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読んだ本の記録2020《非BL》

今年読んだ本を、読んだ順に記録していきます。
こちらの記事では非BL作品のみ。

BL小説はこちら。

BL漫画はこちら。


一定以上オススメ、と思えたもののみ選んでいるのですが、膨大かもしれません。(20200928更新)


1、『SPY×FAMILY』3巻(コミック)

ストーリーごとの練度が、巻を重ねるごとに上がっていく。すごい。
セリフに含ませるものの多さ、キャラクターごとの関係性・構成とも相変わらず見事だし、ともあれともかく、おもしろいなー! 4巻もワクワクして楽しみに待てる!
みんなかわいい! みんな好き!


2、藍本松『怪物事変』1〜9巻(コミック)

おもしろいです。ただただおもしろく、読み返すといつも一気読みしてしまう。青春妖怪バトルもの? でいいのかな。みんな読んでください。
作画もストーリーも緩急も絶妙ですばらしい良作。2021のアニメ化も楽しみです!!!!


3、藤のよう『せんせいのお人形」1巻(コミック)

タイトルと絵柄で敬遠していたのだが、信頼できる読み手さんが絶賛していたので読んだ。えっ……素晴らしいな!
ネグレクトを受けていた女子高生が倫理教師に引き取られ、お互いに成長? していく話。
関係性がとても真っ当で誠実さがある。『うさぎドロップ』の悲劇を私は忘れないので……


4、藤のよう『せんせいのお人形』2巻(コミック)

たいへんにおもしろい。「奇跡の人」のようなシーンに涙腺が壊れた……ほんとうに最高……
この最高さこそがしんどいのだが、ど真ん中ど正義で最高です。ありがとうございます……!


5、木原音瀬『捜し物屋まやま』(小説)

おもしろかったぁ〜! ライトな非BL木原さん。ホラーみがやや強め。挿画が穂積さんです。最高。穂積さんも最高です。豪華すぎるタッグです。
いわゆる「木原節」的なエゲツないえぐみはないし、コメディ寄りなのだが、主人公くん(ではなかった?)が、冒頭から本当に散々な目にあっている。なお表紙にもいない。かわいそう。
しかし希望の見えるスタートで、ワクワクと読み進めた。
人間の理解すらできない悪性、悪意、それを抱えるもののやるせなさ、よるべなさ、どうしようもなさを描く筆力が凄かった。それを……こんなライトな物語に匂わせるなんて……
凍えた身にあたたかい毛布をかけてもらえるような物語でした。やさしさや思いやりもありつつ、「そういう人もいるし、そういうものが不意に投げ与えられる、そういうこともあるよね」みたいなぞんざいなやさしさと、そのぞんざいさの強さを思った。続編をください。


6、森世『男子、隣人と食せよ』(コミック)

BL作家さんの男子×男子ものだけど非BLです。
かわいい&おいしそう&ある程度のストーリーもある食卓漫画。好きだな……! 絵が綺麗で、出てくる料理がコンビニものレンチンレベルで、その生活感も好感度が高い。ご馳走様です!


7、恩田陸『月の裏側』(小説)

同じものと思っていた中に、ぐるりとひっくり返って なり変わっている異物の気配。
おもしろかったし、こわかった。異物がマジョリティにとってかわっていくといういやらしい怖さが、とても恩田陸さんだった。
「彼女」の口調や役割、というか作中男性ら・地の文のジェンダー観に「oh...」となってもいたのだが、ラストに突然、彼女が血肉の通った「人間」になり(?)、驚いた。こういう驚かせ方もあるんだ。


8、嬉野君『金星特急』(小説)

大変おもしろく、一気読みした。4日で全7巻+外伝まで読了。睡眠が削られてしまうタイプのおもしろさ……!
冒険譚なのだが、恋と家族とパートナーシップの物語だった。綺麗に完結しているのだが、スピンオフいっぱい読みたいし、続編が出てくれてしまうなら書います。


9、平庫ワカ『マイ・ブロークン・マリコ』(コミック)

はぁーーーー !!! 評判通りの作品でした。
全部絶対に取り戻せない、壊れたものは壊れたままで、灰の中で深呼吸して煙草吸って見せるような、力強い百合でした。
一緒に収録されてる『YISKA イーサカ』は、以前Twitterで読んで「うわっ すごい!」と思った作品でした。つまりこの作者さんの作品にはハズレがなさそう、ということでは?
また別の作品でも、この作者さんに会えたらいいな。


10、たらちねジョン『アザミの城の魔女』2巻(コミック)

好きですね。好きです魔法物語。
テーマの根底にあるものが『グッドナイト、アイラブユー』ともつながっている気がして、とても信頼できる作家さんだな……となった。
テイストとしては、まほよめ好きな人は好きですよ。たぶん。

ついでに『グッドナイト、アイラブユー』もオススメします。名作です。全4巻、完結済みです。


11、大久保圭『アルテ』(コミック)

12巻まで読了。群像劇として、ものすごく素晴らしい。男の庇護を受けず生きると決めたアルテと、保守的価値観の母親。しかしその母親の誇りや矜恃や覚悟もまたかっこいい。高級娼婦の彼女も、針仕事の彼女も。親戚の子ども、友人の男子、みんなみんな良い。全力でオススメしたい。
しみじみとよい作品なのだが、「よい」の力が凄まじく、圧倒的すぎて、しみじみできる作品なのに、しみじみどころかなんかもう……もうっ!! わぁぁぁぁぁぁぁっ!!!! となる。みんなそれぞれ進んでいって欲しい。


12、びっけ『極彩の家』1巻(コミック)

髪が顔料になる、不思議な体質の子ども(青年)たちの話。
ミステリアスでファンタジックなヒューマンドラマ(?)。
さすが、びっけさんです。おもしろい。続きも絶対に買う。


13、佐々大河『ふしぎの国のバード』6巻(コミック)

「異文化理解」という言葉には、私はこの作品を思う。
かつての日本、西洋から見れば摩訶不思議、理解の範疇を超えたそれへの彼女の視座の、つとめてフェアであろうとする姿勢が気持ちいい。
イトとのすれ違いすらもがよい。良作!


14、荒川弘『銀の匙』15巻(最終巻)(コミック)

最終話、どうしても泣いてしまったな。
はぁーーー懸念であった彼が、あちらに向かってあちらの方向に進んだということ、とても希望があるなと思う。明るい。
子どもたちが成長するのみならず、大人らにも変化があるのも良い。連載、ほんとうにお疲れ様でした。
おいしそうでたのしそうで、それだけではないけど希望があって、とてもよい作品でした。
あとね、先輩が先輩でよかった。ほんとうによかった。彼の道もこのままいい感じに逞しく明るくあってほしい。みんな大好き!


15、夏目イサク『花恋つらね』5巻(コミック)

読んでいるこちらの胃も痛くなるような1冊だったが、夏目さんの作品はほんっっっとうに希望としあわせが強い!  ヒューヒュー! となって読み終えた。
2人とも可愛くてかっこいい! 好き!


16、田村由美『7seeds』全36巻(本編35冊+外伝1冊)(コミック)

2日間で読み切った。寝不足製造作品です。
この作品は全人類にすすめます。名作。是非どうぞ。


17、びっけ『極彩の家』6巻まで(コミック)

派手な話ではないのだが、しみじみと良い。
季節の移ろいが色の鮮やかさと相まって、まさに極彩。朱夏さんでアニメ化されて欲しい。再生と終焉と、生まれてはじまる4月という春の強力な激しさに目が眩みそう。続きが待ち遠しい。
黄色兄弟の話は、庭師が絡まり展開するのが凄かった。キヅナツキさんの『リンクス』を少し思い出す。どこを切っても彼に出会う感じ。どこにももう絶対にいないのに。うっ……。


18、たじまこと『水曜日のトリップランチ』1巻(コミック)

お仕事ごはん漫画。
夢があり、理想的と言えそうな生活があり、可愛さがあり、晴れた初夏の日の青空みたいな爽快さがあり、おいしそう。良作です。
巻末にレシピあり。豚まん今度作ってみよう! 続きも楽しみです。


19、鳥野しの『麦の惑星』全3巻(コミック)

んんんんっ 大好き……!
パンがとても美味しそうで、派手な演出はないのに、山の空気、森のにおい水のにおい、いつものごはんのにおいが感じられるような作品だった。
淡々として滋味深い。
たとえば中学生時代の「先生」が、さしたる思い出もなかったはずの山で一人、ベンチに座って夕暮れを眺めているシーン。静かで安心して寂しくなれる場所を見つけられるというのは、とっても重要なことなんだよな。など思う。
モヤモヤとした部分が残らないわけではない。しかし、3巻末で書かれた「明かされなかった設定」含め、愛してしまう作品だった。愛。


20、藍松本『怪物事変』10巻(コミック)

好きです。キャラクターがみんな好き。敵も味方も。キャラへの誠意が感じられる作品は読んでいて気持ちいい。
綺麗で丁寧なストーリーだが、グロさはある。関係なく好きです。


21、鷹野久『午後3時 雨宮教授のお茶の時間』1巻(コミック)

おいしそう漫画。「えっ これ卵つかってないの?!」みたいなレシピがいくつもあり、小さい頃読んだイギリス文学作品に出てきたお菓子が作って食べられるようになる。つまり、しあわせ漫画です。
描写がいちいち丁寧で贅沢。愛します。


22、岩本ナオ『マロニエ王国の七人の騎士』4巻(コミック)

めちゃくちゃおもしろい。しかし、めちゃくちゃおもしろい、ということしかわからない。眠くないも獣使いも好きだなー。ヒンヤリくんもみんな好き!
岩本ナオさんの作品は、シビアでも圧倒的にやさしくて可愛いからすごい。


23、あきづき空太『赤髪の白雪姫』22巻(コミック)

安定の超良質ファンタジーお仕事漫画。
白雪が怒ったのも、リュウが継いだのも、相手がそれにちゃんと誠実さを見せたのも、全てが良い。なお推し(オビ)が相変わらずカッコよかった。ほんとありがとうございました! 陛下んとこ夫婦も好き!
おがきちか『Landreaall』にも通じるのだが、恋愛感情によらない仕事としての婚姻に、地に足のついたパートナーシップ及びそれを築いていく主体的意思が感じられるの、とてもよい。
恋愛感情がそこから生まれてもよいのだが、必ずしも「結婚は恋愛の延長上」じゃなくていいと思うので。


24、魚田南『カラスのいとし京都めし』4巻(完結)(コミック)

絵が好みでおいしそうで、大変にすばらしいシリーズでした。
捻けちゃった弟くんのために一肌脱ぐかわいいお兄ちゃんと、腐れ友のキラキラ王子だなんて好きに決まってた作品だけど、やはり最後まで大好きでした。可愛い。ありがとうございました。京都行きたいな!


25、宮下奈都『誰かが足りない』(コミック)

足りない誰かを待ったり待たなかったり、思い出せたり出せなかったりする話。そうだ私はこの人の文章が、視線が、好きなんだよな……と、あらためて思い出す。
やさしくてさみしくてかなしくて切実で、希望は持つしかないのだという、力の抜けた覚悟のようなものがある。
繰り返されてきた同じワードが、最後にくるりと反転して、ころころとあかるい方に転がっていく。そういう鮮やかさは、出会うたびちょっと感動する希望。
なお私はこの作品を美容院で読んだのだが、私が突然泣きはじめたので、美容師さんにはニコニコされた。それを繰り返すこと、数回。美容師さんも、見守ってくれていてありがとうございました。

なお宮下奈都さん『誰かが足りない』は、2012年に本屋大賞ノミネート作品。えーーーこんな名作をおいて受賞した作品ってなんなの?! と思って調べたら、三浦しをんさん『舟を編む』でした。うおおおおこれも超名作!!!!


26、斉木久美子『かげきしょうじょ!!』(読んだのは2巻まで)(コミック)

おもしろーい!!!! やだもーもっと早く出会いたかったよ! でも今からでも全然遅くないね!!!! 続きも買う!!!!
若い人たちが直向きで懸命なのは、それだけでも胸を打つが、周囲の大人たちの小狡さなり矜恃なりもまたよき。好きだな。


27、ヤマシタトモコ『さんかく窓の外側は夜』8巻(コミック)

あの繋がりが、彼らにはまだ見えていないことがもどかしい!
彼が彼を選ばなかったこと、あれは身内への甘えであり、信頼であるのだが、自分で自分を信頼できていないと受け取れないから、わからないのだよな。しんど……


28、魚田南『日々まめまめとむしやしない』(コミック)

じわりと沁みる作品。
ただいろんなご飯を食べているだけなのだが、小さな物語があり、傷になるドラマがあり、しかしそのドラマも、言葉にすればただの「鮭弁の話」である。この温度調節が良い。しかしまさか開眼して終わるとは^^!!


29、信濃川日出雄『山と食欲と私』11巻(コミック)

相変わらずおもしろいし、おいしそうだし、突然のクリティカルヒットがくる。ただ、作者さん疲れているのか……? テイストを変えたのか……? これまでよりぼやけた感じがした。12巻を見守りたい。
あと私も地下足袋履きたい!!


30、宮下奈都『羊と鋼の森』(小説)

ほとんどずっと涙ぐみながら読んだ作品。琴線に触れる文章。
また巧みでもある。においたつような心地になれる作品は引き込まれるのがはやい。世界に厚みがあり、地に足のついた文章である証。「ご飯がおいしそうな作品は失敗なし」と同じこと。
「この文章が好きです」という箇所にラインを引きながら読んだ結果、読みはじめからラインだらけになり、文章の呼吸とリズムだけで涙が出る。心の栄養。滋味。この作品の文章は、心にも身体にすら良い。圧倒的おすすめ。

読書実況のようなものをTwitterでしていたので、よかったら以下からのツリーを見て欲しい。私の情緒の大波を感じてください。


31、野田サトル『ゴールデンカムイ』21巻(コミック)

谷垣ニシパが相変わらず素敵で嬉しい。白石も可愛くて喜び。
しかしアシリパさんと杉元のバディ、いつ見てもよいな……尊重と責任とそれぞれの意思と、そういうのをちゃんと擦り合わせしているのが良き。擦り合わせ、大事。


32、オノ・ナツメ『BADON』2巻(コミック)

ちょっと意味がわからないくらい、よかった……!
期待値バリ高だったはずなのだが、圧倒的に超えていた。あの3人の過去が愛おしいし、ムショでの前向きやりとりにぎゅっとなったし、そして4人であり、ハチクマである。
ライバル店息子らもよい!


33、九井諒子『ダンジョン飯』9巻(コミック)

物語が複雑化してきてそろそろ難しいのだが、相変わらずグルメ漫画だった。カナリア隊長んとこのペアも好き!
白子みたいでうまそうと思っていたら、「白子だと思えば……」と描かれていて、いいなーおいしそう! となった。好きです。


34、『鬼滅の刃』20巻(コミック)

はぁ……若い人たちが死んでしまうのはいつだってかなしい……
今回あの双子の兄弟の話が主軸にあったのだが、弟のあまりにも澄んで揺るがないやさしい剛ゴリラっぷりに胸を痛めつつ、兄……兄の人間くささにも胸を打たれてしまって……


35、『SPY×FAMILY』4巻(コミック)

いつ読んでもおもしろいし、どのキャラを切り取っても誰も彼もが大好きすぎてありがとう!!!!
私が好きだった伊坂幸太郎のような、恩田陸パズルのような、構成による快感もすごい。大好きな作品。


36、青桐ナツ『あめつちだれかれそこかそこ』8巻(コミック)

こんなにゆるくてこんなにせつなくてこんなにあったかくて、笑うwwwwww
納戸さんがかっこよかった!! 9巻も楽しみ。ゆるゆると愛好していきたい。


37、澤村御影『准教授・高槻彰良の推察 民俗学かく語りき』(小説)

大変におもしろい。アニメ化を期待してしまう。
能力が「ありすぎる」ということの不便性。社会は「ありすぎる」状態に最適化されていないから、やはり脆弱性があるんだよな。


38、おおのこうすけ『極主夫道』5巻(コミック)

1巻から抱腹絶倒なのだが、巻を重ねるごとにさらに面白味が増していくのがすごい。夫婦愛おしいし、妻〜〜〜かわいい好き〜〜〜
あと風邪引いたところのあの、髪下ろしてる姿。ちょっと幼くてかわいかった〜。町内の893の皆様、全員推せる。
あとプロモーション動画のおかげさまで、津田健さんにしかもう見えません。


39、さもえど太郎『Artiste』6巻(コミック)

毎回おもしろくてすごい。
人間模様がすごい。誰の人生も丁寧で素晴らしい。とても良い群像劇。価値観が多様で、やさしく、誠実だ。
あとフランスの結婚・離婚制度の話もおもしろかったが、階数の数え方! 初めて知った! 次巻も楽しみです。


40、沢村凛『黄金の王 白銀の王』(小説)

大好物の大河であった。大好物の、最高の、しんどい…………
気軽に人に薦めてはいけない、ぜったいにいけない類の名作と思うのだが、めちゃくちゃ読まれて欲しい矛盾。
お勧めしてくれた人の肩掴んでゆさぶりながら「なぜこんな劇物を私に寄越した?!」と問い詰めながら圧倒的感謝を捧げたい。
「フード理論」をご存知の方にお伝えしたいのは、この作品では食事シーンがほとんどない、ほぼないと言ってもいいレベルにない、ということです。
印象深いのは冒頭のびわの木。主人公がのびのびと捥いで、おそらく笑顔すら見せた、ひだまり色の小さな実。それだけです。
ところでこれ読んだ人、どういう人生観で日常を生きてるの????


41、佐藤さくら『魔導の黎明』(「真理の織り手」シリーズ全4巻の、こちらが最終巻)(小説)

描かれていることは壮大で、既刊で拡がっていたものが収縮していくダイナミックさもあったのに、既刊に比べとても地味だと感じていた。
その理由はラストで理解した。それでよかったのだとわかった。
自分の生を自分で肯定できない子どもが、生きていけると感じられるようになるまでの過程の物語だった。なんと難しいことだろうね。
ここまでの3冊は、構造と個と話だった。強固な構造に絡め取られずに立って生きていくと決めた、もしくはそうでないと生きていけなかった個の話。
今刊は、より内面にフォーカスしていたのかな。良作。


42、おがきちか『Landreaall』35巻(コミック)

相変わらず最高。絶品の群像劇。あそこで「フリンジ」とフィルのお母さんを挟む威力、凄み……!
あとイオンちゃんは今回も最高でした! イオンちゃんかっこよいかわいい最高〜*^^*
しかし今回ちょっとぶっ飛びすぎていて、全員ゴリラになったときはどうしようかと思ったな!


43、小西明日翔『来世は他人がいい』4巻まで(コミック)

おもしろいねー!!!! みんなよしのさんに跪き、爪先にキスする許しを願えばよくない? しょうまくんはかわいい、かわいいねぇ*^^*
ところで腎臓を売った差額はどこに?


44、鈴ノ木ユウ『コウノドリ』31巻(コミック)

下屋先生無双。かっこよかったです。
あと巻末に別の試し読み挟むの、めちゃくちゃうまいね。思惑どおり興味を持ちました。買いますよ。


45、恵口公生『キミオアライブ』1巻(コミック)

良質なエンタメ。青春群像劇。主人公がちまっとかわいいブラックホールなのもよいし、ヤンキー可愛いし、893の娘可愛いし、清洲と似た名前の生徒会男子かわいいし、後輩ちゃんもかわいい。かわいいだらけか!


46、『とんがり帽子のアトリエ』6巻(コミック)

洗濯できるやつとか、茶器とか、魔法の道具たちのひとつひとつにうっとりしてしまう。鱗狼とか、動物の生態も。
この世界にある魔法の道具たちと動物たちの図鑑、1000ページくらいのやつがほしい。
世界観も含めて、長く楽しんでいきたい作品。


47、中村ふみ『炎の姫と戦国の魔女/聖女』合本版

中村ふみさんの文章は読みやすい。そしておもしろい。
主人公たちが少年であれば、こういう物語はこれまでもあったと思う。が、ここまで徹底して闘う女性たちが描かれる作品て希少では。
姫が閨事について教育を受けるシーンでは、セックスに効率を求めてみたり、愛や信頼を前提とすることへの疑義があったりでニコニコした。あと「他にやることなかったし、ちょっとムシャクシャしていたので」という理由で女がセックスを選ぶ描写、戦国時代が舞台なのにとてもフラットに自然に描かれていて歓喜した。なんじゃこりゃ!
従姉妹とともに側室として輿入れすることになり、「彼女と同じ男を共有するのだと思えば少し楽しみです*^^*」とか言い出す姫も、かわいいしかないだろ。かわいい。
この姫もあの姫も村娘も「魔女」も、みんな……みんなすごい、かっこよかった。感動した。ガチで闘う母親であり、強かった。良き作品!


48、穂積『式の前日』

紙と電子の両方持ってる!
穂積さんのデビュー作。短編集なので読みやすいですよ。完成度がえぐいほど高すぎて、これがデビューコミックという事実に何度でも驚く。エモいがすごい上に構成がキレッキレです。ぜひぜひ、ぜひ読んでほしい。


49、大沼紀子『路地裏のほたる食堂』

5センチが明暗をわける人生……! おもしろかった。えーちゃん、えーちゃんかよ! そんではるた! 君かよなるほど?! ケロケロKING好きだな! はぁーーー2冊目も楽しみ。と、特に後半は大興奮で読んだ。
せめてどうか、という祈りの作品。大好きです。


50、大沼紀子『路地裏のほたる食堂 2人の秘密』(2冊目)

熊みたいなのに人間社会に順応したいおっさんと、猪より野性な美男子高校生のバディもの。と、言ってよいのだろうか。とてもよい。よいぞ。ままならないキャラクターたちばかりなのだが、みんな愛おしい。
そして高校生くんが大変によい。おっさんの扱いが完全に熊対策なのもただしいし、判断の尺度がいちいち猪単位なのも「山の者です」感が溢れていてよい。おじいちゃんへの愛情と信頼あふれるケロケロボーイよ……自分の顔の良さを自覚した野性の子、魅力的すぎる。生命力〜!


51、榎田ユウリ『宮廷神官物語』1巻

おもしろかった。ゆるいと「痛い」と「気になる……!」のバランスが良い。エンタメ!
ただし、「食えない」と言ってる肉を無理に食わせる描写は駄目。あれは文化の軽視であり、どんな設定であれ受け付けない。あの描写を受け入れるのは無理です。


52、榎田ユウリ『宮廷神官物語』2巻

櫻の人がかっこいいすぎて最高だった。侍女の彼女との関係もよいし、私は……あの2人の物語ももっと読みたいな……。
鶏冠のキャラも大変に好ましくて良い 好き! でも筆折ったやつはちゃんと出てきて詫びは入れろよと思った。ケジメは大事です。


53、榎田ユウリ『宮廷神官物語』11巻(完結巻)

3〜8巻、10・11巻を読んだ。大変きれいに完結した!(9は短編版外集)
いやぁーおもしろかった! トントントンとトントンしたな! 天青くんは本当に成長し、大きくなりました。見てくれこの青年の、2巻との対比を!
そして櫻嵐様はずっと最高でした!!!! 最高でした、やったね!!!!
そして爆デカ感情のあの人と弟には、しあわせになってほしいな。本当、願うよ……


54、榎田ユウリ『宮廷神官物語』9巻(番外短編集)

しみじみとよかった……「身分の差」の取り扱いがある際、個々人の話と社会制度の話とがしっかりと区分されて描写されている作品は、信頼感が強い。
どの話も大変に素敵で、ますますこの世界が好きになった。
すばらしいシリーズを、ありがとうございました!


55、三宅乱丈『イムリ』(26巻)(完結)

現在進行形の大河であった。最後の1コマ、あの幕引きの暗転に至る鮮やかさが見事すぎて、感無量です。
デュルク、ミューバ、ありがとう。大好きです。みんなシリーズぜひ読んで……。


56、荻原規子『西の善き魔女』(全8巻)

謎、恋、友情、家族、身分と国の制度と歴史、文学と文化、学ぶということ、んんんんんんんっ さすが児童文学の巨匠です。めちゃくちゃおもしろかった。特に1巻ずつの末文、ひとつひとつに力強さがある。ガールズのパワーも炸裂していて、彼女たちの野望はガンガンである。
ルーンのあれこれは全てがしんどくてしんどくて仕方なかったのだが、フィリエル(主人公)が出てくると本当に一転するのがすごい。おばあちゃん女王がガッツポーズキメてるところも想像でき、はぁー充実。
8巻通して、主人公は成長しているのかいないのかがわからない。
しかし常に成長し続けることだとか、ただ明るく前を見続けることだとかに価値観を限定しない、という作品の姿勢は明確だったように思う。とても良い意味での諦念を覚えたキャラもいた。好きです。
「明るい絆」に価値観を限定することによる多様性の否定と、市井の人々に対して権力や機構が、知識や情報の隠蔽をはかることには、明確な否があった。その点はとても、まさに現代的と思ったし、そういう筋の通ったロックさは「児童文学!!!!」という感じ。全力で賛同します。完全支持。

なお6・7冊目は、本編にめちゃくちゃ密接に関わる番外編、という感じでした。

6冊目は、主人公たちが子どもの頃の話。あらかた知っていたはずのキャラの生い立ちだったが、それを日常の中で描かれるとしんどいがすごかった。また主人公の複雑ないじましさ、「仕方がない、殺そう」という結論に至るまでの思い切りの良さがにぎゅっとなるし、絶対的に好きだな……となった。7冊目は、大変に良き冒険でした。彼女たちの命がけの友情が深まって何より。胸熱というやつですな!!!!
しかし8巻、赤ちゃん一瞬でも置いてくのは無理! となったし、酒飲ます描写はあれはいかんよ……あと、虎の人とレアンドラさんのスピンオフが欲しいです!!!!!

生まれと育ち(どう育つ・育てられるか)を並べたとき、私は圧倒的に後者にのみウエイトをおいてしまうのだけど、昔榎木洋子さんの『龍と魔法使い』外伝1のあとがきを読んで、部分的に考えを改めたことがあった。
榎木さんが在日朝鮮人の作家仲間に、キャラクターの「故国不明」の切なさについて語られることがあって、それがその外伝(キャラクターの出生が明かされる)の生まれるきっかけになった……というような話。
物語において、出生は明かされるにも明かされないにも意味があるのだな。というようなことを、ラスト2冊は、とっても思いながら読んでいた。

ともあれ、名作でした。児童文学、最高。


57、恵口公生『キミオアライブ』2巻(特装版)

はぁーーーゆめちゃん、がんばってほしいし、DJ氏が金に物言わすイケメンでカッコいいのだが、きみおーーーきみおーーー!!!!
特典は、ラストのBL作の方(ボーイミーツマリア)とのコラボに大興奮しました!!!!


58、小西明日翔『春の呪い』(全2巻)

そういえばめっちゃ話題だったなーと思い出して読んだのだが、おもしろかった。人の外見と内面と、感情と意思と言動とって一致しないこと・ままならないことあるよねーあるある! など思いました。
死んだ人の「呪い」など、生きる人の傲慢なほどの罪悪感でしかないじゃんね、という感想も抱いた。この作品で描かれた類の不器用な傲慢、私は好きです。


59、『向ヒ兎堂日記』(全8巻)

おもしろかったー! みんないい子でみんな可愛くてがんばりましたね! 白姫と伊織の母とのやりとりがもっとあったら、永遠に見ていたいな……と思った。


何度も、ゆったり読み返したくなる作品。
ところで、なぜか『まぼろしにふれてよ』と『隠の王』を読み返したくなった。

雨隠ギド『まぼろしにふれてよ』はこちら。全3巻。

鎌谷悠希『隠の王』はこちら。全14巻。


60、ソウマトウ『シャドーハウス』5巻

一気読み不可避です。単純におもしろく、おそろしい。
謎の生き物”シャドー”たちと「生き人形」たちと人間たちとの関係が、読者だけ少し早めに提示されることで、浮かび上がるものがある。構成が巧いなぁ〜。
「かわいらしい」「おそろしい」「とうとい」「人権と尊厳」みたいな単語がぐるぐるとめぐる。続きも楽しみ!


61、鷹野久『骨董猫屋』

日常の大事なものを、あくまでさらりと描く温度感がよい。可愛いに次ぐ可愛いの嵐!
表題作以外にもいくつか収録されているのだが、どれもかわいい。どれもよい*^^*
寝る前に読んだらいい夢が見られそう!


62、大沼紀子『路地裏のほたる食堂 3つの嘘』(シリーズ3冊目)

途中まで、正直ちょっとダレながら読んだし、彼女の「真相」はバレバレに読めてしまったのだが、終盤は緊迫がすごく、読むのが止まらなかった。
そしてラストのミルキーである。ミルキー?!?!! 次巻も楽しみに待ちたい。


63、阿部智里『烏に単は似合わない』

「おもしろかったー!」「マジかよーつら」「うえぇーショック! しかし、よいね!」みたいな、なかなかに感情のジェットコースターであった。「読者を騙す」作品だったと思うのだが、最高の騙され方をした。良き作品です。


64、阿部智里『烏は主を選ばない』(シリーズ2冊目)

おもしろかったー! 雪哉くん大好きだなっ!
あの彼こそが実はそうである、というのは最序盤から透けていたのだが、とっても気持ちのいい開陳のされ方で「yheaaaaaaaaaaaaaa!!!!」となった。そんで金烏の彼がまぁまた憎めない……彼らの進み方に「いっぽいっぽ」感があって、心から応援したくなる。
なお解説で『十二国記』『獣の奏者』、あと『天山の巫女ソニン』シリーズの名前が出てきて、私はニコニコしました。どのシリーズも好きです。(でもなんでソニンだけ正式名称でなく「ソニン」だったんです?)


65、阿部智里『黄金の烏』(シリーズ3冊目)

梓さんと浜木綿さんにMVPです。かっこよかったー!
そして雪哉くんがまた出てくれて嬉しいのだが、嬉しいどころの話じゃありませんでした。 好きです。
そしてこの子……おそらく化けますね? 怪物の気配しかありません……。


66、阿部智里『空棺の烏』(シリーズ4冊目)

「ここにきて学園もの?! ダレない?!」と思ったのだが、めちゃくちゃおもしろかった。前の巻の空哉の、「行きます」の意味がこうとは思わなかった。ここまでのものとは……!
空哉くんはあまりにも見事なのだが、正直、紫苑(『No.6』)を思い出した。怪物とか化け物とか、そういう。つまり慄くばかりで彼の行き先を思うと心が苦しいのだが、ますます続きが楽しみになりました……!


67、阿部智里『玉依姫』(シリーズ5冊目)

こっちの「世界」があることは描かれていたし、わかってはいたのだが、こんなに連動してるもんだったんだ?! と驚いた。
諸々ぞっとしたが、その愚かさは憎めるわけもなく、ともあれ天狗さんが大好きですね。天狗さんのスピンオフをください。
そうしていよいよ金烏さんの苦悩がつらいし、あの、あの、あのメンツで死ぬってだれなの? いやだよ…………(と思っていたら次巻でわかってしまい、あぁ……もう あぁ……)
なお『魔性の子』を思い出してしまったのは許してほしい。こちらもあちらもすばらしい作品です。


68、阿部智里『弥栄の烏』(シリーズ6冊目)(1部完結)

「弥栄」なんてタイトルなので大団円を想像していたのだが、私が悪かった。謝るのでもう勘弁して欲しい、後生ですから……の気持ち。
固めて押し殺した人間性を捨てられないまま怪物になる姿を見せつけられるの、とてもつらい。
「この物語はハピエンですか」で脳内2択アンケートをとるなら、100%ハピエンである。しかし、苦い。
「読者を信じる」というのはこういうことなのだろう、と思うのだが、たとえば『新世界より』ほど伝わりやすい後味の悪さや「悪」としては描かれておらず、その点は近年の諸々を振り返ると怖くはある。それは全部、読者が悪いのだが。


69、田村由美『ミステリと言う勿れ』(7巻まで)

おもしろかったーーーさすがおもしろかったぁーーー! あの嘘ついてない子を探す子もかわいかったな。
ガロくんはキノの旅のシズ様みたいになんかなってきてズルイですね(好き)
あと私も名前の最後が「u」で終わる仲間です。
カタルシスへの導き方に新鮮なほどのシンプルさがある作品なんだけど、6巻のラストもよかった。ホームレスの彼らに対し、驕っていた、と気づくところ。続きも楽しみにしたい。


70、ながべ『とつくにの少女』(10巻)

急転直下で虚無を見せつけられてしまった。どうしたらいい。
この物語、可愛い・怖い・奇妙・恐ろしい等どう表現したものか難しかったのだが、答えは虚無でした。びっっっっくり…… でもやさしくてあたたかくて希望がある……凄い……。
次巻が最終巻だそう。「ハッピーエンドだといいな」と思うんだけど、どうなったらハッピーエンドと言えるのかが全然わからない。
見たい風景はたしかにあって、それは間違いなくハッピーエンドではあるんだけど、いやどうなんだろ……わからない なにも……。


71、椹野道流『最後の晩ごはん ふるさととだし巻き卵』(シリーズ1冊目)

椹野さんの作品はBLしか読んだことが無かったのだが、相変わらずご飯がとってもおいしそう。読んでいて楽しい。


72、ヤマシタトモコ『さんかく窓の外側は夜』(9巻)

間に合うことってあるのだろうか。ことも、あるんだろうな。でもさーあっても苦しいじゃんね。希望が見えるとしんどさは増すんだよ。
ところで系多くんと逆木が好きなんだけど最高イケメンだった。はぁーーーっ好き!!!
続きがめっぽう気になるのだが、そろそろストーリーが複雑で、1巻から読み返す必要があるように感じた。読みます。


73、椹野道流『最後の晩ごはん 小説家と冷やし中華』(2冊目)

ストーリーが平坦に進むので騙されかけたけど、めちゃくちゃエゲツない事態じゃん……平坦に描いてくれるのは完全にやさしさじゃん……。とはいえ、安心のハピエン仕様。ご飯もおいしそうでよかった!
このシリーズ、巻末にレシピがついているんだけど、中華風コーンスープのレシピが、とってもめちゃくちゃ簡単でおいしそうだった。椹野さんの本はBLでこそめっちゃ読んでたんだけど、おいしそうレベルがバリ高なのがいつも好きです。
中華風コーンスープ、子が卵食えるようになったらつくる!


74、『イヴの時間』全3巻

とても好きな作品。特に真崎の話は、コミック読んでも映像で観ても、いつも泣いてしまう……
のだが、今読み返すと「んん……」となる部分もある。
人と同じ尊厳が付与されていないのに、「人と同じ」存在を作るのって、やはり禁忌だなと、今は強く思うようになった。なぜなら、とても残酷なので。


75、山中ヒコ『クラスで一番可愛い子』

3編収録の短編集。
ルッキズムとの個人的向き合い方に迫る表題作はもちろん、『バジリスクの道』の威力がすごい。「漫画」の凄みも思ったし、私たちはすでにバジリスクの道にいるし、かつ、他国にそうさせてきた(いる)側である、そういう側面も私たちにはある、ということも忘れてはいけないな。とかも思った。
そしてもうひとつの作品、『怪物の庭』。こちら他2篇と比べると評価は地味になりがちでは……と残念ながら思うのだが、私はこれが一番好きだった。及ばないものや壊れたものたちが集まって、ガラクタのような庭を怪物にしていく話。
ささやかで鮮烈な祈りが実りをみせる話なんだけど、だってそういうのは、とてつもなく強い希望だと思うので。はぁ〜〜〜〜〜名作!


76、山中ヒコ『新装版 森文大学男子寮物語』

どの話も好きなのだが、ヤリチンと思われてる童貞メガネのもっさりのっぽくんの話が、特に好き。手慰みに実質コンドームの付け方練習しちゃうのが愛おしすぎるので。
そしてうたさんと角さんも好きなのだが、しかし、うたさんと根岸くんが同棲すんのが本当に良いな……と思いました。


77、山中ヒコ『王子様と灰色の日々』全4巻

泣くでしょこんなの……いつ読み返しても、涙腺決壊が不可避です。
クライマックスの「叩き出される」シーンのギリギリさと、ラストの静かなやさしさが胸に迫って、沁みて仕方がない。強くなんかないのに、強くなれてしまう愛おしさよ。
正直「お前らこの野郎!!!!」となるし、「バイト代」は普通に一桁増やした額でよろしい。なども考えつつ、はぁーーーーー大好き、大好きな作品です。
気持ちの柔らかいところまでナイフを突っ込まれ切き刻まれて、強制的に膿み出しをされて「ありがとう……」という感想を抱いてしまうような作品です。怖。
愛しています。






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