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type2-1;衣替えの秋/クルミ

秋にまつわる短編連作マガジン『秋箱』の2編目その1です。その2もあります。

※絵は、『I'm writing NOVEL』のゆうさんから頂きました。ありがとうございました!

*********

(髪の毛、色変えてみようかな)
 思いついたのは、9月の2週目。
 2学期が始まって、まだほんの少し経った頃だ。

 今年は秋が来ない、なんて、天気予報では毎日みたいに言われている。たしかにもう9月のはずなのに、気温は毎日30度を越えて、夜だって25度以上になる。熱帯夜続きだ。本当に今年は秋が遅い。
 それでも、何を考えているのかうちの学校は、2学期に入った途端に制服の衣替えがある。ひといきに秋服だ。
 不本意な衣替え。お天気キャスターが何を言っても、気温が何度でも、強制的に、秋はやって来ちゃうのだ。
(そうだ髪の毛の色、変えてみよう)
 思いついてからは早かった。
 ううん、むしろ、どうして今まで、そうしなかったんだろう。そのことの方が不思議なくらい。
 私はいつだって、やることがゆっくりなのだ。
 もちろん、校則では髪の色を変えることは禁止されている。でも、髪色を変えたくらいでは退学にはならないし、3年の2学期の始まりとはいえ私は大学進学もしないから、先生からの評価がなんだって、関係ないっちゃ関係ないんだ。
 特に勉強したいこともないし、どこか受けたとしても合格する自信もないし、浪人するほどのお金が家にあるとも思えなかった私には、
就職、というのが、一番ぴったりな気がした。
 学校が終わってから、学校には内緒で、近所の飲み屋さんでバイトしているのだけれど、正社員ではないものの、卒業後はそれなりのお給料で雇ってもらえることが決まっていた。
 こればっかりは運が良かった。お店をやってるおっちゃん・おばちゃんにも感謝だ。
 進学もしたくなくて勤め先の保証もあるなら、無理に進学することもないよね。
(どうせなら、思い切って金髪にしよう)
 決めると私は、財布と自転車の鍵だけ持って、家を出た。向かったのは、1ブロック先にある、幼なじみのアカネちゃんの家だった。

***

「金髪? クルミが?」
 私が言うなり、アカネちゃんは不思議そうな顔をした。
「ダメかな?」と聞くと、「いや、ただクルミにしては……って思って驚いた」とアカネちゃんは、大して驚いた風もなく返してくる。
 そういう彼女は、ピアスだっていくつも空いてるし、髪色だって薄い茶色に落としてる。長い髪の毛は、無造作にまとめあげているだけだけれど、ハデなピンク色のキャミソールにはよく似合っていて、ピン、としていてカッコいい。
 アカネちゃんには、長い髪がよく似合う。
「学校は?」とも聞かれたけれど、答えるまでもなく、私が進学しないことを知っているから、あぁそれは大丈夫か、とすぐに納得される。
 ちなみに彼女は学校に行ってもいないから、校則は関係ない。
 アカネちゃんは学校に行っていない。登校拒否とかではなくて、本当に通っていないのだ。
「毎日学校に通う生活なんてまっぴら」
 1年前、突然そう言いはじめた彼女は本当に、その週のうちに、退学届を用意した。アカネちゃんの学校は即刻、それを受理した。
 アカネちゃんは頭がいい。でも、だからこそ、学校の授業は「つまらない」と言ってマジメには参加していなかった。
 守る意味がないと思えば、校則だって守っていなかった。
 頭のいいアカネちゃんは、けれど今、通信制の高校に在籍はしていて、高卒認定をとって、来年の春からは大学に通う予定だそうだ。
 アカネちゃんは本当に頭がいいから、第一志望の学校も余裕の判定だそうだ。
 受験をしない私には、あまり詳しいことはわからないけれど。
 頭が良くて、いつもすごくしっかりしていて、自分の思った通りに行動するアカネちゃん。あと20センチ背が高かったら、モデルさんにもなれていたかもしれない。
 どうして私なんかと仲良くしてくれるのか本当にわからないくらいの、自慢の幼なじみだ。
「おばさんたちは?」
 首を振る。
「言ってない。たぶん、年末までは帰ってこないし」
 ふうん。そっか。と、アカネちゃんは数回頷いた。
 私の家は、両親ともが、それぞれ地方に単身赴任をしている。私が高校に入る年からだから、もう2年半になる。
 そんなにたくさんのお給料をもらっているわけではないはずだけれど、2人とも本当に忙しいようで、年末年始とゴールデンウィークの数日以外は、なかなか家には帰って来ない。今年はお盆休みもなかった。
 毎日のように電話やメールをくれるし、2人とも元気そうだから、大して心配はしていないのだけれど。
「クルミ、髪の色染めたりとか抜いたりとか、したことあったっけ?」
 これにも、私は首を振った。
 初めてだ。だから少し、緊張している。
 ニヤリと笑って、アカネちゃんが言った。
「高校デビューだね。おめでとう」
 嬉しかった。3年の2学期にデビューだなんて、遅すぎる。それはわかってる。
 私はいつだって、やることがゆっくりなのだ。それでも、そうかこれは私にとっては大きな一歩なんだ。
 少しだけ誇らしかった。

***

 真っ黒だった私の髪は、市販のもので自力でやったのでは、うまく変えられないかもしれない。
 アカネちゃんのそのアドバイスのおかげでちゃんと美容院に行った私の髪は、その日のうちに無事、金色になった。
 真っ黒に、さよなら。
 こんな暑い中、暑苦しくて重苦しい秋服を着ないといけないんだもの。
 髪色くらい、軽くしたい。
 クラスのみんなの驚く顔が楽しみだった。

***

 けれど翌朝、私に待っていたのは驚きの顔ではなく、笑い声だった。
「クルミどうしたのソレ!!」
 友人たちに言われて、最初は言われるたびに顔が赤くなるのがわかった。 笑われるとは思ってなかった。
 楽しみにしていた気持ちは一気にしぼんで、恥ずかしい気持ちでいっぱいになった。
「へ、ヘンかな?」
 一生懸命に笑顔を作りながら、昼休みに尋ねてみたら、「そりゃそうでしょ!」ってまた、笑いながら言われてしまった。
「ずっと黒だったからかなぁ? やっぱなんか似合わない、ってかさ、クルミってそんなキャラだったっけ?」
「髪金なのに、眉毛、黒のまんまじゃん! それはマズいっしょ」
「え、なに? どしたの? まさか高校デビュー? 今さら?」
 それから後は、なんだかもう、泣きたかった。
「やっぱヘンだよね」
 言いながら私も笑ったけれど、もしかしたら、顔が引きつっていたかもしれない。
 泣かないでいるので精一杯だった。だって笑ってないと、ますます「ダサイ」子になっちゃう気がして。
「ヘンだろうなって、自分でもわかってたよ」「なんとなくやってみただけだよ」「デビューとかそんなんなわけないじゃん今さら」そう言って、自分でも笑って、笑ってもらうこと。
 学校を出るまでは、もうそれだけで、イッパイイッパイだった。
 しかも放課後には、担任に呼び出された。
 校則違反だから、きっと怒られる。そう思っていたけれど、担任にはなんと心配されてしまった。
「何か不安なことがあったの?」
「悩みごとがあるなら、なんでも言って。相談にのるから」
 別に、特に、ないです。
 そうとしか答えられなかった。だって本当にそうなのだ。別に、としか答えられない。
「本当に、いつでも、何でも言ってね」
 それだけ言って担任は、あっさりするほどすぐに、私を解放してくれた。
 ますます情けない気分になった。
 私はいつだって、やることと言えばゆっくりで、そしてきっと、どこか、何かがズレているのだ。テンポも、方向も。
 どうして髪色を変えるくらいのことも、うまくできないんだろう。
 朝までの自分が信じられない。みんなの反応を楽しみにしていた自分を思い出すと、ますます恥ずかしい。
 最低の気分だった。

***

 家に帰ると、まだ早いのはわかっていたけれど雨戸をしめて、ついでにカーテンも閉めて、文字通り、私は家に引きこもった。
 最低だった。
 ガラにもなく、ちょっと、がんばってみたかったのだけれど、失敗だった。
 誰にも見られたくなくてずっと、泣くのをガマンしていたのだけれど、いざ1人きりになってみればますます、こんなことで泣きたくないな、と思った。
 泣いたらきっと、もっともっと情けない気分になる。
 だから見もしないテレビをつけて、クッションに顔をうずめてゴロンとして、私は一人、ふてていた。
 そうして外も暗くなって随分経ち、お腹が空いて眠くなってもきた頃、ドアのチャイムが鳴った。
 そっと顔を上げて時計を見ると、夜の10時近くだった。
 こんな時間にうちに来る人、と言えば。
 インターホンからは、やっぱり、アカネちゃんの声がする。
「……」
 会わないでいることもできた。
 でも、相手はアカネちゃん。ムゲにはしたくない。
 のそのそと歩いて、私はドアをあける。
「……え、ど、どしたのそれ」
 言ったのは私だった。
 片手にコンビニのビニール袋を持ったアカネちゃんは、髪の毛は短く。バッサリと切っていて、その色は金色だった。
 長い髪、似合ってたのに。
「いや、別に。何となく」
 ちくちくする。そうも言ってちょっとだけ頭をかいて、アカネちゃんは「お土産持ってきた」とビニール袋を少しだけ、あげてみせた。
 ビックリしている私をよそに、アカネちゃんはいつもと同じように、私の家にあがってしまう。私はその後に続く。
 私が顔を埋めていたクッションの辺りに腰掛けると、アカネちゃんはまず、ビニールから2本、ビールを取り出した。
「心配無用。ノンアルコール。ま、気分の問題だからね」
 私の分のプルトップも勝手にあけて、ぐいっと手渡される。何も言えないまま私は、それを受け取って腰掛ける。
「じゃ、私の金髪とクルミのデビューに、かんぱーい!」
 がちん、と缶をぶつけられて、中身がこぼれそうでわたわたしている私にかまわず、アカネちゃんは慣れた様子でグイッとやっている。
 けれどすぐに「あんまり美味しくない」と口を離して、今度はアイスを2つ取り出して、1つを渡してくれた。私の好物だ。
「……」
 よくわからないけれど、受け取りながら、私もノンアルビールを飲み込んだ。たしかに、あんまり美味しくない。
「でさ、クルミどうだった? その髪型」
 アイスを齧りながらアカネちゃんが言う。
「……失敗」
 言いながら、私もアイスのフタをあけた。中身に口をつけていくけれど、3口食べても、4口食べても、アカネちゃんは無言だった。
 それで、なんだかもう仕方ない気分になって、私は話し始めた。
 どんな気分で登校して、クラスメイトとどんな話しをして、担任にどんなことを言われて、どんな気分だったか。
 最初は全然、しゃべれることなんてないと思っていた。だって、勘違いしてハリキって、失敗して、恥ずかしかった。って、ただそれだけの話だ。
 それに私は本当に、本当にうまくできないのだ。そんなこと、自分でもとっくにわかっていた。
 いつだってノロマで、ズレてて、なんだかいろんなコトが残念な子。だから今回も、ちょっとがんばってみたけど、失敗した。それだけの話なんだから。
 でもアカネちゃんに話し始めたら、どうしてだろう。止まらなかった。
 気付いたらアイスは床に置いて、ひたすら喋っていた。喋りながら、どんどん、自分がヒートアップしていくのがわかる。
 ビールのせいかもしれない。きっと少し酔っぱらった。ノンアルって言ったって、ちょっとはお酒、入ってるんでしょ? 入ってない? わからないけど、きっとそのせいだ。
「……っていうかさー!」
 気付けば少し、声も大きくなっていた。
「『クルミってそんなキャラだったっけ』って。私のキャラって何? 何で勝手に決めてんの? 眉毛が黒のまんまって、しょうがないじゃんだって気付かなかったんだもん。そんなヘンなら、じゃあ朝イチで言ってくれればすぐどっか行って買ってくるし! 高校デビューじゃダメ? 今さらじゃダメ? 私じゃダメ? あんな言い方することないじゃん!」
 アカネちゃんは無言だ。それに対して自分が、よくわからないくらい、興奮しているのがわかった。
 興奮? 違う。怒っているのかもしれない。よくわからない。わからないけどとまらない。少し、頭がフラフラする。
 やっぱりきっと、酔っぱらっている。
「『何か不安なことがあったの? 悩みごと?』って、アホか!! 別にそんなの、……そんなのっ、昨日今日の話じゃないし!」
 そう。
 だって、別に、としか言えるわけないじゃないか。いつでも相談にのるなんて、何で言うんだろう。今までそんな素振り見せたこともなかったくせに。
 不安なことなんて、あるに決まってる。
 だって私は、こんなに、別になにもできなくて、進路だって、みんなが普通に進学して行く中、正社員でもない就職で、相談したくたって親は2人とも帰って来ないし、毎日電話もメールもくれたって、顔見なきゃ本当に元気なのかどうかもわからないし。
 それに私は、本当に、何だってうまくできないのだ。せっかく決意したことでも、あんな簡単に笑われるくらい。
 不安じゃないわけがない。
 悩まないわけがない。
 声を荒げていた私に、アカネちゃんがアイスのスプーンを差し出して、言った。
「今の気持ちを、何か、ヒトコト」
(ヒトコト……て……)
 何も思い浮かばなかったけれど、差し出されたちっちゃなスプーンを受け取って、マイクみたいにしてみたら、勝手に、口が動いた。
「あ、……み、みんなの、アホーーーーーーぉ!」
 久しぶりに大声を出した。息をついたら、少しだけ涙目になっていることに気がついた。
「……」
 言いたいこと言って、今度は黙りこんだ私からスプーンマイクを抜き取ると、「ナイスシャウト、おめでとう」アカネちゃんがニヤリと笑って言って、左手に握りしめていたノンアルビールにまた、がつん、と缶をぶつけてきた。
「……ありがと」
 今度は私からも缶をぶつけて、また一口、一緒に飲み込んだ。
「やっぱり、美味しくないね」
 アカネちゃんがキレイな顔をぐしゃっとさせて言って、私たちは笑い合った。

***

 溶けないうちにアイスを食べて、あんまり美味しくないビールもちゃんと飲み干してから、私とアカネちゃんはお風呂場に直行した。
 そして今私は、髪の色を染めている。金髪から、黒に近い茶色に。
 アカネちゃんが持っていたビニール袋に入っていたのは、ノンアルビールとアイスだけではなかった。
 栗の皮みたいな色のヘアカラー。さすがアカネちゃんだ。用意がいい。
「おそろいの色は一瞬だったね」
 私の髪をいじりながらアカネちゃんが言った。
「いや、てゆかさ、アカネちゃんその髪どうしたの?!」
 すっかり聞きそびれていた。
「クルミにコツを教えてあげようと思って」
 そうアカネちゃんは言ったけれど、コツって何のコツなのか、よくわからない。
 首を傾げる私に、アカネちゃんは続ける。
「つまりさ、ヤル時は、もっともっと思い切った方がラク、ってこと。髪色変えるんだったら、髪型も、服装も、メイクも、もしかしたら歩き方とかも、全部自分がイメージした、それっぽい感じに変えちゃうの」
 そう言えばアカネちゃんはメイクも変えている。服装は、髪をバッサリと短くした分、いつもみたいなボーイッシュなのじゃなくて、少し可愛らしくなっている。
 アカネちゃんは、長い髪がよく似合う。けれどこうして見てみれば、短い髪もピッタリに思えてきた。
「ほら、絶対つまんないだろってイッパツゲイとかもさ、思い切って堂々とやったら、案外イイ感じにいじってもらえたりするじゃん」
 たしかにそうだ。
 そうか。
 私もちょっと、思い切りが足りなかったのかも。
 それだけのことなのかもしれない。
「ま、クルミは今回がデビュー戦なわけだし。勝負は、マロンブラウンのこれからでしょ」
 マロンブラウン戦は私、全面的にプロデュースさせてもらいますんで。そう言ってアカネちゃんは鼻歌を歌いだす。楽しそうだ。
 そうか。これからか。
「ありがと、アカネちゃん。何か勉強になったよ。よろしくね!」
 やっぱりアカネちゃんはスゴイ。そう思ってソレを伝えると、アカネちゃんは笑って言った。
「イヤイヤ。私こそ、あんたのことスゴイと思ってんだよ?」
 よくわからない。
 アカネちゃんはスゴイ。頭がイイ。顔もカワイイ。しっかりしていて、いつも、カッコいい。私とは全然違うのに。
 もしかしたら、本当だったら私、アカネちゃんのことをこんなには好きにはなれていなかったかもしれない。もしアカネちゃんが、アカネちゃんみたいじゃなかったら。
 だって悔しいもん。私には何にもできないのに、きっとアカネちゃんなら簡単にできる。もしアカネちゃんが総理大臣になったら、きっと日本はイイ感じになるよ。そう思えるくらい。私にはないものばっかりいっぱい持ってる。
 でも、相手がアカネちゃんだから、嫉妬とかそういうキモチはおこらない。
 だって。
「アカネちゃん、本当に私のこと好きだよね」
「うん、すげぇ好き」
 だってほら、全然迷うことなく、即答してくれる。
 私の残念な高校デビューを喜んでくれて、酔っぱらったみたいなシャウトを祝ってくれて、リベンジ戦は一緒に戦ってもくれるのだ。
 私とアカネちゃんとの両方ともが、もし女の子を好きになれる人間だったら、きっと両思いのカップルになれるのに。
 でも残念ながら、私はどうやら、恋愛の対象として女の子のことを好きにはなれないみたいだし。
「アカネちゃん、彼氏いるしねぇ」
「え? じいさんのこと? え、何で今その話?」
「別にー」
 そう言って首を振れば、ちょっと動かないで、と注意される。
 不思議だ。こんなに両思いなのに、恋人にはなれない。ならない。
 でも、よく言うもんね。彼氏とは別れても、友だちは一生ものだって。
 間違いなく、アカネちゃんは私の一生ものだ。
「あらためて、よろしくね、アカネちゃん」
「こちらこそ。やるからには、勝ちに行くからね?」
 マロンブラウン戦のことだと思っていたらしく、少し噛み合ない返答だった。
 別にいい。やることは変わらないし、私たちの仲がいいことも変わらない。
 何も変わらないから、いいのだ。

 お風呂から出て、2人して扇風機にあたって火照ったカラダを冷やしてから、やっと、私は鏡を眺めた。
 ヘアカラーのパッケージよりも、少しだけ鮮やかなマロンブラウン。
 たぶん、きっと似合ってる。少し強気にそんなことを思った。
 今度はマズいノンアルビールなんかじゃなくて、冷蔵庫で冷やしていた麦茶を2人分、グラスに注ぐ。
「じゃ、マロンブラウン戦に、乾杯!」
 がちゃん、とグラスを鳴らして、私たちはそれを一気に飲み干した。
 勝負の秋は、これからだ。

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