裸で雪に飛び込んだ話

・前提

雪に飛び込む前にまずサウナについて説明しなければならない。サウナというものをご存知だろうか。サウナというのはサウナ7〜10分、水風呂1〜2分、休憩5〜8分を1セットとし、これを2.3回繰り返すことを指す。サウナ室は80〜90℃、水風呂は10〜20℃くらいが一般的。
なぜこんなバカみたいに暑い部屋とバカみたいに冷たい風呂を交互に入るという古の拷問みたいなことをするのか。
まず一つは健康効果が期待されるからである。疲労が回復する、睡眠の質があがる、肌が綺麗になる、自律神経のバランスが整うなど様々な効果を得ることができる。
そしてもう一つが多幸感を得ることができるからである。水風呂を出た後、アドレナリンやエンドルフィンなどの脳内物質が分泌されふわふわと気持ちよくなれる。俗に言う″整う″という感覚である。自分が自分じゃなくなるような感覚に陥り、宇宙と一体化できる。もはやドラッグである。合法的にキマれるドラッグである。ドラッグといえばの話があるがそれはまた別のnoteに書くことにする。
主に二つ目の効果を目的にサウナに行く。最近は緊急事態宣言もありあまり行けてないが週5で行きたい。サウナ中毒と言われれば否定はできないが酒や覚醒剤よりはよっぽど良い。

・予約

今までに、夜景が一望できるスカイスパYOKOHAMA、サウナの聖地と呼ばれるしきじ、男も女も裸で入るオランダの混浴サウナなど様々な場所で整ってきた。オランダに関しては別の意味で整いそうになったが。それだけハマってしまう魅力がある。そしてある日、こんな話を聞いた。
「水風呂の代わりに雪に飛び込むことができるサウナがある」らしい。なんだと。
裸で雪に飛び込むのが母のお腹にいた頃からの夢だったので友人Kと行くことにした。
自分の興味があることだと行動力が2億倍になる。
今回見つけたのは長野県の「The Sauna」。ナウマンゾウで有名な野尻湖のすぐ近くにある。割と最近できたところで完全予約制。ゲストハウスに併設されているが今回は埋まっていたのでサウナだけの利用。雪に飛び込めるサウナは今のところここの他になく、非常に人気で冬休みは大晦日の夜しか空いていなかった。男2人雪の中で年を越すのも悪くないと思い予約した。

The Sauna | LAMP in Nagano

・入室

2020年1月31日。朝7時発の高速バスで山の国長野へ入国した。散歩したりお茶したりで時間を潰し、19時にサウナがある建物へ向かった。受付を済ませた後水着に着替えサウナ小屋へ。雪の中にポツンと建っている。初めてのアウトドアサウナにワクワクが止まらない。てか道中寒すぎ。気温－5度の中、裸で歩いてる。ナウマンゾウもびっくり。今の状況、2ワクワク8ぶるぶる。
いざ、入室。サウナ小屋内の温度は90度近くあったが外が寒すぎたため心地良く感じる。じんわりと暖かい。木の香りに癒される。これもうずっと居れるな。なんとここはセルフでロウリュできる。ロウリュすると一気に体感温度が上昇。ずっと居たら死ぬわと思い小屋を出た。

サウナ小屋

外には川の水から引いた水風呂が用意されている。天然の水風呂。スタッフの説明によると水温0.5度らしい。え？？0.5？？今までの経験で1番低くても7度とかだったんですけど？？大往生してやろうと思いキンキンに冷え散らかした液体の中に飛び込んだ。あれ、案外イケる。サウナで体の芯まで温まっていたので全然入れる。ただしばらく経つと脳みそがこのまま居ると死ぬよと囁いてきたので出ることにした。
その後は雪の中用意されてる椅子に腰掛けて外気浴。星見浴ができると聞いていたが曇りに曇っていたので一粒も見れず。ただ、完全に木々に囲まれた中で整うことの心地よさったら無い。森と一体化、自然と一体化。森に感謝、自然に感謝、森羅万象に感謝。

一体化

・雪

あまり長く外にいると凍え死ぬのでサウナに戻った。今回どんだけ生命の危機に晒されてんだ。
再びサウナで体を温めた。ロウリュもしつつ限界まで体温を上昇させる。血管が沸騰するぐらいまで耐え、次は雪の中に飛び込んでみることに。念願の雪ダイブ。だいぶ勇気がいる。うおおおおおお。今、長野の雪の中にいます。こんばんは。
水風呂はしばらく耐えられたけど雪は冷たすぎ。このままいたら冷凍保存されてしまうので出ることに。30秒ももたなかった。裸で雪に飛び込むもんじゃない。
そんなこんなであっという間に時間が来てしまった。この神秘的な体験ができて2時間1人2000円。こりゃイイぞ。今回は時期が冬だったので禁止されていたが夏なら野尻湖に飛び込めるらしい。それにカヤックやラフティングなどのアクティビティも体験できる。また来よう。
サウナ後、焚き火しながら飯を食った。雪が降り頻る中、火の温もりを感じながら食べるピザの美味しいこと美味いこと。

あんまおいしそうに見えないピザ

・事後

宿に戻りガキ使でも見ようとテレビをつけてみた。しかしどのチャンネルに合わせても知らない番組しかやってない。おかしいなと思いテレビ付近を調べてみたところテレビの案内の紙が出てきた。
「※当地は地デジ放送難視聴地域のためBS放送のみ受信可」
BSしか放送されないだと？？このご時世に地デジ映らないことある？？都会っ子には受け入れられない事実だった。1人でキレていたら友人Kがこんなことを言い出した。
「俺、年越しの瞬間にイクわ。」
なんだこいつ。相場はジャンプとかだろ。言ってる間に隣のベッドでAVを再生し始めた。こいつは本気だ。2020年12月31日23時57分。友人Kはイッた。いや、早いって。相変わらず早漏すぎる。こいつの頭のネジと精子工場のネジは外れているようだ。

・結論
「雪は冷たい」

これはあまり知られていない話だが雪というものは非常に冷たい。文字通り肌で感じた。
まだ見ぬサウナを求めてこれからも冒険は続いていく。

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