90. あるきクラブ (連載) その5。

(その1 https://note.com/tikuo/n/nc0bd647ab319?magazine_key=m73a5a46ec443 )

 我々はファミレスから出て南へ向かうことにした。

「食べたら暑いね。上脱いでいこうかな。ちょっとまって」
辰巳さんはファミレスの周りのレンガの土台にリュックを置いて、上に着たピンクのウィンドブレーカーを脱いでかばんに入れた。内側は紺色のランニング用のウェアだが、相変わらず蛍光ピンクのラインが目立つ。

「わたしも暑いー。誰かフリース持ってて」
のぞみはフリースを丸めてこちらに突き出してくる。

「あ、私のかばん、ほとんど空だから入れといたげるわ。のぞみちゃん」
辰巳さんはフリースを受け取って、街歩きには不相応な大きさのリュックに詰め込んだ。

O駅からU駅まで歩くと決めた、我々3人。同じ職場の事務員の辰巳さんと、辰巳さんの娘のめぐみの親友であるのぞみとで、5km強ほど進んでY駅とK駅のあいだにいる。周りは車通りばかりで面白い雰囲気でもない。

「えーと、しばらく歩きでいいですよね?」
二人に聞いてみる。「はーい」とは答えるもののもうすでに疲れが出ているようだ。これはもう少し歩いたら、適当に休憩を入れていくべきだろう。残りほぼ1駅分なので、直線で2kmほどである。スーパーへの買い物程度の距離感だ。今の地点から少し行くとホームセンターだが、休憩には近すぎる。もう少し進んでブックオフか?

旧中山道、今は片側2車線の県道沿いを南へ進んでいく。

「あのさー、タケイ」
のぞみが斜め後ろから声をかけてきた。

「何だ?」
「歩いたら何がいいの?」

ここで根源をひっくり返すレベルの質問である。これは安易にギャグとして答えたらいいのか、真面目に答えたら良いのか。もっと突き詰めていくと、自分でもよくわかっていない。ここ数年においては、ブックオフやハードオフ巡りの電車賃を浮かせるために歩いているのが正しいのであろう。しかし、買うものもそれほどなくなってくると、毎日8000歩という目標にしている万歩計のクリア条件に達するためか、歩くこと自体が目的になっていないか。

「うんとね、色々有るけど、痩せる」

一番ショーモナイのを答えておく。

「えー、タケイ、痩せる必要あるの?」
「そうよねえ、どっちか言うと痩せてる方よねえ」
辰巳さんも加勢してきた。

「だってさー、武井クン、ウエストいくつよー。食後に高血圧の薬飲んだりしてないでしょ?ウチのパパなんか、薬が4種類も有るのよ。もー、医療費だけでも馬鹿にならない」
私の呼び方が、"武井センセ"から"クン"に変わった。また、途中からは単なる愚痴だ。

「うん、だから、今の状態は結果ということもできるかな、と。私だって、じっとしてたらお腹が出るし、一度出ると戻らなくなるし。40過ぎた頃にそういうのがわかったのもあって、昼休みに縄跳びやったりしてるわけですよ」

あれ?これでは痩せるためではなく、健康のためか?

「ふーん」
のぞみは納得はしてなさそうだ。何かもう一つくらい付け足しておいてやるか。
病院の隣の細い道を渡る。止まってくれた子供シートのついた自転車で、ヘルメットを付けた子供が熟睡して落ちそうになっていた。

「そうそう、歩いているときってねえ、すごくアイデアがわくんですよ」
「アイデア?」

「うん、研究でこうやればいい結果が出るんじゃないかとか、ブログの文章とか、小説のアイデアとか…」
「小説?小説書いてんの?」
まずい、そうか、のぞみは小説を読む子だったっけか。
「えー、えーと、私小説っていうかー…そういう…」
「えー、一度読ませてよ、どこのサイト?カクヨム?なろう?」
「うーんと、ブログ…みたいなやつ」
困った。のぞみに教えると、親友のめぐみに伝わり、めぐみの母親である辰巳さんに伝わり、事務で回し読みされ…。まさか所長の愚痴なんかを脚色して書いているような話を伝えるわけには行かない。

「うーんと、私小説って、アレだよ。偽日記みたいなもんで、坂口安吾とか、他人が読んでも面白くないっていうか、まあ、そういう環境が分かる人にしかわからないっていうか…」
「あーわかった。身バレしたくないってやつね?」
さすが女子高生、察しが早くてありがたい。

「率直に言うと、そう」
「わかった」
「ありがとう」
「えー、何がわかったのー?武井クンの小説読んでみたいなー」
辰巳さん、察してくださいよ、ほんとに。あれ?ひょっとしてのぞみの察しが早かったのは、自分も書いてるって言うことではないか?

「あ、ブックオフ」
「寄ります?」
「寄るー」
のぞみの軽い返答で、我々は元がビデオレンタル店であったであろうブックオフの入り口へ向かった。

*

「…人、多いね」
「緊急事態なんだけどね」

皆、マスクをしているとはいうものの、あまり接近したくないのだが、それぞれの本棚の筋には5~10人ほどの人がひしめき合って立ち読みをしている。

「よし、速攻で見てくる」
のぞみは、目的のライトノベルの棚に走った。

「えーと、我々はどうしますかね。2階に古着とかありますけど」
見るからにげっそりした顔をしている辰巳さんに私が声をかけると、辰巳さんの表情は一気に明るくなった。

「え、そうなの?スポーツ系のとか有るかなあ」
「あ、有るんじゃないですかね?ほら、『スポーツ』って書いてあるし」
「じゃあ、ちょっと見てくるね」
ピンクのランニング用ウェアに登山のような格好の辰巳さんは、階段を登っていった。しかし、この人混み、クラスターが発生したりしないのだろうかと思案をしていると、のぞみが戻ってきた。

「うん、ここは、無い」
目的のライトノベルはなかったようだ。

「おばさんは?」
「2階の古着を見に行った。いってみるか」
2階に上がると、こちらはガラガラというよりは、商品が多すぎて通路がものすごく狭く、人があまり入れないような状況である。

「どうです?」
スポーツ系のウェアを見ていた辰巳さんに声をかけた。

「うーん、なんか良いやつは高いね」
「それはそうでしょ」
「ていうか、高いね」
「…行きますか」

*

店を出た我々は、K駅前の商店街と直行した道路を進んだ。

「ああ!いい匂い。コーヒーだー」
辰巳さんの歩く勢いが急に早まった。歩いている側と反対側に、焙煎売を行っている珈琲豆の店が有る。いつも歩いていて気になっていた店だ。

「じゃあ、信号渡って行ってみますか」
「いくいく」
「……」
軽い足取りの我々を尻目に、のぞみはスマートフォンを取り出し、何やらやっている。

横断歩道を渡ると、強烈なコーヒー豆の焙煎の匂いが襲ってくる。オープンスペースだからまだましな方ではあるが、ショッピングモール内などにあるチェーン店のコーヒー店では、鼻の奥から目に抜ける強烈な香りで、高濃度のアルコールを噴霧されたような気になる。コーヒーの香りには、飲酒と同じような効果があるのだろう。

「うひょー、おいしそうー。いろいろありそうね。でもちょっと高め?」
店の前には、入店制限を受けて3人が並んでいた。辰巳さんは、うれしそうにその後ろに並ぶ。

「…あの…」
のぞみがスマートフォンを覗きながら言った。

「この店、大宮にもあるよ。うちのパパが時々買ってくる店と同じ」
「ええっ?そうなの?」
辰巳さんは驚いた様子で、のぞみのスマートフォンを覗き込んだ。

「西口のアルシェの裏」
「ああー!富山の豆とかいう」
「え?富山ってコーヒー取れるの?」
「いや、富山の店なんですよ」
私と辰巳さんは、いつもどおりのかみ合わない会話をしてしまう。のぞみは冷めた目で見ている。

「で、買います?」
「うーん、大宮では買えないのがいいなー」
「じゃあ、まあ、もう1軒ありますし、そこがダメなら伊勢丹もありますし」
「じゃあ次に行きましょう」
我々は、また南に向かって歩き始めた。ジャズギターの名手と同じ名前のライブハウスの前を通る。そういえば、近所で女子高生がこの店のバックステージパスを貼ったギターケースを背負っていた。あんな女子高生でも出演できるのだろうか。このご時世だから、きっとライブハウスの経営も厳しいだろう。

道を渡り、噴水で有名な公園に入った。

「ところで、噴水か美術館か、見ます?」
私が聞くと、ふたりとも首を横に振る。

「トイレは」
「いい」
即答だ。あれほど大量にジュースを飲んだのぞみは、どこから水分が逃げていくのだろうか。そのあたりが若い肌の潤いに変わっていくのだろうか。
公園では、小学生以下と思われる子どもたちを遊ばせている親子連れが目立つ。3月とはいえ温かい日差しであり、新型肺炎だからと子どもたちを家に閉じ込めておくことが難しい家庭は多いのだろう。ゲームと絵を描く紙があれば、1週間でも1ヶ月でも引き込もれる、我が家のようなところは少ないのかもしれない。

3人で植え込みの縁のコンクリートに腰掛け、しばし子どもたちの遊んでいる様子を眺めていると、辰巳さんが口を開いた。
「武井くんとこさあ、娘さん、今何歳だっけ?」
「あ、6歳。来月入学式ですよ」
「もうそんなになるんだ。ところで、自転車には乗れる?」
ストライダーで、かなりの速度を出して走り回る、3~4歳の子供をぼんやり見ながら辰巳さんは聞いた。

「ええ、先月、急に乗れるようになって」
「急に?」
「突然ですね」
「小学校入る前に乗れるんだ。うちなんか、上も下も小3くらいまでろくに乗れなくて、パパが猛特訓してなんとか乗れるようにしたんだよ」
「へえ、練習するところがなかったとか?」
「そうでもない。なんか、二人とも自転車が嫌いだったなあ。のぞみちゃんは?」
スマートフォンでSNSか何かをチェックして黙っていたのぞみに、辰巳さんが声をかけた。

「私、あれ、滑ってきます!」
のぞみは突然、滑り台を指差した。高さ、幅が2mほどあり、サル山のようなコンクリートの山にワイド型のすべり台がくっついた、複合遊具である。滑り台自体はかなり急で、子供が2人、滑り口を逆行して登ろうとするが、登りきれずに滑り落ちている。いつの時代も、同じような遊びをするものだ。いっそ、はしごを取っ払って、全て滑り口にした滑り台を作ったら、子供に大受けなのではないだろうか。

のぞみが滑り台に向かうと同時にと、頭上から鳥の群れが飛び立った。
ジュインジュインジュイン…。

「わ、なにこれ?」
辰巳さんが驚いて空を見上げた。

「ああ、オナガですよ。関西人には憧れの鳥」
「なんか、変な鳴き声」
「あれでしょ?緊急地震速報みたいでしょ?」
「ええ、こんなんだっけ?」
「この鳥ねえ、関西だけいないんですよ。九州と関東より北にはいるのに」
「え、そうなの?」
「そうなんです。だから、関西人あこがれの鳥」

オナガの飛んでいく先を見ると、ほんの少しだけ桜が咲いているようにも見える。目を滑り台に戻すと、のぞみが鎖を掴みながら、サル山を登っている。身長170cmの体を子供用の遊具にゆだねている風景は、滑稽と言うよりも単純にアンバランスだ。4歩ほどで登り終えたのぞみは、逆走や後ろから来た子どもたちが次々に滑り降りていなくなるのを見計らっているようだ。そして、いよいよのぞみの番。

「…んぎゃー!」

「あはは…」
「何やってんだか」
私と辰巳さんは、完全に我が子が馬鹿騒ぎをしているのを眺めている状態だ。

のぞみがお尻を叩きながら戻ってきた。
「あれ、結構怖いですよ!あと、お尻破けるわ!」
「のぞみちゃん、それはねえ、もう、体重が重くなったのよ」
辰巳さんは、いつも言っているかいるかのように言った。

「後ろ、破れてないっすか?」
デニムの短パンを気にするのぞみ。とくになんともなっていないようだ。

「いやあ、子供の滑り台、なめてた。あんなのよく、飽きずにやってますよね」
「のぞみちゃんも、小学校の低学年くらいまではやってたでしょ?めぐみだってそうだったのよ」
のぞみと辰巳さんは、やはり親子のように見える。

考えてみれば、来年小学校になる私の娘も、いまだに滑り台が好きだ。1歳位から家の近所にあるローラー滑り台に1時間以上、何十回も登っては滑りを繰り返していた。そんなに楽しいのかと試しに乗ってみたら、2回ほどで尾てい骨のあたりがヒリヒリして限界を感じたものだ。

「あー、冷たいコーヒー飲みたいな」
辰巳さんが立ち上がった。

「じゃあ、もう少し行ったところでコーヒーでも飲みましょう。一応、豆も買えるので」
我々は、公園をあとにして南へ向かった。

*

りそな銀行の巨大な本社ビルや、何故か電柱のごとく道路の角に屹立したガスボンベなどにそれぞれ感嘆しつつ、我々がたどり着いたのは、TFなるリサイクルショップであった。食器などが並ぶ入り口を抜け、家電やおもちゃには目もくれず、楽器のコーナーに向かう。

「有った!」
私はつい、声を上げてしまった。ガラスケースの中には、お誂え向けに、ベース用のエンジ色のマルチエフェクターが2台並んでいた。

「えー、なにがー?」
いい加減、疲れたと顔に書かれているのぞみと辰巳さんが、狭い棚を通り抜けてようやくたどり着いた。

「ベース用のエフェクターな。B1とB1 fourがあるぞ。2台もあるのは珍しいぞ」
「えーと、2500円と4000円かー。2500円のでいい?」
出発時にはあれだけ乗り気だったのぞみだが、疲れなどから、もうどうでも良くなっているように見える。

「いや、スマホとかMP3プレーヤーとかつなぎたいんやろ?だったら高いほうやろ」
「えー、でももう財布に残り3500円しかない」
「…わかったわ。1000円出したる」
「やったー、武井、優しい」
急に元気になったのぞみを残し、店員を呼び、B1 fourの試奏をお願いした。

「なんかさー、このベース弾きにくいわー」
「試奏用のベースにケチつけんな」
よく見ると、レジェンドのロゴの付いた試奏用のベースは、ネックが反っているのだろう。12フレットで弦高が1cm近くある。ペダルやツマミをいじって、チューナーモード、プログラムの切り替えなどを行い、きちんと動くことを確認した。

「これって、めぐみのやつよりいいの?」
「うーん、ギター用とベース用で比べにくいけど、ここにボタンとツマミが多いから、あっちより音作りは簡単になってるかな」
とは言うものの、私もベースの音作りはよくわかっていない。

「なんかよくわからないけど、これでいいや」
探しに来たと言った割に、適当に決めてしまうのは、最近の高校生の傾向なのだろうか。

「ねえ武井くん、ここは古着とかはないの?楽器や家電じゃなく」
かなり退屈そうな辰巳さんが言う。

「ありますよ。2階に」
「えー、あの階段…、ものすごく急じゃないここ?」
会計を済ませ、紺色の袋を下げたのぞみと3人、階段を登っていくと、古着コーナーである。

「えー、冬物50%OFFだって!」
ときは3月の桜も咲こうかという季節であるので、これから大物のダウンジャケットを買おうという人も少ないだろう。品揃えは比較的ブランド物を集めたというふうに見える。

「えー、これ、800円?」
辰巳さんは、黒いコートを手に取った。コットンで丈が長く、ビジネスウーマンという感じだ。羽織って姿見で見ているが、ピンクのラインの入ったタイツとスニーカーには到底似合わない。

「やっぱり似合わないかなー、こっちのほうが良いかな。汚れあり、おお、半額で300円!」
今度はエメラルドグリーンの薄手のダウンジャケットである。先程のフォーマルなコートよりは似合うが、どうも体型的にか、ダウンジャケットを着るとコロコロになってしまうようである。

「あー、あのー、あのですね、おばさん。うちの親戚とかもそうなんだけどー、なんで黒の次は派手に言っちゃうかなー」
珍しく、のぞみが意見した。

「うちのお母さんは、服といえば黒しか持ってないんだよね。クローゼットも黒と白ばっかりで、何かすっげえつまんないの。あんまり服に興味ないんだろうけど。そんで、親戚とか近所のおばさんといえば、そういう水色とか、紫とか、はでなの。途中くらいが似合うんじゃないの?」
「そ、そうかなー…」
言われてみれば、40後半になる妻の持っている上着も、黒とピンクだったりする。途中の落ち着いた色は、昔茶色のコートを着ていたが、最近は見ないな…と考えたところで、ふと気がついた。

「あー、でもさ、子供が小さいと、一緒に出かけるときに、子供にわかりやすいよう派手な服を選んだり、しません?」
「あーあるある」
と辰巳さん。

「いや、その子供がもう高校生でしょう、黒でも紺でも見分けは付きます!」
私と辰巳さんは、高校1年ののぞみにたしなめられた。

「じゃ、じゃあこれ…」
辰巳さんはブラウンのロング丈のダウンコートを手にした。

「ぎゃー、絶対ダメ、それ。おばさんが3人集まったら1人は着てるやつ」
のぞみは爆笑している。たしかに言われてみれば、おばさんの会合には絶対にいる。

「ずっと思ってたんだけど、おばさんはね、ピンクとか茶色より青や緑が似合うんですよ。ネイビーブルーってやつ?ほらこういうの。これなら温かいし」
のぞみが選んだのは、フードにファーの付いた、ネイビーブルーの綿入りのミリタリージャケットである。

「えー、いくら…?破れありで、半額で800円。安いけど、重くない?」
辰巳さんが羽織ってみたが、少々サイズが大きいようで、手が袖まで届かない。しかし、大きめのコートを着ると、なぜか若返ったように見えるのが不思議だ。

「あー、…なんか学生っぽい」
「ほんと?若い?」
「でも、ちょっとサイズでかくないですか?」
「うん、ちょっと大きすぎるかな」
「そっちのグリーンのはどうです?」
辰巳さんはコートをラックに戻し、オリーブグリーンのファー付きのミリタリージャケットを羽織った。

「お、これ良い。丁度いい。軽いし。温かいし。1000円だし」
「いいんじゃないすか」
スタイリストのぞみも、あっさりとOKを出した。ただ、やっぱり学生っぽく見えるのはなぜだろうか。ミリタリージャケットに若返りの効果があるからなのか、中綿で体型が隠されるからなのか。

我々は会計を済ませて店を出た。上着を買うと困ること。それは、綿で膨らんだ大きな袋を持って移動しなければならないことである。

「さて、U駅まではもうすぐです。で、コーヒー飲みます?」
「飲む!」
「買う!」
2人共即答である。

「じゃあまあ、あと2筋くらい。NHKのところにありますんで、座ってコーヒーでも飲みましょう」

我々は、また南に向かって歩き始めた。

(つづく)