甄萱
甄萱 三国遺事
光州の北村に住む金持ちの家に美しい娘がいた。娘のもとに男が訪ねてくることに気づいた父は娘に尋ねた。
「いつも紫の衣を着た男が寝室にやってきて共寝をしています。どこの方かはわかりません」
そこで父は娘に長い糸を針に通して男の衣に刺しておくように命じた。
いつものように男が訪ねてきたので、娘は父の言いつけ通りに衣に針を刺した。
夜が明けてから糸をたどって北の塀の下に行くと、針は大きなミミズの腰に刺さっていた。
娘は身ごもっており、子を産んだ。この子は十五才になると、みずから甄萱と名乗った。後に百済の王となったという。
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