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コロナ新識見4項

タイムズ紙ポッドキャストThe Dailyの7/6版。同紙の健康/科学のレポーターのDonald G. McNeil Jrのリポート。抜粋です。

最新のコロナ関連見識4項(信憑性の高い順に)

①コロナは呼吸器系の病気ではない。

最初はコロナ=肺炎の症状と思われていた。初期の患者はみな肺炎だったから。すぐに1918年のスペイン風邪と比べられた。

しかし、コロナはインフルなどとは全く違う、と言う事が分かって来た。

インフルは肺の空気孔に張り付く。コロナは実は血管の内側に張り付く。呼吸器ではなく血管障害をもたらすウイルスなのだ。

という事は肺だけでなく、同じように細い血管の集中する臓器は全てコロナの標的になり得るという事。

腎臓、腸、脳、、、

脳神経は攻撃しない。心筋も攻撃しない。しかしそこを走り抜ける血管を攻撃するのだ。

犠牲者の体には血栓が発見される。

脳卒中で亡くなる人もいる。認知症のようになったり、めまいがしたりもする。

足先が赤くなるCOVID toe 

も足や手の毛細血管が詰まった結果である。

この事実が分かる前は、コロナ患者のモニターは血中酸素の値で行われていた。肺炎を恐れているからだ。しかし問題が腎臓にも心臓にも出てくるとなると、他のテストでもモニターしないといけない。今までは診断は呼吸器系の症状でしていたが、この事実を持ってすれば

どんな患者もCOIVD患者の可能性が高い。

脳卒中、心筋梗塞、関節炎でさえもCOVIDである可能性がある。例えば足の関節痛で病院にやって来た患者にCOVID検査をしても結果が出るのに時間がかかる。その間にウイルスは心臓に、脳に、移転するかも知れない。

症状だけからCOVIDの診断が難しいとなるとやはり検査の量と検査の速さが今までより重要になる。


②変異

ウイルスは毎2週間少しずつ変異している。殆どの変異は問題ではないが、今の所1回、大きな変異があった。その変異前のオリジナルが武漢系、変異後はイタリア(欧州)系。そしてイタリア系の方が感染力が強い。武漢系の5−10倍と言われている。

それはウイルス全てに言える事。変異後は感染力が高まり、致死力が弱まる。例えば私が感染して、私の中でウイルスが変異するとする。私はウイルス1とウイルス2を保有する事になる。次に私がAさんにウイルス1を、Bさんにウイルス2を移したとする。例えばウイルス2の方が致死力が高かったとして、Bさんは死に、Aさんが生き残る。致死力の低いウイルス1がAさんからまた次の人へ移る、と言った具合。要は、ホストを殺してしまっては自分も死んでしまうため、ウイルスは変異毎に致死力が弱まって行く。

1918のスペイン風邪もそうだった。始めは致死力の高いウイルスだった。世界人口60〜70%に感染。そしてしばらくいなくなった。そのうち豚に出始めた。豚の間でしばらく感染していた。そして抗体を持たない次の代の人間が多くなるとまた人間に移った。しかしその頃には致死力は弱まり、H1N1(今のインフル)となった。

その傾向の最初の兆候がコロナウイルスにもほんの少し見られる。

しかしだからと言って、テキサスやアリゾナの感染拡大が「変異で感染力が上がったため」と考えるのはまだ早すぎる。国内各地での拡大は、経済再開の手順で失敗したからだ。これを変異のせいにするのは、同時に致死力が下がっているとの希望的観測に繋がりとても危険。コロナの感染力が強まっている研究結果はあるが、コロナの威力が変異によって弱まっているという報告はまだない。まだまだコロナは危険なウイルスで、各州、気を引き締めて対応しないといけない。


③屋内、危険

屋外はかなり安全と言う研究が相次いで出ている。

中国での研究では380件の内屋外感染は1件。日本での研究では屋内で感染する確立は屋外の20倍。

私達が喋ったり笑ったりするとき、空気中に霧のように飛沫を発している。屋外なら風が必ずふいているので、それが瞬時になくなるが、閉め切った屋内だとその霧が頭の高さに留まり、屋内を移動する。外で、6フィートのSocial Distanceを保っていればかなり安全度は上がる。

米国各地で行われた「デモ」。デモにより感染が拡大したという報告は無い。それは「屋外で、ほとんどがSocial Distanceを保っていた」と言うことで説明が付く。

屋外であれば全く安全という訳ではない。Social Distanceは必要だ。独立記念日前日のあのマウントラッシュモアでの大統領の演説の観客席、あんな風にびったりくっついていては屋外でも危険が伴う。マスクをしてようがしてまいが、6フィートの距離はとても大事。

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言葉をかえると、屋内の行事は全て危険、という事になる。

合唱団の練習、屋内での葬式、バーでの誕生日会、会社での会議。そう言う所でsuper spreaderが起こっている。

そしてその「屋内は確実にダメ」という主張は、どこに響くかと言うと、、、、、学校。(次項)


④子供

学校。特に低学年は、秋に再開しても大丈夫ではないか、という認識になってきている。なぜなら「子供はコロナ運び屋ではない」という証明が次々になされているから。

デンマークは4月に学校開催。フィンランドは5月。どちらも感染拡大は確認されていない。中国でも、家族が罹患した時、子供が持ち込んでいるケースは稀だった。殆どは親が子供に移していた。インフルでは子供が運び屋になる。咳やくしゃみで移し合うからだ。しかしコロナでは咳やくしゃみは主症状ではない。

子供が運び屋でないと言っても学校にはたくさんの大人も集う。完全に安全だとは言えない。

しかし、学校の再開の重要性は、レストランや映画館のそれとは比べ物にならない。どうにか安全と言える方法を見つけ出すことは可能ではないか、と言うのが今の見解。

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