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蟇の武士

蟇の武士 動物界霊異誌
 幕末の頃、島根の浄土寺では夜陰になると、十人から二十人の武士の姿が見られた。
 此のあたりは、大森銀山の代官の下にある地であったので、長州方の武士が幕府にあだなそうと集まっていると噂された。

 然れども寺にでる武士は妖であろうという話になり、その正体は蟇ではないかと考えられた。そこであたりを探したところ、寺の裏の岩山の一角に数百の蟇を見つけた。
 これを川に流したところ武士は出なくなった。


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