小説「保健室1」

ボクこと、前野賢一は、クラスの大井君に日常的に強い言葉を浴びせられた。例えば、体育祭の練習でミスをして毎日罵声を浴びせられた。

体育祭当日、仕事を押し付けられた。

ボクは、彼から距離を取っている。しかし、彼が近寄ってくるのだ。

 他には、このことを相談できる友達がいない。誰にも頼れなかった。そのことで、二重の苦しみを受けた。

 2学期ごろ、テスト終わりに避難訓練があった。その時も、精神的にしんどくて、保健室に行くことになった。

 今までは、1年生のときに、1回、2年生のときは1学期に1回保健室を利用した。

2年生のときに保健室に行きたくて、

「先生、しんどいので保健室に行きたいです。」というと、「しんどいのは皆いっしょ」と一蹴された。

 卓球部に所属していたが、試合で負けて嫌になり、退部届けを顧問に出して辞めた。

 帰宅部になったが、家ですることもない。


打ち込めるものもなかった。時間が圧倒的にできたが、勉強をするわけでもない。


保健室に行くと、体温を測る。36.5℃だった。

この時、ボクは卒業するまで保健室のお世話になることを知らなかった。

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