見出し画像

商標の本質とは?

今回も引き続き、商標とは何ぞや?!について、語ります。

前回は、
商標って、LOGOだけではなく、範囲も見るんだよ、
との話をしました。

今回は、
商標の話で、あることが起きると、
自分の商標であっても、自分のみ独占できない
とのことを語ります。

例えば、
皆さんは、ステープラのことを「ホッチキス」と言いますよね。
この「ホッチキス」名前の由来として、
元々、100年前に、米国のHOTCHKISSと言う会社が作ったステープラと言う類のモノが日本で広がり、日本人は、ステープラのことをホッチキスと言ったらしいんですね。
実は、正確には、ホッチキス社製のステープラだったんですね。

画像1

ただし、
今は、Googleで「ホッチキス」で画像検索をしてみるとご存知の通り、
ホッチキス=ステープラになっていて、どの業者でも「ホッチキス」と言う言葉を自由に使うことができます。
言ってみれば、一般名称になりました。

商標的には、普通名称化という概念がありまして,
登録商標が不特定多数の者に使用されることにより,
自他商品を区別する機能を有していた商標が,徐々にその機能を消失させ,
消費者からみてその商品そのものを表す一般的な名称として認識されるに至ることを言っています。
こうなっちゃうと、
商標法第 26 条第 1 項第 2 号により、商標権の効力は及ばない、ことになります。

すなわち、普通名称として認められたら、
そもそも、当初自分が取った商標だとしても、
他人に対し権利行使ができなくなります。

商標としての価値はゼロになっちゃいます。

似たような事例は、他の国にもあって、
例えば、
東南アジア諸国に行くと、ホンダ=バイクだそうです。
なので、KAWASAKI製のバイク、BMW製のバイクと言うんじゃなくて、
KAWASAKI製のホンダ、BMW製のホンダ、になるんですかね?

例えば、中国人にとって、味の素=調味料です。
14年前に私が日本に来て初めて、味の素株式会社と言う会社が存在することに気付き、ショックを受けたことがあります。

因みに、中国人は、
日清食品と言う会社が作った調味料を、
日清食品の味の素と言います。

参考用のネタ:
【商標】デジカメ
【出願番号】 S60-044087(1985.04.27)
【権利者】三洋電機株式会社
【区分】09
電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品...

【商標】デジカメ\DIGICAME
【出願番号】 H08-028141(1996.03.14)
【出願人】松下電器産業株式会社
【区分】09
写真機械器具,映画機械器具...

【商標】ホッチキス
【出願番号】 H10-052230(1998.06.19)
【権利者】キヤノン株式会社
【区分】09
写真機械器具,映画機械器具...

【商標】ホッチキス
【出願番号】2003-099357(2003.11.10)
【権利者】マックス株式会社
【区分】10
おしゃぶり,氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,ほ乳用具,魔法ほ乳器,綿棒,指サック,避妊用具,人工鼓膜用材料,補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。),業務用美容マッサージ器,医療用機械器具,しびん,病人用便器,耳かき

(この商標は未だに有効ですが、心配しないでください、ご覧の通り、マックスさんは、ステープラ商品のところではこの名称で商標取れていません)

よろしければサポートお願いします!いただいたサポートは価値のある情報収集に使わせていただきます。