あさまのかみ
あさまのかみ 日本三代実
富士山の噴火が鎮まらないことから、朝廷では駿河国でよく祭祀を行うように命じた。
しかし、おさまることはなく、被害は駿河だけでなく甲斐の方が大きくなっていった。
翌年のこと八代郡の郡司の候補であった伴直真貞は浅間の神から託宣を受けた。
「我は浅間明神なり。この国で斎き祭りを行いたいと願うものなり。
近年、国の役人のために凶事が起こり、百姓の病死が増えている。
しかし、まだ覚悟が足りず、この国のものは過ちを続けている。
早急に神社を建て、祝福の儀式を行い、清めて奉納すべきです」
託宣の間、真貞の身長は、伸びていると八尺(約2.4メートル)に達し、屈んでいると二尺(約60センチ)になるなど神の力を受け、普通の様子ではなかった。
国司が卜筮によって答えを求めると、託宣と同じものであった。
そこで明神の願いに従い、真貞を祝福し、同郡の人である伴秋吉を禰宜として任命し、郡家の南に神宮を建て、鎮めることになったという。
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