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【インタビュー|🔥肉テロチャンネル🔥】 “色彩”と“コメント誘発”を制するものはTikTokを制す! 人気”肉食”クリエイターの極意を初公開

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スマホのカメラ機能の向上や一眼レフの普及により、日々食べる料理を手軽にプロ級に上手く撮れるようになり、料理を写真や動画に収める人が爆発的に増えたことは言うまでもありません。カメラロールを見返すと、料理の画像ばかり‥という人も多いのではないでしょうか。

そんな中、TikTokでひときわ人気を集めている食べ歩き動画アカウントがあります。
そのアカウントの主役は、なんと“肉”

「肉、ときどき鮨。」をコンセプトに、都内の高級焼肉店から、予約のとれないお鮨屋さんで出されるメニューを、これでもかという近い距離から撮影し、よだれが落ちそうなシズル感ある肉の動画が数多くアップされています。

アカウント名は🔥肉テロチャンネル🔥(@nikuterrorist)

なんとこのアカウント、現在(2020年4月末)のフォロワーは12万人超。被写体が“人”主役になることの多いTikTokにおいて、ひと気のない構図が異彩を放っています。

では、🔥肉テロチャンネル🔥(以下、肉テロ)がここまで大きな反響を呼んだ理由はなんだったのでしょうか。

その背景には綿密に計算されたアカウント運用の極意がありました。

海外セレブから直接DMが来ることも



▲肉テロさんが最初にTikTokに投稿した動画

普段はインフルエンサーPR事務所を経営しているという肉テロさん(男性)。

これまであらゆるSNSやプラットフォームを渡り歩いている肉テロさんですが、TikTokを始めてから気づいたのは、世界中の人とのつながりでした。

ここ数ヶ月は1ヶ月間で2〜3万前後のペースでフォロワーさんが増えているのですが、フォローいただいているアカウントを見ると、日本人はわずか2割で、残り8割は、ベトナム、韓国、タイなど海外の方でした。見ただけで上質だという質感が伝わるのか、世界に日本が発信できる“肉”コンテンツが要因なのかはわからないですが、コメント欄も、フォロワー数も海外が直近、増えているんです。実は、500万フォロワーを超える海外のセレブリティから、日本のお薦めレストランについて、直接聞かれたこともあります。

そんな肉テロさんがTikTokを始めたきっかけは今から約1年半前。
仕事でインフルエンサーマーケティング事業を手掛けていることもあり、新しいSNSやプラットフォームに触れ、アルゴリズムの研究をしてみようと思ったのがきっかけでした。

TikTokは、アルゴリズムが異常に巧みにできてるんです。おすすめのフィードに流れてくる動画のアカウントを見ると、わずか1投稿だけなのに、いいねが数千、数万ついてバズっている動画がたくさん発見する仕組みができています。特に初心者が始めてもフォロワーが多い人に負けないで、初動のユーザー反応がいいと、いきなりおすすめ欄に掲載され、ブーストする。パチンコでいくところの確変というか、カジノで言うところの"ビギナーズラックのアルゴリズム"があるな、と感じたんです。

「他のプラットフォームでは、フォロワーを募るのに、1年、2年かかるのですが、TikTokは多くの人に見られるようになるまでに、アカウントのパワーを上げたり、コンテンツをたくさん投稿する必要もなく、いいコンテンツであれば初心者でも一気にいいねやフォロワーが増加している。」とすぐに気づいた肉テロさん。

試しに一度以前食べた肉料理の動画を投稿してみたところ、なんと、これがいきなりの大ヒット。

最初の投稿で100万再生を突破しました。これはヤバいぞ、ということで1ヶ月間投稿し続けたところ、あっという間に1万、2万とフォロワーさんが毎月増えてました。

アップした動画の再生数が大きく伸び、おすすめのフィードに載ったとき、フォロワーが異常な速度で伸びたのを実感したという肉テロさん。「え、こんなに伸びるの?」という、アドレナリンが出るような感覚を覚えたそうです。

過去、300万再生したのが7回くらいあるのですが、そういうヒット動画の後は1日で約3,000人フォロワー増えていることも多々あります。これは他のプラットフォームでは、なかった現象ですね。

TikTokには何をアップすればいいの?

ここまで肉テロさんの話を聞くと、ヒットする動画のコツが気になってくるもの。

では、肉テロさんと同じ男性ビジネスパーソンがTikTokで動画を上げるときのコツは?今から肉の動画をあげるのは二番煎じですし…。

たとえば、インスタグラムはおしゃれな写真を投稿することが多く、世界観強めのファッション誌のようなフォトライブラリーのようなイメージだと思います。一方で、TikTokはコメント欄が活発で、投稿した動画コンテンツに対するコメントに対して、さらにフォロワー間でのコメントが起き、白熱した議論が盛り上がることも多いのです。なので、感覚的にはツイッターにも似ているんですよ。TikTokは140文字で表現するテキスト主体ではなく、“動画”が主題のツイッターというイメージを持ってもらうとわかりやすいかもしれません。

そのため、「動画を見た人からのツッコミや疑問点が浮かび、敢えて思わずコメントしたくなる、文脈(コンテキスト)や、余白感のあるコンテンツ動画をアップするのがスマートです。」と肉テロさん。

では、肉テロさんが肉料理ばかりアップするのは「フォロワーからのツッコミを入れやすいから」ということでしょうか。

それだけではありません。もともと、自分なりのある仮説があって肉料理に絞ったんですよ。注目したのは、「色彩」です。ある時、自分がソーシャルメディアを見ていて気になるのって、指先が止まるのが「赤色」とか「黄色」とか「緑色」が多いなって気づいたんです。皆さんおなじみの信号機の色です。たとえば、とろとろのオムライスを切ったりする動画ってよくバズるじゃないですか?苺や、生卵や、雲丹、抹茶、映えるものには、実はこの信号機の色が目を止めるんです。調べたことないですが、逆に言うと、心理的に識別しやすいように信号機ってこの3色なんだろうなと思っています。もともと、お寿司かお肉料理をアップしようと悩んでいたのですが、お寿司は地味な色が多く、なんだか高級感あって羨ましく、妬まれそうなのでやめました(笑)。 好き嫌いの少ない鮨よりももっと身近な『おいしそう!』と言いたくなる“肉”を被写体にすることにしたんです。

なんと、アップする動画の「色彩」に注目して、テーマを”肉”に選んだという肉テロさん。

では、料理動画をTikTokにアップするときにはどんなポイントがあるのでしょうか。

スマホが溶けそうになるギリギリの距離まで接写して迫力がでるように撮るようにしていますが、それ以外ですと、フォロワー間で物議を誘発する動画だとヒットしやすいですね。たとえば、生肉のタンをそのまま食べる料理をアップすると、『それ、生で食べれるの?』『舌を生で食べるのは牛がかわいそう。』といったコメントがたくさんつくんですよ。多い時は1,000コメントを超えます。(※もちろん、衛生面は保証されたお店でちゃんと食べてるので大丈夫ですよ。)それに対して『生で食べたことないのか?』って別のフォロワーさんが煽ったり、フォローコメントをまた別のフォロワーさんがつっこんだりする。このようにコメント欄が大いに健康的に荒れて、議論が盛り上がる動画は伸びやすいです。

抑えるべきポイントが、「色彩」へのこだわりと、「コメント誘発」の仕組み作りとは驚きです。

さらに、肉テロさんは、自身がクリエイター側になって、TikTokのメリットを強く実感しているそうです。

旧来の動画プラットフォームだと、撮影から編集、投稿までで2時間以上かかることもある。インスタグラムも、トリミングしてハッシュタグ入れてコメントまで入れると丁寧にやると一投稿15分程度はかかります。一方で、TikTokは雑にアップしても大丈夫(笑)。自分は1~3分でアップすることが多いです。

「TikTokは投稿の気軽さという観点では、各種プラットフォームの中でも群を抜いている。」と肉テロさん。

でも最も大事なことは続けること。毎日、“続けられる”ことです。

初心者には、まずは毎日投稿できるような日常ネタを見つけることが大事だそう。

まめに毎日、なるべく欠かさず1コンテンツあげることが何より大事です。その点で、料理やペットなどのコンテンツを持っている人はラクですよね。また、私のように食べ歩きが趣味の人も毎日更新できるはず。動画にのせる音楽も、選ぶのが大変と思われがちだけど、流行ってる曲やおすすめを見て決められるので簡単なんですよ。

企業はTikTokで何を投稿すべき?

ここまでは、個人がTikTokを始めるうえでのテーマ選びから投稿までのコツを伺いました。

では、企業がTikTokアカウントを作る場合、どのようなアプローチが有効でしょうか。

たとえばアパレル店なら、日々のコーディネイトよりは、業界以外の人からは見えないところ、驚きのコンテンツをあげるのはおすすめです。工場で緻密に服を縫い付けているところや商品の強度テストなど、消費者が全く見えないところですね。私の場合、肉を裁断する工場まで行って無菌室で撮影したりもしています。こういう動画をあげると、『このアカウントでしか見れない感』があるのでフォローされやすくなるし、いいねもつきやすいと思います。加えて、『こんなに懇切丁寧に作っているんだ、という職人が磨いているシーンなどみせることができると、消費者が買いたくなる動機形成にも寄与しますよね。』事実、すでに海外のオートクチュールブランドは、職人が皮を捌いてるシーンなどを動画に収めて広告クリエイティブをつくっている例も多いですしね。

つまり、一般的に、普段は見られない“非日常シーン”が何かを考え、自分の日常の中で素材を集めるのがコツだといいます。

コンセプトやテーマと、伝えたいストーリーとを決める段階で、アカウント運用の成否の80%は決まっていると思います。たとえば、工場にある裁断機の動画でもいいんですよ。鉄がスクラップになるシーンとか、鉄がつぶれるシーンとかですね。こういうのって、その職業の人じゃなきゃ見れないですよね。これが『え?鉄ってこんなに曲がるの!』という思わぬフォロワーからのリアクションにつながります。あとは徹底的に分析してみてください。自分は1日1~2時間はTikTokを見ていますが、1本の動画の再生時間が短いので、300本くらいチェックできるんですよ。これだけ分析すれば、業界問わず、どんな動画をアップすればよいか自ずとわかるようになってきます。

TikTok撮影用のスマホやデジカメも用意

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▲肉テロさんが使用する単焦点一眼レフ Leica d-lux type109

素材が決まり、あとは撮影だけ。先ほど、肉料理は接写で撮影してると話していた肉テロさん。

これは他の素材を撮影する場合でも同じでしょうか。

素材の魅力が引き出る撮り方をするのがベストです。いろいろ試しましたが、料理は、接写のほうがいいねがつきやすいですね。自分はプライベート用にiPhoneを持っていて、さらにTikTok撮影用に画質のよいGoogleのpixel4やデジカメを使い分けています。風景を撮るにしても、ペットを撮るにしても、「ぼかし技術」を身に着けると、他の動画に埋もれずに注目されやすいと思います。

なんと、TikTok用のカメラも用意しているそう。やはり画質にはこだわったほうがよさそうです。

「TikTok見た!」と来店するお客さんも

TikTokを始めて約1年半の肉テロさんですが、TikTokを始めてから生活上の変化を実感しているそうです。

これまでも、お店でスタッフやお客さんから、『いつもTikTok楽しみにして見てます!』と話しかけていただいたり、タイアップのご相談を頂いたりと色々ありましたが、最近は本業の打ち合わせでもTikTokを使いこなしてる大人TikTokクリエイターの一人として雑談含めて色々アドバイスしています。

最後に、肉テロさんの今後の展望についてお聞きしました。

「肉テロアカウントには料理人以外一切人がでてこないので、他のジャンルで活躍されている著名TikTokクリエイターの方々といつかコラボしてみたいですね。例えば、近所の川で料理してる「バーソロミュー・ブックさん」と肉を焼くととか、“混沌と混沌の間で”の「混沌さん」と一緒に鍋をつつくとか、いつかやってみたいと願っているのでご本人からのDMお待ちしてます(笑)。」

クリエイタープロフィール

🔥肉テロチャンネル🔥(@nikuterrorist)|肉食系インフルエンサー  長崎県出身。国内最大級のインフルエンサーマーケティング会社タグピク㈱の創業者兼会長。2020年4月末現在、TikTokのフォロワー数は12.7万超。月間の視聴者は1,000万再生回数を超える。『肉、ときどき鮨。』をコンセプトに、都内の著名な焼肉、鉄板焼、お鮨、てんぷら、懐石を食べ歩き、観たものすべてに空腹感を喰らわす、独自の世界観とテロリズムを掲げ、チャンネル運営を行っている。年間約250食超の予約困難店を食らう。現在は、国連「#SafeHands」チャレンジに賛同中![※現在、新型コロナウィルスで自粛中。]

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