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なんと、TikTokで不動産契約に至る事例も!営業に使える新TikTok集客術 <けんちょびさん・ひがしさんインタビュー>

現在、すでに多くの企業がSNSに広告を出したり、企業のアカウントをつくってSNSを集客ツールとして活用しています。

しかし、TikTokを「営業ツール」として活用することで、契約に至るケースも出ているという話を聞いたことのある人はそう多くないのではないでしょうか。

今回は、TikTokでわずか30秒程度の動画で物件を紹介することで、なんと賃貸契約を獲得した不動産営業マンの話です。

なぜTikTokで家を探すのか?

なぜTikTokは営業マン向きのツールなのか?

詳しくお話を聞いてみました。

TikTok経由で賃貸物件の契約に至ったのは20件以上

まずご紹介するのは、TikTokのフォロワー数6,000人を抱える営業マン、けんちょび@オシャレなお部屋紹介(@kenchobi_house)さん。

けんちょびさん

「今年2月下旬にいまの不動産会社に転職して、すぐにTikTokで物件を紹介するようになりました。もともと、TikTokを見るのは好きだったのですが、仕事に活用するようになったのは転職してからです」

では、なぜTikTokで物件を紹介することにしたのでしょうか。

「3月以降、コロナの影響もあり、店舗にいらっしゃるお客さんが減りはじめていました。当然、内覧もしにくい。見込み客自体が減っているため、物件の契約まで至るケースはほとんどなくなってしまいました。そこで、内覧のついでにスマホで撮った物件動画をなんとなくTikTokにアップしたんです」

しかし、最初は「なんとなく投稿していた」ということもあり、けんちょびさんの動画に対して反響はありませんでした。

なんとなく物件を投稿し続けたけんちょびさんですが、5月31日に投稿した動画から事態は大きく変わります。

「これまでと違って、いいねが多くつき、『住みたい!』『いい物件!』というコメントが殺到したんです。そこで、反響の大きかった動画と似た投稿し続けたところ、どんどんフォロワ―が増えていきました」

こうして、投稿内容を意識して物件の投稿を続けたところ、7月中旬には直接けんちょびさんのもとに物件の問い合わせメッセージが届くようになりました。

「問い合わせだけだと、今なら月100件超のペースでいただいています。僕は近畿圏の安くて住みやすい賃貸物件に特化させて、おもしろい物件を紹介しています。間取りや内装が変わっているデザイナーズマンションや、クローゼットが広いなど特徴的な物件は特にいいねがつきやすいですね」

では、動画の編集ではどんなことを意識しているのでしょうか。

「いくつかあります。まず、どの動画も文字のフォントや構成などの規格は基本的に一緒にしています。物件のアカウントって、一つだけ見たら終わりっていうことはなくて、過去の動画も見てくれるんですよ。そのため、フォロワーさんが見やすいように動画のテンポも含め規格は一緒にしています。あとは毎日投稿することも大事です」

他にも、なにか物件の魅力が伝わる「ギャップ」を入れることが大事だといいます。

「たとえばクローゼットが広い、コンクリート打ちっぱなしでロフトつきでおしゃれなど、特徴があって家賃が安い物件は“ギャップがある”と言えます」

TikTokに投稿してる物件を契約するわけではない

冒頭でもお伝えした通り、何よりけんちょびさんの凄いところは、コメントやいいねをつけたフォロワーの中から実際に賃貸物件を契約する人が生まれていることです。

「TikTokを始めてから、実際に物件契約まで至ったお客様は20組以上いらっしゃいます。毎月約100件お問い合わせをいただいた方のうち、内覧をする方は10%ほどいらっしゃいます。なので、TikTokで見込み客が増えていると言ってよいんじゃないかと思います」

実は、けんちょびさんによるとTikTokで紹介していない物件に契約を決めるお客さんが大半だそうです。

「直接お会いして希望条件を詳しく伺うと、別の物件に興味を持たれるケースが多いですね。その意味で、TikTokは会わなくても見込み客を増やせるツールなんです」

ここで一つの疑問が。

ここまで反響が大きくなると、会社側からなにか言われそうな気がしますが、TikTokアカウントで物件を紹介していることに対して上司はなにか言わなかったのでしょうか?

「フォロワーが1000人くらいのタイミングで上司に報告をしたところ、あっさりOKをもらえました(笑)。すでにTikTok経由で契約に至るお客様がいたこともあり。先に実績を出せていたので文句を言われませんでした」

ではけんちょびさん、今後TikTokをどのように仕事に活かしていきたいですか?

「弊社はもともと仲介手数料を無料にしています。今後、TikTok経由の問い合わせがさらに増えた場合、広告費をかけないぶん、仲介手数料無料でお客様に還元できるケースがさらに増えてくると思います。 また、TikTokを見ている遠方からの問い合わせに対応することも増え、見込み客の範囲も広がると思います」

事実、けんちょびさんはTikTokを見て鹿児島から神戸に引っ越したお客さんをご案内したこともあるそうです。

「お客様の範囲が全国に広がるというのもメリットですね。見込み客を増やすツールとして、今後もTikTokを活用していきたいです」

全国からフォローされる “同棲カップル専門不動産屋さん”

けんちょぴさんと同様にTikTokの投稿で物件契約に至っている不動産屋さんは他にもいらっしゃいます。

ひがしさん

ひがし@カップル専門不動産さん(@queenstyle.daichan)は、そのアカウント名の通り、同棲するカップル向けの動画だけを投稿し、6月にTikTokの投稿を始めてから数件契約を獲得しています。

現在のフォロワーは4万人以上!

なんと、TikTokアカウント開設からわずか1ヶ月で最初の契約が決まったそうです。

そんなひがしさん、TikTokを始めた理由は、けんちょぴさんと同様に見込み客の獲得だったといいます。

「もちろん、以前から大手の動画投稿サイトには物件の紹介動画があがっているのは知っていました。が、そのほとんどが尺が10分以上あるんです。でも、自分がお客さんだったらそんなに長い動画は見ないなと思って。そこで始めたのがTikTokでした。TikTokなら、音楽をのせて、倍速で流せば効率よく物件の雰囲気を紹介できます」

また、TikTokはほかのSNSや動画投稿サイトに比べて手間がかからないことがよいといいます。

「僕の本業は不動産業で、TikTokクリエイターではありません(笑)。動画の編集に時間をかけられないので再生時間が短いTikTokがぴったりなんです。これは他の本業のある方でも同様で、TikTokなら本業の邪魔にならないと思います」

では、動画を投稿する際にはどんなことを意識していますか?

「とにかく情報をギブすることを意識しています。どんな人が住んでいて、近くにどんな施設があるのか。また、浴室乾燥機をよく知らない人には浴室乾燥機のメリットを説明します。物件を紹介するというよりも、物件を検討する際に必要な情報を解説することに徹しています」

@queenstyle.daichan

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なぜそこまで情報を提供することにこだわるのでしょうか。

「僕のTikTokアカウントは、社会人3年目ではじめて同棲するカップルにあえてターゲットを設定しています。“同棲”とジャンルを特化させたほうが、長期的に問い合わせが増えると思うんです。『同棲したいな…だったらひがしさんに相談しよう』とすぐに思い浮かべてほしいです」

事実、ひがしさんの住む関西だけでなく、全国のカップルから問い合わせがあり、フォロワーも関西以外の人も少なくないのだとか。

そして、やはりと言うべきか、ひがしさんのTikTokへの問い合わせは9割以上が同棲を検討しているカップルなのだそう。

「僕自身が彼女との同棲を検討しているので、カップルの悩みに寄り添いやすいと思っています。また、2人の成長を応援して、数年後、もしご縁があれば僕から分譲マンションを契約していただいたら嬉しいなと思っています。その意味で、フォロワーさんは現在のお客さんではなく未来のお客さんなんです」

すでに、アカウント開設からわずか半年でTikTok経由で賃貸物件について7組の契約をいただいているそう。

実はひがしさん、不動産の営業マンに転職してまだ1年だといいます。これ、かなりの成約率と言えるのではないでしょうか。

営業マンとTikTokの相性とは

では、今後不動産というジャンルに限らず、営業マンがTikTokを活用する場合、どんなことに気をつければよいのでしょうか?

「信用を積み重ねていくという意味では、対面もTikTokも変わらないです。ライブ配信で自分を身近に感じていただいたり、フォロワーのためになる情報をgiveし続けることで、信用は得られます。そして、信用を得られて初めて、自分のところにご相談いただけるのではないでしょうか」

現在、ひがしさんのもとには問い合わせが殺到していることもあり、1ヶ月以内の引っ越しを検討しているカップルのみを対象に物件を紹介しているそうです。

「年明けに問い合わせしたいというカップルがたくさんいらっしゃいます。今の状況が続けば、大手の不動産ポータルサイトに物件を掲載しなくともお客様を獲得できるようになるのではないでしょうか。こうなれば、TikTokが集客のプラットフォームになっていきます」

また、TikTokのフォロワーが増えるに従って、リアルの営業の場面でもひがしさんはメリットを感じるようになったそうです。

「『日本一TikTokフォロワーの多い不動産屋さんです』という自己紹介ができるようになりました(笑)。これで対面で会った方との信頼も溜まっていきます。TikTokで人気が出ることは、リアルの営業にも相乗効果が生まれているんです」

TikTokで問い合わせがあってもすぐに契約に走ってはいけない

では、今後営業マンがTikTokアカウントを開設し、問い合わせがあった場合に気をつけるべき点は?

「問い合わせがあってお会いする日があっても、あえてその日に内見やクロージングはせず、じっくりお客様から1時間ヒアリングをする時間を設けましょう。私の場合、改めて内覧日を設定してから物件を提案しています。その日に提案すると、必ずお客様のニーズの聞き取りに抜け漏れがあるためです」

また投稿の際は軸をぶらさないことが重要といいます。

「僕はカップルに特化したことで数ヶ月でフォロワーを増やすことができました。あとはフォロワーさんのメリットになることだけを提供すること。以前『不動産屋さんの一日』という動画を投稿しましたが、フォロワーの方はそんなの興味がないので、全然伸びませんでした(笑)」

ひがしさんいわく、今後さまざまなャンルでTikTokがビジネスに活かせるようになるだろうと言います。

「実は採用もTikTokでやっているんです。すると、今後は集客から採用までぜんぶTikTokでできるようになります。最終的に、自分のアカウントのフォロワー数を100万人突破させることが目標です。すると、他の人気アカウントとコラボもできるようになり、もはやどんな業種でもビジネスに活かせる影響力を持てるのではないでしょうか」

今後、TikTokの強みがビジネス界から注目されたとき、これまでにはない集客の仕方がより多く生まれてくるのかもしれません。

クリエイタープロフィール

けんちょび(上田 健登)

けんちょびさん

熊本出身、不動産歴8ヶ月目の21歳。愛称は「けんちょび」現在、スタイリー不動産の広報責任者として社内最年少として活動。不動産の実務もこなしながら、本格的に2020年7月からTikTokに参入し、4ヶ月でフォロワー約5500を獲得。

ひがし@カップル専門不動産

ひがしさん

兵庫県尼崎市出身24歳。カップルの同棲に特化し、不動産賃貸業を行なっている。2020年6月よりTikTokを開始。現在フォロワー数約4万人。同棲物件の内装動画・デートスポット紹介など「カップルをもっとよくする」をコンセプトに活動している。

禁無断転載

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