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〜不定期連載・取材後記〜「20220614-29:「再開!『レイソルしま専科』帯同記①」

2022年6月14日、柏レイソルの学校訪問イベント「レイソルしま専科」が3年ぶりに再開しました。

ファーストテイクは初登場の鵜木選手


この「しま専科」は、柏レイソルの選手たちがホームタウンの小学校や中学校を表敬訪問して、児童たちと交流。自身の経験弾や人生のアドバイスを伝えるトークタイムと可能な限りサッカーボールを使った実技披露の二本立ての構成となっています。2006年から続く素晴らしい活動であり、一般サポーターから「一度見てみたい」という声も根強いイベントでもあります


過去には、小学生時代の恩師との再会を果たした大谷秀和選手や生徒さんとの30m走で俊足ぶりを披露した伊東純也選手(ゲンク)、PK対決で日本代表の凄みを見せつけた中村航輔選手(ポルティモネンセ)、給食をペロリと食べていった桐畑和繁選手(岐阜)、一瞬で生徒さんを虜にしてみせた中川寛斗選手(大分)、「しま専科」の虜になった杉井颯選手(長野)など、ここには収まりきらない名シーンを残してきました。

再開最初の訪問校となったのは、柏市立富勢西小学校。当初、同校を訪れるのは上島拓巳選手と鵜木郁哉選手の2人と発表があったのですが、当日は戸嶋祥郎選手も帯同するサプライズ付きとなりました。ちなみに同校とレイソルの間での縁ある人物といえば、酒井宏樹選手(浦和)の存在が有名です。この日も酒井選手がレイソル育ちだという事実に驚きのリアクションがありました。

鵜木選手は自作のプレゼン画像を背景にトークを始めました。サッカーそのものとの出会い。レイソルアカデミー加入。アカデミー内での競争や一度は諦めたトップチーム昇格を巡る精神的な成長を話したのち、昇格を決定付けた試合でのワンプレーをハイライト映像付きで解説。

プロまでのステップアップの裏には数々の壁が


生徒さんたちをトークへ巻き込むテクニックは素晴らしかったですし、最終的には「サウナ好きな人!いますか?このあたりでオススメのお風呂屋さんやサウナはありますか?」と生徒さんたちへ逆質問。サウナスパ健康アドバイザーの一面もアピールしていました(笑)!


この「レイソルしま専科」再開初回へ立候補したという上島選手は「好きな事を仕事にできる幸せ」を噛み締めていると話し、「『得意な事』は『好きな事』になり得る。そして、『仕事』にもなり得る」ー。さらに「それが人の為、または社会の為にもなり得る」と解きました。自分の進路や未来は何が正解かなんて今は全く分からないが、「だからこそ、自分で選んだ道を正しい道・正解にしていこう」と。そして、自身が大好きな言葉だという「置かれた場所で咲きなさい」というテーマを軸にトークを展開。

上島選手は堂々した約20分のトークを展開


柏レイソル→アビスパ福岡→柏レイソルというキャリアの中で咲き続けた理由を「ライバルや指導者にも恵まれたが、与えられた環境で花開く為に最善と最高を尽くすべきだと強く思っていたから」と力強くまとめ、中央大学進学や柏レイソル加入やアビスパ福岡でたくさんの人たちに愛された。そして、最愛のクラブである柏レイソルへ復帰というキャリアで得てきた経験を交えながら、熱く濃く伝えていました。

また、「リフティングは何回できますか?」という問いには、鵜木選手と共に「唐揚げを食べながらのリフティングなら永遠にできるんですけどね」とニヤリとしていました。

「唐揚げはありますか?」と生徒さんたちへ問いかける上島選手

その様子を「今日は『偵察』にやって来ました(笑)」と楽しそうに見つめていた戸嶋選手でしたが、上島選手の呼び込みにより、イベントの最後に柏レイソルの選手会長として登場しました。

スカウティング映像収録に余念がない戸嶋会長

戸嶋選手は学校訪問形式の「レイソルしま専科」に続き、柏レイソルのホームスタジアムである、三協フロンテア柏スタジアムで開催されている施設訪問形式の「レイソルきま専科」で交流を持った学校へ寄贈する黄色のサッカーボールと公式戦試合球を携えて。この日は簡単な挨拶とボールタッチだけとなりましたが、今後あるであろう戸嶋会長のトークには注目したいと思っております。

レイソル選手会より記念ボールをプレゼント

このボールは柏レイソル選手会主導で用意されたオリジナル球。その場で選手たちのサインが書き込まれました。その価値を知ってか、先生方がしっかりと管理している姿が微笑ましかったです。

それから2週間後ー。

第2回の柏市立柏第五小学校に登場したのは古賀太陽選手と大嶽拓馬選手。酷暑ということもあり、ボールを使った実技披露は見合わせましたが、その分古賀選手と大嶽選手のお2人の人柄が垣間見える会となりました。

少し硬い表情の「しま専科」デビューの大嶽選手

大嶽選手は自身の歩みについて振り返っていく中での何回かの節目で出会った言葉や出来事の中からの「気づき」を披露。サッカー選手としての育成年代は1人の青年としての成長期でもあり、ジュニアユース年代とユース年代の節目節目で経験せざるを得なかった負傷離脱期間が自身を作ったと言います。

トーク後に汗をぬぐう大嶽選手。ご苦労様でした

プレーはできないが、チームの為のサポートに徹する時期を超えて、戦線復帰をするも、全てが好転するにはしばしの時間を要し、焦りや悔しさ、腹の底の気持ちを打ち明けた永井俊太コーチから返ってきた、「今やれることをやり切る」というシンプルなメッセージを胸に精進を積み重ね、突如招集がかかったトップチームの指宿キャンプ参加。「震える足で羽田空港へ向かっていました」というあの日を経て、今、パリ五輪が野望だと話していました。

大嶽選手のトークに聞き入る生徒のみなさん


古賀選手は「夢へのアプローチ」についてを話しましたが、その冒頭で、少年時代の古賀選手には「サッカー選手」という夢があったが、「別に今、みんなの中に夢がなくなっていいんだよ」とも。

6年生へ話す内容を吟味したという古賀選手

育成年代からずっと自分を信じてサッカーと向き合ってきたこと。たとえ、どんな状況に於かれても、「自分はいつも自分の味方」という気持ちと、「常に謙虚に、人の意見に耳を傾けてみよう」という姿勢で成長を続けてきたことを伝えました。確かにこれまでも古賀選手は「どう思いますか?」と意見を求めることがある人でもあります。

生徒さんの質問へ応える古賀選手

そして、「DFをやっています。どうやったら守備が上達しますか?」という質問に対しては「相手と自分の体の向きや距離感をもう一度考えてみたらいいと思うよ」と古賀選手らしい明確なアドバイスを送り、「サッカー選手になって変わったことは?」という生徒さんの質問を頷きながら丁寧に咀嚼した古賀選手は、「自分たちは毎試合チケットを買って応援してくれるレイソルサポーターの皆さんの前で試合をするわけで、自分たち選手はその方々の思いを背負って戦っているんです。その責任感が生まれましたし、その気持ちに応えていきたいです」と即答してイベントを締めました。

黄色いボールと公式戦試合球をプレゼント


ひとまず、この2回をもって、夏休みを迎えることもあり、「しま専科」は一度中断期に入りますが、柏レイソルさんが今春にホームタウンの小中学校宛に「しま専科」に関するリリースを発信したところ、担当者の下にはたくさんの返信が寄せられているといいますから、夏休みが明けて、暑さが少し落ち着いた頃に、再び訪問を再開するはずです。


今後の「スタメン」も楽しみですし、「上島選手かっこいいからレイソルを見にいきたい」とか「古賀選手のアドバイスで守備が上手くなりました」なんてことが起きていたらいいですし、卒業アルバムの中にレイソルの選手が載っていたりするなんて素晴らしいなと思いました。

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