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河津桜祭りを終えて-思うこと

 僕にとっても、河津町にとっても年に一度の一大行事。桜祭り。

 河津桜は、僕の友達のおじぃちゃんが河原で拾って植えたら、早咲きのピンクの鮮やかな桜が咲きましたっていうラッキーなやつ。
 もちろん原木が植っているのは、友達のおじぃちゃんち。それがソメイヨシノなどに接木されて、クローンとして全国に植っている。

 物心ついた時には、すでに祖父母が桜祭りでみかんを売っていた。学校の帰り道には、わけのわからない的屋のチョコバナナをよく食べていた記憶がある。


 さて、単に農家・百姓といってもうちは特別だ。大抵の生産者は、作って卸して終わり。特に大規模にやっている生産者ほど消費者と関わるほど手が回らない。
 そこを代わりに請け負ってくれているのがJA。逆にいえば、JAが求める作物を作らなければ、買い取ってもらえない。みかんでいえば、特に温州みかんなんかは、少しでも皮に病気の症状が見られれば引き取ってくれない。
年に10回は農薬をかけると聞いたことがある。

 なぜ引き取らないかといえば、もちろん安定した品質を担保し、市場に流通させたい面もあるだろうが、農薬といった農業関連商品を売りたいという面もあるだろう。
 案外消費者はそこまでシビアに品質を求めていないにもかかわらず(食べることに影響がない傷や形など)、農協としてはそれらを改善するための商品を売るために、規格を厳しく設けているといえるだろう。

 つまり、生産に専念し、大量に農協に引き取ってもらうためには、農薬等が無くてはならないのである。

 そこで、農薬不使用の生産者が生き残るためには、自分たちで販路を開拓しなければならないというわけである。たとえば、最近インスタのリールで若い無農薬農家が動画を上げている。あのように、直接消費者とつながって取引をしていかねば成り立たないのである。

 つまり、桜祭りは無農薬で農業をやる身としては、最高の環境なのである。なぜなら、自分たちが作ったものを、直接面と向かってお客さんに届けることができるからである。
 無農薬の農家さんの話を聞くと、やはりそこが大変だという。ネットが普及した今、野菜の定期便や、スーパーなどの販売店との直接取引も可能になっている。

これからは、"みかんが食べたい"じゃなくて、"どこどこにある、誰々さんちのみかんが食べたい"っていう時代になると思う。だからこそ、こだわって間違いない仕事をすれば、自ずとファンが増え商売として成り立つようになると思う。

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