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パワポしかできなかった新卒2年目の自分がAI新機能を開発した話

自己紹介

こんにちは。TieUpsでコミュニティデザインを担当している出田遼聖と申します。
私はこれまで様々な地域で、地域づくりのコミュニティの立ち上げをおこなってきました。オンラインコミュニティの運営に携わったのはTieUpsが初めてでしたが、コミュニティとして通じるところが多々あり、日々模索しながらコミュニティを育てています。
業務上、SQLやBIツールを使ってデータを見ることが多いため、その応用としてさまざまなデータ分析をし、機能開発や運用に役立てています。

入社した当時の自分はビジネスツールに関してはほぼ使ったことがなく(パワポくらいでした笑)、データベースに接続することすらままならない状態でした。データを抽出するために必要なクエリはずっと謎の暗号に見えていて、開発は自分は一生関わらない世界だと思っていました。


今回のコメントサポート機能について

今回、取り上げるのは弊社が提供しているコミュニティSaaSであるTieUps(タイアップス)の機能「コメントサポート機能」です。

簡単に言うと、コミュニティ内でコメントを付ける時にAIがサポートしてくれる機能です。

  • コミュニティの目的とする概念

  • ユーザーが投稿した内容

  • ユーザーの過去の投稿や口調

などを複合的に分析し、その投稿内容を他のコミュニティメンバーがより話題化しやすいようなコメントを考えてくれます。基本的には、コミュニティを運営するモデレーターが運用することを前提で作られている機能です。

どんなコミュニティがいいのか(理想)

なんとなく便利そうな機能ということは伝わったかもしれません。
が、実際コミュニティに役に立つ機能とは一体どういったものでしょうか。

コミュニティの理想像を踏まえてお話します。
コミュニティではメンバーの定着が欠かせません。なぜなら、コミュニティにとって人こそが一番の価値であり、人同士のコミュニケーションが無ければコミュニティの存在意義が無くなってしまうからです。

メンバーの定着を考える上で、

  1. 「タイミング」

  2. 「受け入れる」こと

の二つが特に重要な要素となります。

まず、一つ目の「タイミング」とは、「そのメンバーが最初に発言をした時」がメンバーをコミュニティに定着させる最も重要なタイミングと考えています。コミュニティにとってそれは、投稿したときやコメントをつけた時に該当します。

  • 初めての環境で受け入れられるかどうか不安

  • このコミュニティにとって適切な話題に触れているだろうか

などの不安を感じながら、初めて発言をしたとき。その発言がほかのメンバーに受け入れられるかどうかで、その人の定着具合は大きく左右されます。

実際に、弊社の運営するコミュニティにおいて、最初に自己紹介投稿を行ったユーザーのうち、コメントなどを受け取ったユーザーのその後の投稿率は、そうでない人の2倍以上になっているというデータも取れています。
(さらなる分析と検証も必要ですが)

タイミングについては分かったところで、
二つ目の「受け入れる」ことについて考えてみようと思います。

「アットホームな環境です」や、「誰でも大歓迎です」のような謳い文句に対して少なからず怪しさを感じてしまうように、無条件にコミュニティに受け入れられる状態というのはあまり心地よいものではありません。むしろ逆効果になることだってあります。リアルな場でのコミュニティでは、その「受け入れる」役割をコミュニティマネージャーと呼ばれる人々が上手にこなしています。

  • 新メンバーを知ること、昔からいるメンバーのことを紹介すること

  • コミュニティの目的やルールを共有したり、時にサポートを行うこと

自然なコミュニケーションを用いながら、段々と新メンバーの心の緊張をときほぐしていくのです。(コミュニティでは、心理的安全性を確保する、と言ったりもします。)

このコミュマネという人達の仕事は、簡単に真似できることではありません。相当な観察力と読解力などが必要とされるからです。そしてその仕事にかなりの時間を注ぐことになります。
企業でオンラインコミュニティを活用しようとしている人々は、必ずしもコミュマネの仕事をこなせるようになるまでの、時間的な余裕を持っている人は少ないです。また、オンラインという特性上、リアルでのコミュニケーションに比べてやりとりが複雑になってしまうこともあります。

話は戻りますが、
今回のコメントサポート機能は、このような課題を解決する役割を果たし、
再現性の高いコミュニケーションを実現するために企画された機能です。

なんでコミュニティにAIを入れようと思ったのか

実はこの機能、CTOとお酒を酌み交わしていた時にアイデアが浮かび、実現したものなんです。
お酒を飲んでいる時は、いつもこんな話題から始まります。
「ぶっちゃけ、今のコミュニティに一番必要な機能って何よ」

質問をされた時は、いろんなことが頭を巡ります。
普段使っていて自分が思っていることやユーザーさんからの意見、クライアントが言っていたことなどです。

その日浮かんだのははもっぱら、クライアントが言っていたことで、運営側がメンバーの投稿にコメントするときの苦労話でした。

日々投稿が増えていくのはすごく嬉しいし、コメントするとメンバーさんも喜んでくれるから、雑にはできない。
だけれども、毎回コメントを考えるのも時間がかかるし、どんなコメントをしたらうまくほかのメンバーも会話に参加してくれるかの塩梅が難しい。

コメントを考える時は、投稿そのものの内容も含め、前後の文脈やその時のメンバーさんの状態など、さまざまな情報を複合的に判断する必要があります。
そして、それらがうまく噛み合う時にすごく会話が盛り上がるのです。
この「さまざまな情報を複合的に」というのが、データを格納しているデータベースの構造にピッタリだと思い、いろんな情報を同時に処理できるAIの力を借りれば、さらに誰でも簡単に、素早くコメントを考えることができるのでは?と思った次第です。
幸いなことに、技術的な実装のハードルはそれほど高くなかったようで、CTOにも「早速やろう」という返事をもらうことができました。

コメントサポート機能は、コミュニティの運営者がコメントを考えるための時間を大幅に削減してくれます。しかも、そのコメントはコミュマネが自然と行っている"コミュニティ活性化"のエッセンスが詰まっているというものです。メンバーは、自分の発言がコミュニティの中で盛り上がり、どんどんとコミュニティに貢献してくれることになります。

上記は今回のコメントサポート機能の理想的な使われ方としての一例です。あくまでも"サポート"としてコミュニケーションをより活発にしてくれる機能になることを望んでいます。

コミュニティがユーザーにとってより価値のある場所になるため、そしてコミュニティがずっと存在していくため、この機能がAIという立場を最大限に生かし、活躍して欲しいなと思っています。

今後こんな機能を入れていきたい(願望)

実は私はこのコメントサポート機能に唯ならぬ可能性を感じており(勝手に)、壮大な機能開発計画を夢見ています。(勝手に)

コメントサポート機能は今はコメントをサポートするだけの機能ですが、今後はコミュニティのあらゆる所にサポートしてくれるAIを入れていきたいと思っています。

例えば…

  • メンバーの人柄を紹介してくれるAI

  • コミュニティで話題になっていることを教えてくれるAI

  • 話が合いそうな相手を見つけてくれるAI

  • ログインした時にめちゃくちゃ褒めてくれるAI

などなど、考え出すとキリがないですね!!
いまは限られた才能ある人がコミュマネを務め、コミュニティを形成していますが、いつかは、誰もがコミュマネになって、個人や、会社の商品のコミュニティを運営する。
そんな未来が訪れて欲しいものです。

コミュニティをこうしていきたい

最後に
コミュニティにAIを入れるというのは、一見、コミュニティを大切にする人間としての自然の摂理に反しているように感じます。

「コミュニケーションとは血の通った人間同士の言葉のやり取りで、そこにAIが入ってしまうのは良くない。」

至極真っ当な意見です。これに関しては私自身も同意見で、コミュニティには、その人らしさがとても重要な要素になってきます。

だからこそ、
然るべきところには然るべきサポートをしてくれるAIがいて。
膨大になってしまうコミュマネの仕事を軽減してくれるAIがいて。
ちょっぴりみんなを和ませてくれるAIがいて。

そんな中で、みなさんが思うコミュニティの「本当に大切なもの」に一番時間を注いでもらいたいと思っています。

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以上、コメントサポート機能からはじまり、AIコミュマネの妄想(勝手な)、コミュニティについて考えることについて綴ってみました。
少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。
最後まで読んでくださりありがとうございました!


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