seed期に資金調達しなくてもなんとか前に進むための備忘録
先日坂本達夫さんのご厚意でIVSの非公式裏番組企画に出演させていただきました。(島川くんごめんやで)
その時のテーマの一つに「資金調達しないスタートアップの戦い方」というものがあったので切り出して整理しようと思います。
かくいう私も創業してからはEquityもDebtも行わず、細々と事業検証を行っています。
※資金調達する/しないもただのオプションだと思うので各自が勝てると思う方法を取ることがベストだという前提のもと記事を書き進めます。
なぜ資金調達をするのか?
いろんなスタートアップのお話を伺うとだいたい下記4点くらいに収束するのかなと感じています。
①事業検証
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②開発への投資
③採用への投資
④プロモーションへの投資
①の事業検証はseed期の調達だと思うのでエンジェル投資家やseedVCと握れて進めれるなら全然調達するのはありだなと思います。
もう少し事業フェーズが進んでユニットエコノミクスが合うのが分かっている状態であればガンガン②〜④を踏んで事業推進するのはたしかに合理的だなと思います。
「どのようにつくって届けるか」より「なにをつくるのか」が重要
要するに人が欲しがるものが既に分かっている状態でかつそのプロダクトを適切に届ける方法が分かっているのであればEquityでもDebtでもガンガン調達して仕掛けていけばいいと考えています。
逆に、どんなに開発しても、人を採用しても、プロモーションをしても、人が欲しがるものをつくれていないのであれば資金調達をしてもただただお金が溶けていくだけの状態が続きます。
つまり、開発も採用もプロモーションも「どのようにつくって届けるか」の話になってしまうので結局は「なにをつくるか」が明確になるまではあまり意味がないのかなと個人的に感じています。
※この辺はいろんなスタートアップで働いてるときに痛い目にあって骨身に染みています。。。
「なにをつくるのか」はどう見つけるのか
「なにをつくるのか」=「人が欲しがるものはなにか」という問いだと思うのですが、これは泥臭くユーザーと向き合うしかないのかなと思います。
ただ、一つの原理原則として「なにをつくるのか」を見つけるまでにいかにコストをかけないか、はあるかと思います。
下記記事にもありますがSmartHRの立ち上げ時にもユーザーヒアリングから仮説を見つけ、LPをつくり、2万円程度広告を回して検証するという過程を経てからリリースへと向かっています。
こうした「なにをつくるのか」を見つけるまでは個人的には自己資金で事業検証をしたいなと思っています。
自己資金はどうするのか?
そうなると次の疑問は自己資金はどう稼ぐのか?という問いにぶち当たるかと思います。
これは昨日のYouTube Liveですがけんさんが回答をしてくれていました。
「複業でも業務委託でも案件を掴みながら自分の事業にまわせばいいよね」
まずは自分で稼ぎながら、そのお金を自分の事業に少額投資することでリスクなく事業検証ができると思います。
ぼくの場合もいくつか業務委託で案件を受けながら、そのお金を自分の事業の検証へとつぎ込んでいます。
副次的に業務委託先でもexitを経験させていただき、自分の成長としても大変貴重な経験をさせていただきました。
組織のスケールなんて考えない
少し話は変わってスタートアップといえばどんどん組織が大きくなるように考えてしまう人もいるかもしれませんが、そういうわけでもありません。
事業がスケールすることは考える必要があるかと思いますが、それに合わせて組織をスケールさせる必要なんて全くありません。
できれば組織のスケールはせずに事業がスケールできたほうがいいじゃないですか。
コスト面でももちろん少人数のほうがいいですが、特に人が増えれば増えた分だけ事業の成長に関係のない「人の問題」が頻発します。
もっというと、組織がスケールしてるかどうかなんてエンドユーザーから見るとどうでもいい話じゃないですか。
彼らからすると「自分の欲しいサービスが提供されてること」と「組織の大きさ」は全く関係がありません。
なので最初から「組織を大きくするには?」のような問いを持つこと自体あまり意味がないのかなと思います。
それよりも「なにをつくるのか」=「人が欲しがるものはなにか」に少人数で答えにいくほうが価値のある問いだと思います。
とはいえ・・・
とはいえ、seedでの調達もひとつのオプションなので、調達して戦うのも全然ありだと思っています。
昨日のイベント内での言葉を借りると「生き方」とも直結する部分だと思います。
ゴリゴリ調達をして事業を前に進めている起業家を見ると、ぼくにはない資質だなと思って尊敬をしています。
単にぼくはめっちゃビビリで一個ずつ検証しながら進めたいので、その速度感が資金調達をしたあとに求められる速度感とずれることも理解し、自己資金で検証しているだけな側面もあります。
更にいうと今の事業が必ずしもうまくいくとは思っていないので、もし外してしまったときに、次のチャレンジがどれだけすぐに行えるのかという点も考えています(このへんもビビり)。
それも含めてなるべくステークホルダーは少なく、事業検証を進めていきたいなと思っています。
最後に
あんまり自己資本で最初に戦ってる人の話ってメディアとかに出てこないよなと思ったのでこの記事を書きました。
ぼく自身もこれが正解だとはあまり思っておらず、これからも走りながらどんどん学習するものだと思っています。
ゆっくりでも確実にユーザーが欲しがるものを見つけていきましょう。
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