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僕はへんなひと

僕にはあまり人に言わない趣味がある。
それは妄想だ。
頭の中で理想の物語を想像して布団の中で考えを巡らせるのが僕の趣味の一つである。

過去に闇を抱えながらも自分のやり方で料理を極め自分の店を持ち、時にはモデルもこなす美人で優しい女性と、学生時代に彼女を救ってずっと傍で寄り添ってきた優しくてモテる男性が主人公の物語だ。
他にも今までに様々な登場人物を想像し、頭の中にしか存在しない物語を創り上げてきた。

僕は変だ。


子供の頃、親父に怒鳴られてばかりいた。
ただひたすら「ごめんなさい」と発する機械のようだった。
失敗することが怖くなった。
否定されることが怖くなった。
馬鹿にされることが怖くなった。

小学生の頃、ノートに色々書くのが好きだった。自分で考えた変なキャラクターの絵、好きなゲームやアニメ、映画のキャラクターの名前や設定、訳の分からない暗号、好きな曲の歌詞。
誰にも否定されない、馬鹿にされない、自分だけが見れる、自分が好きなものが溢れたノートを作った。

中学生の頃、ノートに周囲から聞こえてきた言葉をひたすら書き写す遊びにハマった。
ノートにびっしり書かれた意味不明な文字列がなんか面白かった。
僕は変だ。

高校と大学でゲーム制作を学んだ。
色んなゲームを作った。
それなりに評価されたものもあった。
結局仕事にはしなかった。

大人になって推しを題材にしたゲームを作った。周りに褒められた。嬉しかった。
それがきっかけで色んな人と出会った。
一緒にゲームをする友達ができた。嬉しかった。

友達は少ない方だと思う。
僕は変だから、昔から友達ができてもすぐに離れてくことが多かった。
ずっと寂しかった。
友達が欲しかった。
その中で仲良くしてくれている人達にはとても感謝している。

失礼だが、変な僕と仲良くしてくれている人もまた変な人なのだろうかとたまに思う。
僕は変な人が好きなんだと思う。
変な人はおもしろい。
だから僕は「へんなひと」を自負している。

人に「おもしろい」「たのしい」を届けられる「へんなひと」になりたい。
「普通」じゃなくても僕の好きなことで人を笑顔にしたい。
変な僕が生まれてきた意味を残してみたい。

だから僕はへんなものを作る。
自分のペースで、自分の好きなものを作る。
否定されるのは怖いけど、馬鹿にされるのは怖いけど、それでもやりたいことがある。

僕は頭で考えたことを行動に移す速度がとても遅いから、「分かってるのにできない」と挫折することも多かった。
興味のないこととあることの集中度合いの差が激しいから、極端に好きなことにハマり続けてしまうことも多かった。

そんな僕だからできることがある。
変な僕でも、誰かの役に立てることを「じんむゲーム」で知った。

人生はゲームだ。
色んな経験を積んで経験値を貯めてレベルを上げて、次の敵に挑んでいく。
ゲームのストーリーも、経験も、敵も人によってバラバラで、レベルアップの度合いも違う。

僕はレベルアップの速度が遅い。
だからひとまわりずつ、少しずつレベルを上げている。
一気に上がらなくていい。小さな成長を積み重ねていけばきっと大きなものになるから。

そして、些細な小さなことでも幸せだと感じられるストーリーにしたい。
きっとそういう人生が神ゲーになると思っている。
変な僕が主人公の変なゲームはまだ始まったばかり。
これからどう盛り上がっていくか、楽しみだ。

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