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Austrian Audio ヘッドフォン

ヘッドフォンの買い換えを検討していたところ、Austrian Audioが評判が良かったため「Hi-X50」を導入させていただきました。

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評判通り音のバランスが良く解像度が高い、私がヘッドフォンに求めていた「空間を通す」のではなく「直接的な音」がそこにはあり、大変気に入っています。

しかし、オンイヤーモデルのため長時間使用していると耳がとても痛くなります。私が眼鏡をかけていることもあると思うのですが、ヘッドフォンをいろいろ使ってきた中でも締め付けはダントツ一位でした。

そこで、いつもRMEやFerrofish製品などでお世話になっているエムアイセブンジャパン様がAustrian Audioの代理店ということで、上位機種の3つをお借りして試してみることにしました。

お借りしたのは、「Hi-X65」「Hi-X55」

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 そして、本日国内発売開始となりました新製品「Hi-X60」です。

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まずはメーカーが公開しているスペックを比較してみます。

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タイプを除き、基本的な性能はほとんど変わらないことがわかります。
しかし新製品「Hi-X60」はカラーリングが「ブラック」を基調にしたものになりました。この4機種は同じケーブルが付属していますが、本体だけではなくジャックのカラーリングも変更されています。

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それでは実際に試していきたいと思います。


【つけごこち】

今回一番重要視していたポイント、「つけごこち」です。
オンイヤーの「Hi-X50」は圧迫感がかなり強いです。耳をがっつり押さえてしまいます。眼鏡をつけている人には長時間耐えられないくらいです。

他3機種はオーバーイヤーのため耳とドライバーの間に空間を作るため厚めの柔らかいクッションが付いています。耳をすぽっと覆うことができ、圧迫感はあまり感じません。眼鏡でも大丈夫。


【音漏れ】

「Hi-X65」は開放型ですのでしっかりと漏れます。他3機種は密閉型ですので通常程度の漏れでした。


【遮音性】

「Hi-X50」>「Hi-X60」「Hi-X55」>「Hi-X65」

やはり「Hi-X50」オンイヤーのため遮音性が他よりも高く、「Hi-X65」はオーバーイヤーで開放型ですので遮音性は低いです。


【高音域】

「Hi-X50」はフラットな印象です。色づけされていませんが、しっかりとモニタリングすることが出来ます。この音を基準にして他3機種を比べてみます。

「Hi-X65」は上にすぅーっと伸びている印象です。ハイレゾを生かしたような音源がしっかりと生かされるイメージですが、ジャンルによっては痩せて聞こえてしまうかもしれません。

「Hi-X55」はX65同様上に伸びている印象なのですが、中高音域に少し癖があるように感じました。少し位相感に違和感があるような印象。

「Hi-X60」は「Hi-X65」と同様に上に伸びている印象ですが、痩せたようなイメージは無く、また「Hi-X55」のような中高音域の変な癖も全くありません。とても良いバランスに仕上がっているように感じました。

【中音域】

「Hi-X50」はフラットな印象です。ドライバーが近く空間が無いため、中音域は特に直接的に耳に入ってきます。ボーカルは目の前で歌っているような近さを感じます。ボーカルのエディットをするのにはとても聞き取りやすい印象です。

「Hi-X65」は「Hi-X50」に比べると少し引っ込んでしまっているかなという印象です。

「Hi-X55」は「Hi-X65」に比べるともう少し前に出てきていますが、高音域で書いた癖がここにも影響してきている印象です。

「Hi-X60」は「Hi-X50」に比べると少し引っ込んだ印象がしますが、しっかりと聞こえています。

【低音域】

「Hi-X50」は流行の色づけされた低音ではありませんが、ちゃんとモニタリング出来るレベルで聞くことが出来ます。4機種の中では一番しっかりと聞こえます。

「Hi-X65」はモニタリング出来るレベルで出てはいるが、「Hi-X50」に比べると少し聞こえないかなという印象。音量をちょっと上げ目にすると聞こえてきます。

「Hi-X55」「Hi-X60」は「Hi-X65」に近いですが、もう少し弱いかなというレベル。


【音の近さ】

「Hi-X50」>「Hi-X55」>「Hi-X60」「Hi-X65」

「Hi-X50」は直接的な音が耳に入ってきます。ほんとに近いです。その他3機種は空間がしっかりとあり、空気感が表現されている印象。


試聴を終えて総評です。


【Hi-X50】耳の痛さを除けば一番好き!

他の3機種に比べると高音域は劣ってしまいますが、しっかりとモニタリング出来るレベルでは出ているので問題ありません。高音域から低音域まで変な色づけが無く、モニタリングヘッドフォンとしての役目を全うできると思います。スピーカーが使える場合は「空間」はスピーカーで、「直接的な音や細かいエディット」にはHi-X50という使い分けが出来ます。音楽のジャンルを選ばない使いやすい一台。


【Hi-X65】クラシックやジャズなど空間を感じるジャンルにおすすめ。

高音域の伸びや空間の表現が、クラシックやジャズを聞くと印象がガラッと変わり良かったです。ライブ音源などを聞くとスピーカーで聴いたような空間を感じられます。逆に言うとロックやEDMには向かず、細かい音のエディットには向かないかもしれません。


【Hi-X55】ん〜惜しい。

どうしても中高音域の音の癖が気になってしまってあまり聞き込めませんでした。一枚フィルターがかかっちゃってるイメージでしょうか。そこを除けばそんなに悪い印象は無いのですが、同じ値段帯なら他の製品を選ぶかもしれません。


【Hi-X60】Hi-X55の気になる点が解消され、とてもおすすめ!

新製品ということで期待してたのですが、本当に期待通りでX65/X55のイメージは引き継ぎつつ、気になる部分がしっかりと解消されています。代理店さんによるとX65の後継機種という位置づけらしいのですが、そもそもタイプが違うのでX55の方が近いのではと思うところなんですがね。
音の立ち上がりや立体感がとてもよく解像度も高い。X65/X55を試聴したが気になる点があって導入を止めた人は絶対に試聴してください。とても気に入ると思います。


最後に総評です。

個人的おすすめは「Hi-X50」と「Hi-X60」です。

【Hi-X50】
ジャンルを選ばず、エディットがしやすい音の近さ。現代の音に対応したフラットな音作りで誰にでもオススメ出来ます。解像度もとても高いです。
でも締め付けが強いので使えるのは2時間くらいが限界かな…締め付けることによって低音域がしっかりと出てくるので緩めることも出来ず。後継機種が出ればその点のみ改善を期待します。

【Hi-X60】
クラシックやジャズ、ライブ音源などを聞くと空間がしっかりと感じられ、スピーカーが使えない場合に代用できそうな印象。
ただ高音域と空間を感じられる一方で、EDMやロックのような高音域が強く継続して出続ける音源を聞くと少し疲れる・痩せて聞こえるような感じがしたのでオールマイティーでは無いかもしれません。でもつけごこちは良いので、長時間の作業でも苦にならなさそう。


いろいろ書きましたが全て個人的な感想です。
特に本業ではロックやJ-POPを主に、作家業ではJ-POPやEDMなどがメインジャンルの人間ですので、どうしてもそういう主観が入ってしまいます。マイクなどでもとても評価を得ているこのメーカー、まずは是非試聴してみてほしいです。

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