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人穴に潜むもの
人穴に潜むもの 吾妻鏡
駿河に狩りに出た鎌倉殿(二代将軍である源頼家)は富士山麓の大谷(現在の富士の人穴)に至るとその中を知りたくなった。
そこで自分の剣与え、六人で洞窟に入れた。
しかし、一行はその日には戻らなかった。
翌日戻ったのは新田忠常はひとりであった。忠常は大谷の中のことを語った。
洞窟の中は狭くて身を戻ることもできず、彼らは仕方なく前進し続けた。
水の流れに足を浸し、蝙蝠が飛び交う中進んでいくうちに大河があらわれ、渡る手段もなくて困ってしまった。
そこで河の向こう側に何かが見えたので、光を当ててその様子をみていると、四人が死亡してしまった。
忠常は霊からの教えが受け、頼家からもらった剣を河へ投げ入れることによって帰ることができた。
古老によれば、この大谷は浅間大菩薩の居場所で昔から誰もあえて覗くことはなかったという。
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