くらい、深夜なのでもう少しスピード出しても二十分くらいかかるんだ、だから君を降ろしてすぐ出発したんじゃないと、計算が合わないんだよね」
 へぇ、先輩酷いなと思いつつ警察署を出まして、ちゃんと証言を取れたんでしょう、C君がまた呼ばれることはありませんでした。
 D先輩は命には別状なかったんですけどね、大怪我で、サークルを続けることはできなくて、少しして大学を辞めて実家に帰ったんですけどね、お見舞いに来たサークルのみんなには、何にも覚えてないって言うんです。
 Cを連れて団地に行って、Cを降ろしてちょっと立ったら誰かが車のドアをノックした、Cが帰ってきたのかと思ったけどそこから記憶が無くて、話を聞いたらCじゃなくて別の人なんだろうけど誰だか全然覚えてない、気がついたら病院にいたって言うんです。
 なので何があったのか全く解らなくて、警察の話によれば、C君が車を降りてまだ五階の四号室に着く前に誰かがD先輩の車に乗ったくらいで、C君の願いが叶ったんじゃなさそうなんですね、あのトイレはなんだったのか、願いを話す相手はあの鏡に映った自分でいいのか、あの時間に鍵が開いていたのは何故なのかとか、一切不明です。
 C君あの団地の五階四号室で体験した話は誰にもしなかったんですけど、その後別サークルとの親睦会で酒が入った席で隣に座った人が、どんな流れでそうなったのか全く覚えてないですが
「お前、あの団地の噂って知ってる?」って話しかけてきて、それがB君だったとか、大学を卒業して就職して、取引相手の接待をしている席で「君、あの大学出身か、近くにある団地の噂って知ってるかい?」と聞かれてそれがA君だった、で「トイレには行かない方がいいんじゃないか」という話を聞いて、で聞いてもらおうと。

「ドッペルゲンガーとはまた違うんでしょうし、あの自分は自分が思っている自分よりもかっこよくて、こっちのことを案じてくれているようでした、D先輩のことを念頭に助けてと言いましたが、その願いは叶ったことになるのか、全部気のせいで先輩の事故とは何の関係もないのか、全く解りません。
 でも、勝手に誰かの部屋に入ることがいいことだとは思いませんが、あのときは先輩のほうが嫌だったんですよ、その先輩がいなくなって、楽にはなりましたが、別にそれで人生がバラ色になったわけでもなく、嫌なことはちょぼちょぼあって、それが普通の人生なんでしょう、噂話はきゃぁきゃぁ楽しむくらいがちょうど良くて、トイレに入るまではやらないほうがいいんでしょうね。

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