「最初の3秒は命です」42万フォロワーの生活系アカウント“so easy”が語る、企業が本気でTikTokに取り組む意義
個人クリエイターの活動が多いイメージのあるTikTokですが、近年では企業が運営するアカウントも人気を集めているのをご存知でしょうか。
なかでも、約42万人ものフォロワーに支持されているのが、動画メディア「soeasy(@soeasy.hacks)」の公式アカウントです。
「保冷剤がないとき、どうする?」「瓶のキャップの簡単な外し方」といった日常の些細な困りごとや、「包丁にくっつかないきゅうりの切り方」「レンジで超簡単にできるオレオケーキの作り方」など、お手軽に真似できる料理レシピなどを扱った、1分以内のライフハック動画を投稿しています。
2021年9月には、それらの動画を書籍化した「暮らしのアイデアスイッチ おどろくほど役立つ生活の知恵134」(KADOKAWA)も上梓しました。
果たしてsoeasyは、TikTokでライフハック動画をいかにして成功させたのでしょうか。
また、TikTokに企業として力を入れる理由はどこにあるのでしょうか。
soeasyアカウントの“中の人”であるNagisaさんに話を聞きました。
企業がチームでTikTokに取り組む意義
まずは、TikTokを始めた経緯を教えてください。
かなり早くからTikTokに目をつけていたんですね。他のプラットフォームとは、どのような違いを感じましたか?
特に、2020年以降はおうち時間が増えたこともあり、自宅で音声をオンにしてTikTokを楽しむ人の数が急増。
soeasyアカウントの動画全体の再生数が底上げされたといいます。
では、TikTok特有のヒット動画の法則などはあるのでしょうか。
当時は若年層を狙い撃ちした結果、いずれも数万〜数十万いいねを獲得することに成功したそうです。
しかし、TikTokでバズりやすい題材はそれだけではありません。
桃の皮を剥く方法を紹介したこちらの動画は、TikTokでの反響にとどまらず、テレビのニュース番組でも取り上げられたとか。ゼロコストですぐに真似できることが、人気を集める秘訣のようです。
「最初の3秒は命です」
TikTokでヒットするために重要なのは、動画のテーマ選びだけではありません。soeasyのアカウントでは、構成やテンポにも強くこだわっていると言います。
なかでも徹底的に作り込むのが「最初の3秒」です。
こうした「最初の3秒」にどんなシーンを入れるかについて、soeasyでは何度も試行錯誤してそのノウハウを蓄積してきたといいます。
こうしたノウハウは企業がチームとして取り組んでいるからこそ、自社の大切な資産になっているのです。
4秒目以降に意識すべきは”テンポ”
最初の3秒を乗り越えたら、次の課題は動画を最後まで視聴してもらうこと。
つまり、“4秒目以降”には、どのような工夫を施しているのでしょうか。
最初の3秒でユーザーを引きつけ、その後は飽きずにテンポがよい動画になるように意識する。
この“3秒ルール”は、すべてのTikTokクリエイターが厳守するべきテクニックと言えそうです。
ただし、その“3秒”にどんな内容を盛り込むかは、アカウントのテーマによって大きく異なるもの。
その詳細は直接soeasyに問い合わせたほうがよさそうです。
予想外の書籍化はいかにして実現したのか?
そんなsoeasyは、ライフハックに関する情報発信のみならず、法人向けに動画制作やSNS運用といったサービスを提供しています。
TikTokでの取り組みは、これらのビジネスにもダイレクトに活用されているといいます。
「決して多くはないものの、新規顧客の入り口としても役立っている」と言います。
TikTokをビジネスのスキームに組み込んでいる点は、企業のSNS運用のお手本とも言えそうです。
さらにsoeasyでは、TikTok経由で予想外の展開も発生しています。
2021年9月、TikTokの動画を書籍化した「暮らしのアイデアスイッチ おどろくほど役立つ生活の知恵134」(KADOKAWA)を上梓したのです。
書籍化の影響で、soeasyの知名度はさらに上がることも予想されます。ビジネスの拡大も視野に入れているかもしれませんが、TikTokの運用も含めて、どのような成長戦略を思い描いているのでしょうか。
会社内でTikTok運用のノウハウを溜め込むことで、クライアントに価値を提供できる。
そんな企業としての武器を手に入れた同社の道のりは決して”soeasy”ではなさそうですが、企業がTikTokを運用する価値は大いにあるのではないでしょうか。
クリエイタープロフィール
soeasy(@soeasy.hacks)
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