トイレトレーニング2

前回のトイレトレーニングの基礎を続けている方は、トイレのタイミングも掴めてきて、うまくトイレへ連れていけるようになったのではないでしょうか。ケージに入れてすぐ排泄をするようなら、ばっちりです。

「人が見ていれば、失敗しなくなったよ!でも、人がトイレに連れて行ってあげればちゃんとトイレで出来るけど、放っておくと自分では戻ってくれないんだ…」

ここまで来たら、次のステップです。

トイレで排泄する事と排泄のためにトイレに向かう事は別

「トイレをする場所」と「トイレに戻る事」を教えるにはそれぞれ別の練習が必要です!

察しの良い子は、トイレを教えた時点でトイレの場所まで覚え、なおかつトイレをしたくなった時に「いつもしている場所にしに行こう」と戻ってくれます。

こういった子はとても楽ですね。勝手に戻ってくれるのはありがたい。 ですが、皆がそう上手くはいきません。

ケージでは出来る

大抵の子は、「近くにトイレがあれば」戻れます。

例えば、ケージの中。よくあるケージの使い方では、トイレスペース+ベッドや遊ぶスペースなどがありますね。その中でちゃんとトイレに出来るのは、「トイレしたい」と思った時に、トイレが目の前にあるからです(トイレトレーをトイレと認識しているのが前提)。近くにあれば、「ここにしよう」と思います。

ケージ内で出来ていると、「トイレを覚えた!」と勘違いしやすいです。

ですが、ケージから出ると歩き回れるスペースが広くなります。すると、トイレをしたくなった時に近くにトイレが見当たらず、「とりあえずこのへんで良いや」としてしまうのです。

犬は元々トイレの場所にこだわりがないのですから、したくなったら近くでしやすそうなところを探すのは当たり前。

ではどうやって戻ることを教えるのか。

行動できる範囲を少しずつ広げる

まずは環境の整備です。

いきなり部屋の端からケージ(トイレ)に戻ることは難しいですが、ケージの近くにいれば、戻ってくれる可能性が高くなります。

柵などで行動範囲を制限したり、人が遊んであげる時に意図的にケージの前で遊ぶようにするなど、トイレをしたくなった時にトイレが目に入りやすいようにします。

そして、トイレに戻れたら褒める!これを繰り返して、成功が続いたら、少しずつ自由な範囲を広げていきます

トイレのためのハウストレーニング

トレーニングとしてぜひ行ってほしいのは、「ハウストレーニング」です。

色々な場所から自分の足で歩いてケージに入るという経験をさせることで、トイレをしたくなった時にトイレのあるケージに戻りやすくなります。

また、トイレに戻れない子の中には、「場所はわかっているけど、行きたくない」という子がいます。普段ケージにいる時間が長かったり、叱られる時にケージに入れられたりしていると、ケージはつまらない所、嫌な所になりやすいです。せっかくケージの外に出られたのに、わざわざ嫌いな所に行こうとは思いませんね。そこで、ハウス練習をする事でケージ嫌いを克服します。

今回のハウストレーニングは、トイレに戻るためのトレーニング方法です。人の指示で入る事より、ケージに出入りする事そのものが重要です。

ハウストレーニングの進め方

1.フード(おやつ)を手に持ち、においを嗅がせながら手をケージ内の奥まで入れ、ケージに入るように誘導する。

ケージ内に体(四つ足)が全部入ったらフードをあげます。これだけ! (コマンドをつけたい場合は、全部入ったタイミングで声掛けをします)

もし警戒してなかなか入ろうとしない場合は、ケージ内にフードを何粒か置き食べに行くのを待ちます。フードは入り口付近(ケージに入らなくても食べられる所)から少しずつ奥の方へ置いていき、食べられるギリギリの所で何粒も食べさせます。慣れてくると、そこから少し奥にフードを転がしても、追いかけて入っていく事があります。

ケージに入るようになってきたら、フードを置かずに、手に持ったフードの誘導で入れるようにします(次のステップに進むために必要です)

☆ポイント☆                            ハウス練習の時、いちいちケージの扉を閉める必要はありません。扉はあけたままの状態で、ひたすらケージの出入りを繰り返します。

2.フードを持たず、手の誘導で入る

ケージの近く(1~2mくらい)からケージに入る練習。

何回も繰り返し練習をしていると、犬も何をしたら良いかが分かってきて、人が誘導する前にケージに入る事があります。

今回は、トイレのためのハウストレーニングなので、誘導して入った時だけでなく、勝手に入っていく事も褒めていきます。

また、フードのにおいを嗅がせなくても入るようになってきたら、フードは手に持たずに、手の動きだけで入る練習もしていきましょう(入ったらフードはちゃんとあげます)

3.ケージから離れた所から戻る練習

ケージの近くでスムーズに入れるようになったら、少しずつケージから離れた所から入る練習をしていきます。

人はケージの近くで、犬がケージから離れていく方が上手く行きやすいです。

人がケージに手を入れなくても出来るようになったら、人もケージから離れる練習をしていくと良いです。

人も犬もどこにいてもケージに入れるとバッチリ☆

練習は、普段犬がいる所から戻れるようにして置ければよいです。

☆ハウストレーニングの注意☆                    最初のうちは、トイレとは関係ないタイミングでハウス練習をします。  また、トイレ休憩の時など、ケージに戻したい時にハウスの指示を使う事が増えてくると、再び「ケージに入ったら閉められる」と警戒心が戻ってきてしまう事がよくあります。予防するためには、扉を開けっぱなしでのハウス練習(出入りの繰り返し)もしっかり続ける事です。

トイレ休憩とハウスの指示(誘導)を組み合わせる

ハウスの指示で入れるようになってきたら、トイレに戻す時に、抱っこではなく「ハウス」の指示で入れてみます。

言葉だけでなく、手で誘導しても良いです。(ケージに近づくだけで入るようになっている子もいると思います)

理想の流れは、

「人がケージに誘導→排泄をする→ケージから出して褒める」

ケージに入れてすぐに排泄をしてくれるとさらに良いです。

この流れを繰り返し行う事が出来れば、自分から戻ることはあともう少し!

後は人のケージへの誘導の動きなどを、少しずつ小さくしていきます

例)声掛けを小さくする、手の動きを小さくする、ケージの近くまで行かずに途中で立ち止まる

後は、失敗しないようにしてトイレの成功を重ねていくと、あるとき急に戻ってする時がやってきます。自発的な行動を引き出すには、繰り返しの練習習慣化させることです。習慣化するには時間がかかります。トイレの失敗がなければ、焦らずに続けていきましょう。


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