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巡り合い

古本市で見つけた、古い絵葉書の山。

よく見たら旧字体で、しかも右から左に読む横書き。これについては年代が分かったが、大正14年のようだ。

なぜそのようなものが、目の前に小遣いで買える程度の値段で置いてある。
まあこんなものに小遣いを使う物好きは私くらいしかいないのだろうが。


少し、感動したんだ。

去年親戚が亡くなり、その人が確か大正の終わり生まれだったから。

そして、ずっとこれは人知れず生き残ってきたんだ。満州事変、太平洋戦争、終戦、オリンピック、そして…今まで。その時の空気を、私が生まれてすらいなかった、歴史の教科書で学んだだけの時代を、その身に受けてきた。
私にとって、体感したことが無い時代…そういう意味では極論縄文や奈良、平安、江戸の時代とさして変わらない。だが、これらと確実に違うのは、今目の前にあり、実際に触れられるということだ。歴博のガラス越しではない。(無論別ベクトルで歴博は歴博で好きだが)
ちょうど最近三菱重工爆破事件に関わった桐島聡が亡くなったとか言われているが、あのころも存在していた。

そう考えると、なんだか感慨深くなる。
だから、買った。
偽物の可能性も否定できないけど、質感的に本物だと思われる(少なくとも私はそう思いたい)し、保存状態も良く、装飾も魅力的だ。何より、私の好きな奈良の景色だそうだ。(もっぱら私が好きなのは奈良時代の歴史だが)
旧字体もそそるし、私のコレクションボックスに入ってもらおうか。

歴史の、遺物さん。

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